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ロボットトラベラー、アリシアの火星のんびり紀行
<保護>と<過干渉>、その線引き
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人間の場合、自分が楽をしたいから手間を掛けたくないから、
『たかが家出くらい』
と考えてしまいがちだが、本来、
『まだ親の庇護を必要としている子供がその庇護の下から逃げ出さずにいられない』
というのは、明確に<異常な状態>なのである。本当に他愛のない些細な行き違いからの衝動的な行動であり、家に戻って『ごめんなさい』と謝れば済む事例であったのならそれはそれで構わない。けれど、実際には<家出>を切っ掛けにして虐待などの<家庭内の犯罪>が明るみに出る事案も確かにあるので、軽んじることはできないのだ。
よく言うではないか。重大な結果に至った事件などの場合に、
『もっと早く対処していれば』
的なことを。だから『早く対処している』だけに過ぎないし、人間の場合だと『面倒臭い』『手間を掛けたくない』と考えてしまいがちなところを、ロボットは補っているのである。
また、人間はすぐに<過保護>などという言葉を使いたがるが、自身は便利な道具に頼り快適な住環境を求めておいて今さら『過保護だ』とはどの口が言うのか?
<野生の動物の在り方>とは遥か遠くに至ってしまった以上は、元には戻れない。もはや人間は、
『<保護>と<過干渉>の線引きをどこに置くか?』
を延々と模索していくしかないのである。
『人間は、人間以外の動物とは違う』
と言うのであれば。
そういう意味では、<人類の夜明け戦線>や<明帆野>も、『<保護>と<過干渉>の線引きをどこに置くか?』という命題について模索しているとも言えるだろう。ただし前者は、それを理由に他者を害することも厭わないため、忌避されるというだけだ。
自身の主観で<保護>のレベルを下げさせようとするのは、ただの<過干渉>である。
『今どきのガキは甘やかされ過ぎだ!!』
として己の持論を展開するだけなら<言論の自由>かもしれないが、だからと言って他者に実際に保護のレベルを下げさせようと干渉するのは、<過干渉>であり、<主権の侵害>でしかない。
『今どきのガキは甘やかされ過ぎだ!!』などと口にして他者に絡んでいっても排除されない程度には自身も<保護>されているのだとなぜ気付かないのか?
『今どきのガキは甘やかされ過ぎだ!!』などと口にして他所の子供を危険に曝させようとする行為のどこに正当性があると言うのか?
<個人の権利の保護>という重大な理由があるからこそ、<他所の子供を危険に曝させようとする行為>であってもすぐに罪を問われたりはしないだけである。
それほどまでに『守られて』いるのだ。
『自分の主張が正しいから手出しできない』
のではない。
『たかが家出くらい』
と考えてしまいがちだが、本来、
『まだ親の庇護を必要としている子供がその庇護の下から逃げ出さずにいられない』
というのは、明確に<異常な状態>なのである。本当に他愛のない些細な行き違いからの衝動的な行動であり、家に戻って『ごめんなさい』と謝れば済む事例であったのならそれはそれで構わない。けれど、実際には<家出>を切っ掛けにして虐待などの<家庭内の犯罪>が明るみに出る事案も確かにあるので、軽んじることはできないのだ。
よく言うではないか。重大な結果に至った事件などの場合に、
『もっと早く対処していれば』
的なことを。だから『早く対処している』だけに過ぎないし、人間の場合だと『面倒臭い』『手間を掛けたくない』と考えてしまいがちなところを、ロボットは補っているのである。
また、人間はすぐに<過保護>などという言葉を使いたがるが、自身は便利な道具に頼り快適な住環境を求めておいて今さら『過保護だ』とはどの口が言うのか?
<野生の動物の在り方>とは遥か遠くに至ってしまった以上は、元には戻れない。もはや人間は、
『<保護>と<過干渉>の線引きをどこに置くか?』
を延々と模索していくしかないのである。
『人間は、人間以外の動物とは違う』
と言うのであれば。
そういう意味では、<人類の夜明け戦線>や<明帆野>も、『<保護>と<過干渉>の線引きをどこに置くか?』という命題について模索しているとも言えるだろう。ただし前者は、それを理由に他者を害することも厭わないため、忌避されるというだけだ。
自身の主観で<保護>のレベルを下げさせようとするのは、ただの<過干渉>である。
『今どきのガキは甘やかされ過ぎだ!!』
として己の持論を展開するだけなら<言論の自由>かもしれないが、だからと言って他者に実際に保護のレベルを下げさせようと干渉するのは、<過干渉>であり、<主権の侵害>でしかない。
『今どきのガキは甘やかされ過ぎだ!!』などと口にして他者に絡んでいっても排除されない程度には自身も<保護>されているのだとなぜ気付かないのか?
『今どきのガキは甘やかされ過ぎだ!!』などと口にして他所の子供を危険に曝させようとする行為のどこに正当性があると言うのか?
<個人の権利の保護>という重大な理由があるからこそ、<他所の子供を危険に曝させようとする行為>であってもすぐに罪を問われたりはしないだけである。
それほどまでに『守られて』いるのだ。
『自分の主張が正しいから手出しできない』
のではない。
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