愛しのアリシア

京衛武百十

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ロボット花嫁、アリシアのブライダル狂騒曲

エピローグ

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この世というのは、本当にいろんなことがあるものだ。そしていろんな人間が生きている。

千堂京一せんどうけいいちもそうだし、千堂の両親もそうだし、千堂の命を狙った新良賀あらがもそうだし、新良賀あらがの手先として差し向けられアリシア2234-LMNに撃破されたゲリラ達もそうだし、千堂の自家用ジェットのパイロットや客室乗務員達もそうだし、その遺族達もそうだし、クラヒもそうだし、軍のゲリラ掃討作戦に巻き込まれて命を落としたカルクラの住人達もそうだし、獅子倉ししくらもそうだし、姫川千果ひめかわせんかもそうだし、エリナ・バーンズもそうだし、第一ラボのスタッフ達もそうだし、第二ラボのスタッフ達もそうだし、敷島紘一郎しきしまこういちろうもそうだし、第三ラボのスタッフ達もそうだし、JAPAN-2ジャパンセカンドの現社長の星谷ひかりたにもそうだし、常務のハーンもそうだし、錬全れんぜんもそうだし、茅島かやしま秀青しゅうせいもそうだし、秀青の両親や祖父もそうだし、アレキサンドロもそうだし、肥土ひど亮司りょうじもそうだし、岩丸いわまる英資えいしもそうだし、月城つきしろ香澄かすみもそうだし、肥土の部下達もそうだし、アリシアの尻を撫でて脳血栓の兆候を見付けてもらい命を取り留めた会社役員もそうだし、その役員がいるレストランチェーンにアリシア2234-HHCが大量に導入されたことで解雇されデモを行った者達もそうだし、廣芝ひろしば慈英努じぇいどやその同僚達もそうだし、タラントゥリバヤもそうだし、クグリもそうだし、クグリに利用された<人類の夜明け戦線のメンバー>もそうだし、クイーン・オブ・マーズ号の船長や船員達や乗客達もそうだし、ジョン・牧紫栗まきしぐりもそうだし、牧紫栗の依頼を引き受けた復讐屋達もそうだし、グスマン中将もそうだし、ネルディ・ナイバルクもそうだし、ディミトリス・メルクーリもそうだし、サルベージ屋達もそうだし、宿角すくすみ領閣りょうかくもそうだし、桜井コデットもそうだし、<フラワーショップHATA>の店主もそうだし、<牛だるま>の店主とその娘もそうだし、桜井コデット共に駆け抜けた路地裏で出会った者達もそうだし、<もてぎ荘>の大家とその息子もそうだし、もてぎ荘の大家に事情を聞こうとしていた刑事達もそうだし、秀青の<先生>もそうだし、和菓子屋の店員達もそうだし、<猫公園>の猫らに餌をあげていた女性もそうだし、田上たのうえかほりもそうだし、宿角すくすみ結愛ゆなもそうだし、<人類の夜明け戦線R(リベンジ)のメンバーらもそうだし、岩丸ゆかりとその両親もそうだし、ジョセフ・ランディアもそうだし、テロに巻き込まれたニューオクラホマの市民らもそうだし、<サーペント>の隊員達もそうだし、宿角結愛の両親もそうだし、宿角すくすみ森厳しんげんもそうだし、宿角レティシアもそうだし、館雀かんざく美月みつきもそうだし、館雀かんざく訓臣のりおみもそうだし、館雀かんざく立志りっしもそうだし、間倉井まくらい好羽このはもそうだし、辻堂つじどうニーナもそうだし、辻堂つじどう安吾あんごもそうだし、<明帆野あけぼの>の住人らもそうだし、藤田医師もそうだし、獅子倉ししくら大和やまともそうだし、根岸ねぎし右琉澄うるずもそうだし、<ラビットマン>のメンバーらもそうだし、アリシアがアンブローゼで出会った家出少女や不良達もそうだし、エドモント・ジョージ・フレデリックとその家族もそうだし、アルビオンの強盗とその被害者もそうだし、タラントゥリバヤの両親もそうだし、タラントゥリバヤが通っていた学校の教師や同窓生もそうだし、安藤桃香とその夫もそうだし、安藤紫音しおんもそうだし、友利ともり良純りょうじゅんとその両親もそうだし、良純の同僚や上司もそうだし、ジョージ・アルバート・ウィリアム・フレデリックもそうだし、アルビオン社の職員らもそうだし、Brahmadeśaブラフマーデーシャ社の役員もそうだし、JAPAN-2ジャパンセカンド社の役員らもそうだ。

それぞれの命をそれぞれに生きているし生きてきた。不幸であったり思うに任せない人生だったりした者もいるが、それでも確かに生きているし生きてきたのである。

そんな人間達と共にいられたことが、千堂アリシアにとってはとても幸せなことなのだった。

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