愛しのアリシア

京衛武百十

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ロボット勇者、アリシアの電脳異世界冒険記

無双

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「うおっ!?」

「くそっ! なんだこいつ!?」

「がっ!!」

「ぎゃひっ!!」

「バケモンが!!」

アリシアは、襲い掛かる者達を紙一重で躱し、次々と男達を打ち倒していった。

剣で切りかかった者はそれを受け流して腕を取って引き寄せて顎に掌底を叩き込み、先に剣を折られてしまって仕方なく殴り掛かってきた者にはカウンターで顔面にやはり掌底をお見舞いし、蹴りを繰り出してきた者はそれをかいくぐって蹴り足の膝に自身の腕を引っ掛け持ち上げてバランスを崩させ、背中から地面に転倒させた。

掴みかかってきた者には正面から組み合い、圧倒的な力で膝を付かせ、その隙に背後から切りかかってきた者には上半身を前屈させた反動を使って脚を後ろに蹴り上げ、顎を捉える。

蹴り足を戻した勢いのまま正面の男の顔面に膝を叩き込む。

そして体を回転させて横から切りかかってきた男の剣を蹴り落とし、さらに回転して頭にハイキック。

ここまでですでに半数以上が倒されていた。

しかしアリシアの動きはまったく衰えない。元がメイトギアでありバッテリーが尽きない限りは<スタミナ切れ>など起こすはずもないので、当然と言えば当然だが。

「何やってんだてめえら! 一人相手に!!」

明らかに喉が潰れていると思しき汚い声が空気を叩く。声は汚いが、ビリビリと力を感じる発声だ。

残った者達が、キュウッと委縮するのが分かった。

「ゴーディンさん!!」

誰かが声を上げる。

見ると、店の前で番をしていた巨漢の男が小さく見えてしまうほどの、輪をかけて巨大な体をした男が店の扉をくぐって姿を現した。

紛れもなく三下連中とはまとっている空気そのものが違う。

「やっとお出ましですか……」

その巨躯の男に視線を向けているアリシアの背後から組み付こうしたもの裏拳を見舞い昏倒させつつ彼女は呟いた。<ゴクソツ>の中堅クラスの人物であることは、すでに情報を得ている。『ゴーディンさん』と呼ばれていたので間違いない。

「あなたがこの店では一番強い人ですか?」

まるで天気でも問うかのようにアリシアが平然と声を掛ける。

すると巨躯の男は、

「そんなことお前が知る必要はねえ! お前はここで豚の餌になるんだからな!!」

やはり話を聞く気はないとばかりに吠えた。残った男達がさらに委縮する。下手をすると自分達も巻き添えになることを察しているかのようだ。

けれど、やっぱりアリシアには通じない。

「取り敢えずあなたを倒せばこの店については掃除が完了しますね。では、行きますよ」

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