66 / 804
ロボットメイド、アリシアの優雅な日常
アリシア2305-HHS、アリシアを叱責する
しおりを挟む
テストの滑り出しは、拍子抜けするほどに順調で静かなものだった。元よりテストと言っても何か特別なことをする訳ではない。単純に、アリシア2234-LMN-UNIQUE000こと千堂アリシアと、アリシア2305-HHSをいつも通りに運用するだけだ。そして何もトラブルが起きなければ合格となる。だが、その『何もトラブルが起きない』というのが何より困難なのである。
しかも厄介なのが、『特別な対応をしてトラブルを回避したのでは意味がない』ということなのだ。例えば、アリシアが自らの機能をぎりぎりまで制限してトラブルを招くような挙動をしないようにしたとする。それならば確かにトラブルは起きないかも知れないが、逆にそれではアリシアの方が普段通りのことが出来なくなってしまうから、厳密には同時運用とは言えなくなってしまう。あくまでどちらも通常の状態で運用しても事故が起こらないということでないと駄目なのであった。
テスト初日は、機能の制限はしていないものの人間で言うと緊張しどこか普段通りの振る舞いではなくなってしまっている可能性があった。アリシア自身も意識しないうちに自らの行動を必要以上に抑えてしまっている可能性が少なからずあったのだ。人間で例えるなら、<猫を被っている状態>と言えるだろうか。実際、アリシアはテストを意識し過ぎているのか、普段の作業の効率がさらに低下しているようだった。時間がかかってしまっているのだ。作業のスムーズさが普段以上に失われているものと思われた。
もちろん、そうしようとすること自体は決して悪いことではない。自らを律して余計なトラブルを避けようと気遣いを見せるのはむしろ良いことだ。とは言え、それが意識しなくても常にそういられるのならいいのだが、やはり単なる猫被りや付け焼刃ではいずれボロが出ることもあり得る。そのボロを出してしまってもなおトラブルが起きないかどうかを見るというのも重要な点なのだった。だからまだまだ安心は出来ない。むしろこれからが本番と言えるだろう。
とは言え、アリシアは頑張っていた。問題なくロボットとしての仕事をこなせるようになろうと頑張っているのはひしひしと伝わってきていた。トラブルにならないように気を付けることに意識を奪われもたもたしてしまったりもするが、努力は確かに見えている。千堂もそういう部分については評価したいと思っていたし、出来ればこのまま何事もなく期間が過ぎてくれればいいとも思った。しかしこれは、トラブルが起こるならどういう状態の時にトラブルが起こるのかということを見るテストという一面もあった。合格はさせてやりたいが、多少のトラブルなら起こってくれた方がデータとしてはより意味のあるものとなるという一面があるのも事実だった。
『私は最低だな……アリシアの合格を願いながらもトラブルが起こってくれることも望んでいる。元技術者としての性というものか……ごめんな、アリシア…』
賢明に自らの仕事をこなすアリシアを見ながら、千堂は心の中で詫びていた。そしてそれは、テスト開始から一週間が経った時に起こってしまったのだった。
その日もアリシアは、頑張っていた。取り立てて問題もなく、しかしやはり作業効率の方は相変わらず高まらなかった。いや、それどころか下がってさえいるようだった。そしてそれは彼女も気付いていた。そのことが彼女自身のストレスになっていたようだ。自分でも仕方ないとは思っていても、これが自分なんだと割り切ろうとはしていても、やはり巧く出来ない自分のことは決して愉快なことではなかったのである。ただのロボットならそんな自分の不調のことも気に病んだりしないのだが、彼女はそうじゃなかった。
『私は、やっぱり駄目なロボットなのかな…』
仕事中もそんなことを考えることが多くなり、しかもそうやって余計なことを考える所為で余計に作業の効率が下がり、それがまた自己嫌悪を生むという悪循環に陥っていたのである。
そしてついに、本来なら有り得ないことだが、彼女は身体機能にまで変調をきたしてしまったのだった。まずそれに気付いたのは、アリシア2305-HHSであった。
人間では気付きにくい微かな変調も、ロボットならデータ照合で分かってしまうのだ。
風呂の清掃に向かう為に廊下を歩いていたアリシアを、アリシア2305-HHSが呼び止めた。
「アリシア2234-LMN。止まりなさい。あなたは今、変調をきたしていますね。直ちに作業を中断し、千堂様の指示を仰ぎなさい」
