上 下
55 / 92

相手を自分の思い通りに操ろうという下心のなせる業

しおりを挟む
<子連れ再婚>とかでもそうだと思うけど、相手の連れ子を自分の思い通りに従わせようとか、逆に、気に入られようとしてひたすら遜って卑屈な態度を取るとか、それじゃ上手くいく実感がない。

だって、相手を自分に従わせようとして偉そうに命令したって反発されるだけだし、だからって必要以上に遜って卑屈な態度を取ったって、実はそれも結局、

<相手を自分の思い通りに操ろうという下心のなせる業>

なのは同じだから、反発されて当然だと思うんだ。

これは、実の親子でもそうじゃないのかな。

<甘やかし>

っていうのは、お菓子や小遣いや玩具をほいほい与える代わりに親の思い通りに操ろうっていうことだよね。

それって、用いる手段が違ってるだけで、親の思い通りに操ろうっていう魂胆は同じとしか思えない。

ドラマやアニメで描かれる人間同士の諍いのほとんどすべてが、

『相手が自分の思い通りになってくれないのが許せない。という身勝手な感情を前面に押し出した』

ことが起こってるよね。そして、実際に、現実世界でも、そういう形で諍いは起こる。

無数の実例がそれを物語ってるのに、どうして改めようとしないのかな。

分かり切ってる<諍いの原因>を改めることもできないのなら、偉そうにするのはおかしいんじゃないかな。

これまで散々繰り返してきた問題とその原因が分かっていて改めることもできない<自称大人>が偉そうにしててどうして尊敬してもらえると思えるんだろう。

私はそんな大人を尊敬なんてできないから、園の子供達や観音かのんに対して偉そうにできないんだ。

自分に従わせようとするんじゃなく、『言うことを聞いてもいいかな』って思ってもらえるような振る舞いを心掛けるんだ。

『大人と子供』じゃなくて、『自分は人間。相手も人間』を忘れないようにしてるんだ。

辛い時には支えてほしい、慰めてほしい、って思うから、私も、観音かのんを支えるし慰めるんだ。

それができる時にはね。

できない時には、ごめん。私も一緒に泣くよ。

その時はダンナが支えてくれる。慰めてくれる。三人同時にどうしようもなくなるってことは、そうそう起こらないから。

誰かが取り乱してると、自分は冷静になっちゃう。ってことがあるでしょ? あれ、そういうことなのかなって思う。自分まで一緒に取り乱しちゃったら、状況をリカバーできなくなるっていうのを本能的に悟ってて、生き延びるためにそんな風に作られてるのかなってさ。

五月のトンデモダイス運にしてやられた観音かのんも、夕食の頃にはすっかり落ち着いてて、休日出勤してたダンナが帰ってきたら一緒に夕食にしたのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

騎士団寮のシングルマザー

古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。 突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。 しかし、目を覚ますとそこは森の中。 異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる! ……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!? ※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。 ※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...