我が娘が風呂上りにマッパで薄暗い部屋でPCの画面を見ながら不気味な笑い声を上げてるんだが?

京衛武百十

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居ても立ってもいられなくなって

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正直、彼に会いたくて観音かのんの家に行くようになった私だけど、割りと早い段階で、観音かのんとの時間も楽しみになってたと思う。

最初は怪訝そうにしてたシッターさんも、三ヶ月を過ぎる頃には逆に私をあてにしてくれてたみたい。

何しろ私がいる間は観音かのんに構わなくていいんだからね。もっとも、彼女はもともとあんまり手のかかる子じゃなかったし、楽なのは楽だったみたいだけど。

ダンナも、私の膝に座って絵本を読んでもらってる観音かのんを、目を細めて見てた。

そして私も こうしてるだけで十分かなっていう気分にさえなってた。

だけど人間って欲深いもので、それが当たり前になってくると、『もっと、もっと』って思っちゃうんだろうね。

休日だけじゃ物足りなくて、我慢できなくて、家に一人でいると、

観音かのん、今、どうしてるかなぁ……』

とか、ずっと考えるようになっちゃって。

それで、居ても立ってもいられなくなって、観音かのんの家が見えるところに引っ越しちゃった。

家賃は高くなったけど、気にしない。

とは言え、仕事が終わってからだとさすがに家に訪ねていくのは憚られて、家の灯りが点いてるのを、窓から眺めてるって感じになってた。

って、なんかますますストーカーっぽくなっちゃってる? でも、本人に避けられてないから、セーフ、かな……?

だけどさ。傍で見守りたいんだよ。観音かのんと彼のことを。

いっそ、ホームヘルパーさんやシッターさんが退職するようなことがあった私が応募しようかなと考えたり。

だけど、それについては、居心地のいい職場なのか、結局、辞めることはなかったな。

ダンナが亡くなるまでは……

ダンナが亡くなったらさすがに雇い続ける余裕がなくなって、契約の更新はできなかった。

「残念ですけど、仕方ないですね……」

「……分かりました……」

二人とも、本当に残念そうだった。

本音を言うと、シッターさんはともかくホームヘルパーさんは、家の掃除とかで助かってたから、私としても残念だったけどね。

でもまあとにかく、観音かのんが十三歳になって私がダンナと結婚するまで、窓から見守る状態が続いたんだよ。

会いに行くのは行きやすくなったけど、夜に訪ねていくのが憚られるのは変わらないし。

と思ったら。

「もし良ければ、今からラーメンでも食べに行きませんか?」

彼の方から電話が。

「は! はひっ! 行きます!」

もちろん私は二つ返事でOKを。

『ラーメンデートとか、デリカシーがない! 有り得ない!』

って? ノンノン! 

『卒園した園児の顔を見るために』

とかいう戯言で家まで押しかけるような私にそんな気遣いは無用だよ。<ラーメンデート>? むしろ望むところだ。

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