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ロボット勇者、アリシアの電脳異世界冒険記
口車に乗せられて
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コデットの<スティール>のおかげで早々に片付いたものの、それがなければ、結構、苦戦するはずのイベントだった。
でも、アリシアとしてはそんなことは大した問題ではなく、村人達がこのようなことに加担しているのが悲しかった。
しかも、仮にも<男爵>である自分の命を狙ったことが明るみになれば、今回の件に加担した者はことごとく処刑されるだろう。
アトラクション中ではそこまでは描写されないものの、この世界の制度を考えればそうなるのがむしろ自然だった。
この村には、幼い子供もいる。男達の中には、その子供達の父親である者もいるだろう。なのに、こんな形で命を落とすことになれば、子供達の精神に与える影響は決して小さくない。
その一方で、虐げられている者達の声が届きにくい社会制度であることは事実だろうし、
『このまま座して死を待つくらいなら……!』
と、社会そのものを変えるために動いた者達の中には、決死の覚悟をして動いた者もいただろう。けれど、少なくともこの村の様子を見る限りでは、それほど追い詰められているようにも思えない。アリシアの視界に捉えられている範囲であっても、畑も綺麗に整えられていて、村そのものも、豊かとまでは言えなくても、なにも命がけでことを起こさなければいけないほど追い詰められているようには決して見えなかった。
むしろ、ジュゼ=ファートの口車に乗せられてしまって、必要のないテロ活動を行っている事例にしか思えないのだ。
などと、所詮はVRアトラクションなのでそこまで深刻に考える必要は本来ないものの、アリシアとしてはついついそんな風に考えてしまうのである。
つまり、アトラクション側からすれば、アリシアは、
<非常に面倒臭いプレイヤー>
であるとも言える。
彼女はそんなことはしないので大丈夫ではあるが、これがもし、ネット上などに思ったままにレビューを公開するようなプレイヤーだった場合、相当、疎まれるであろうことは想像に難くない。
もっとも、アリシア自身には悪気など一欠片もありはしないが。
それはさて置き、
「ゴーレムがなければあなた方には万に一つの勝ち目もありません。このまま投降し二度と同じようなことをしないと誓っていただけるのであれば、今回だけは不問にします。
いかがですか?」
男達を前に、アリシアはきっぱりとそう告げた。
とは言え、すでにアリシア達以外の馬車の乗客も巻き込まれており、そちらから事件について役人に伝わる可能性はある。そうなればたかが名前だけの一代爵位のアリシアにできることは何もない。
ゆえに、遅かれ早かれだったかもしれないが、僅かにでも村人達に別の道を歩むチャンスを示したかったのだった。
でも、アリシアとしてはそんなことは大した問題ではなく、村人達がこのようなことに加担しているのが悲しかった。
しかも、仮にも<男爵>である自分の命を狙ったことが明るみになれば、今回の件に加担した者はことごとく処刑されるだろう。
アトラクション中ではそこまでは描写されないものの、この世界の制度を考えればそうなるのがむしろ自然だった。
この村には、幼い子供もいる。男達の中には、その子供達の父親である者もいるだろう。なのに、こんな形で命を落とすことになれば、子供達の精神に与える影響は決して小さくない。
その一方で、虐げられている者達の声が届きにくい社会制度であることは事実だろうし、
『このまま座して死を待つくらいなら……!』
と、社会そのものを変えるために動いた者達の中には、決死の覚悟をして動いた者もいただろう。けれど、少なくともこの村の様子を見る限りでは、それほど追い詰められているようにも思えない。アリシアの視界に捉えられている範囲であっても、畑も綺麗に整えられていて、村そのものも、豊かとまでは言えなくても、なにも命がけでことを起こさなければいけないほど追い詰められているようには決して見えなかった。
むしろ、ジュゼ=ファートの口車に乗せられてしまって、必要のないテロ活動を行っている事例にしか思えないのだ。
などと、所詮はVRアトラクションなのでそこまで深刻に考える必要は本来ないものの、アリシアとしてはついついそんな風に考えてしまうのである。
つまり、アトラクション側からすれば、アリシアは、
<非常に面倒臭いプレイヤー>
であるとも言える。
彼女はそんなことはしないので大丈夫ではあるが、これがもし、ネット上などに思ったままにレビューを公開するようなプレイヤーだった場合、相当、疎まれるであろうことは想像に難くない。
もっとも、アリシア自身には悪気など一欠片もありはしないが。
それはさて置き、
「ゴーレムがなければあなた方には万に一つの勝ち目もありません。このまま投降し二度と同じようなことをしないと誓っていただけるのであれば、今回だけは不問にします。
いかがですか?」
男達を前に、アリシアはきっぱりとそう告げた。
とは言え、すでにアリシア達以外の馬車の乗客も巻き込まれており、そちらから事件について役人に伝わる可能性はある。そうなればたかが名前だけの一代爵位のアリシアにできることは何もない。
ゆえに、遅かれ早かれだったかもしれないが、僅かにでも村人達に別の道を歩むチャンスを示したかったのだった。
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