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晴れて結婚できたとなれば

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で、晴れて結婚できたとなれば、まあ、当然、<夫婦の営み>ってのも発生してくるわけで。

その点も、ダンナは、あんまりガツガツした人じゃなかったから、ありがたかった。実は私、それまで経験なくてさ。私自身があんまり、そっち方面に興味がなかったっていうこともあって、別に焦りもなかったし、

『いい人が現れなかったら、一生経験なくてもいいかなあ』

とまで思ってたりしたんだよね。

だけど結果としてダンナと出逢っちゃったら、不思議となんかムラムラしてきちゃって。観音かのんも一緒の時は気にならないんだけど、ダンナと二人でベッドで横になってると、抑えきれなくて、私の方から求めちゃった。

ダンナと出逢うまでは、本能としては失ってたわけじゃなくても、いかんせん、<私にとってその気になれる相手>に巡り会えてなかったってことなんだろうね。

で、ダンナが本当にもう、私がこれまでレディースコミックで見たような、人伝ひとづてに聞いたような、『痛くて痛くてもう訳が分かんない』みたいな、『焼けた棒を突っ込まれた』みたいな、不安感ばっかり煽るような情報のそれじゃなくて、すごくゆったりとして、まったりとして、丁寧に、私の不安を融かしてくれるみたいに、キスだけで一時間くらいかけてくれたり、やんわりやわやわと、体中を撫でさすってくれたり、それこそ、とろけきって、じれったくなって、私の方から、

「もういいから早く…!」

って言わされちゃったんだよね。悔しいけど。

しかも、彼を迎え入れた時には、嬉しくて泣いちゃったよ。痛みも聞いてたほどじゃなかったよ。確かにちょっと痛かったけどさ。それよりも、嬉しさの方がずっと大きかった。

で、朝を迎えたら、観音かのんが私の顔を見るなり察したらしくって、すんごいニヤニヤしてた。

普通は親のそういうのって嫌悪感があると聞くけど、私自身、自分の両親のってなったら『うげー』って思うけど、不思議と観音かのんのその様子も、ただ私の方が恥ずかしくていたたまれないだけで、嫌悪感みたいなものは、彼女からは伝わってこなかった。

そういう点でも私は彼女に認めてもらえてたんだなって感じた。

でも! それはそれとして! 恥ずかしかったよ!! ちくしょーっ!!



ちなみに、私達の寝室と、観音かのんの寝室は、まあまあ離れてて、よっぽど大声を出さない限りは聞こえないとは思うんだけど、それでもやっぱり気になっちゃって、遠慮はしたかな。ダンナも激しくなかったから、抑えることはできたね。

いやはや、助かったよ。

たぶんダンナも、気遣ってくれてたんだと思う。

私にも、観音かのんにも、ね。

まあ、そうじゃなかったら、いろいろ言われかねないかもしれないけどさ。

週に二回くらいだったとはいえ……

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