だが、アリシアは、アリシア2305-HHSの命令に従わなかった。アリシア2305-HHSの方を一瞥しただけで、彼女が何を言っているのか理解出来なかったかのようにまた歩き出したのである。その姿はまるで、夢遊病者のようであった。
「再度警告します。アリシア2234-LMN、止まりなさい! 止まらなければ暴走状態にあると判断し、実力をもって停止させます!!」
自らが発している言葉が警告であるということを強調する為に発声を調節し、音量を上げ、強い口調でアリシアに対して言葉を投げかけた。それはまるで、自分の指示に従わない後輩メイドを叱責する先輩メイドのようであった。
その声は、トレーニングルームで汗を流していた千堂の耳にも届いた。
『まさか!?』
彼の全身に緊張が走り抜けた。ロボットが警告を発するというのは決して軽いことではない。非常にマズい事態が起こる寸前ということなのだから。だが、廊下に飛び出した千堂が見たのは、ふらふらと体を揺らめかせ、腰が抜けたようにその場に座り込んでしまうアリシアの姿だった。
アリシア2305-HHSは、その場から動いていない、何もしていない。何もしていないのに、アリシアの方が勝手に機能停止に陥ってしまったのだった。
「その場で待機。指示を待て」
目の前で起こっている状況に戸惑っているかのように立ち尽くすアリシア2305-HHSに対し、千堂が待機を命令した。アリシア2305-HHSにしてもどう判断してよいのか迷い、軽いフリーズを起こしていたのだろう。千堂の待機命令のおかげで思考のループから脱し、静かにその場で待機出来るようになった。
それを確認した千堂は、床に座り込んで呆然とするアリシアを抱きかかえ、その様子を見た。だが彼女は、千堂が自分を抱いてくれていることさえ気付いていないかのように、焦点の合わない視線を前に向けているだけだった。それを見た千堂の背筋を、冷たいものが走り抜けた。まさか?と思った。まさかこれが、想定されていた<ラグ>なのか…? もう症状が出たというのか…?
「アリシア、しっかりしろアリシア!」
無論、それがラグであればいくら声を掛けようが何を入力しようがかえって処理に時間がかかる結果しか生まない筈だが、それでも千堂は声を掛けずにいられなかった。彼自身、無意識のうちにそう叫んでしまっていたのだ。
と、その声が届いたかのように、アリシアの目に意志の光が戻った。はっきりと彼を見て、そして言った。
「あ、千堂様。おはようございます」
と状況に合わないことを言ってしまったその直後、ハッとした表情をして改めて言った。
「え? あ、私、どうかしたんですか? やだ、どうして千堂様に抱き締められてるんですか?」
何が起こっているのか理解出来ずに混乱はしていたようだが、少なくとも思考は回復したようだった。そんな彼女を見て、千堂は思わずさらに彼女をぎゅっと抱き締めた。
「良かった……無事だったんだな。本当に良かった…」
結論から言えば、この時の彼女のそれは、ラグではなかった。いや、ラグと言えばラグだったのだが、不正ファイルが限界を超えた時に発生するであろうと想定されていたそれではなかった。そして結果的にこれが、アリシア2305-HHSとの間に起こったかも知れない事故を回避することに役立ってくれたのだった。
後に判明することなのだが、これは彼女自身が他のロボットとの事故を回避する為に自ら編み出したセーフティだったのであった。
しかも厄介なのが、『特別な対応をしてトラブルを回避したのでは意味がない』ということなのだ。例えば、アリシアが自らの機能をぎりぎりまで制限してトラブルを招くような挙動をしないようにしたとする。それならば確かにトラブルは起きないかも知れないが、逆にそれではアリシアの方が普段通りのことが出来なくなってしまうから、厳密には同時運用とは言えなくなってしまう。あくまでどちらも通常の状態で運用しても事故が起こらないということでないと駄目なのであった。
テスト初日は、機能の制限はしていないものの人間で言うと緊張しどこか普段通りの振る舞いではなくなってしまっている可能性があった。アリシア自身も意識しないうちに自らの行動を必要以上に抑えてしまっている可能性が少なからずあったのだ。人間で例えるなら、<猫を被っている状態>と言えるだろうか。実際、アリシアはテストを意識し過ぎているのか、普段の作業の効率がさらに低下しているようだった。時間がかかってしまっているのだ。作業のスムーズさが普段以上に失われているものと思われた。
もちろん、そうしようとすること自体は決して悪いことではない。自らを律して余計なトラブルを避けようと気遣いを見せるのはむしろ良いことだ。とは言え、それが意識しなくても常にそういられるのならいいのだが、やはり単なる猫被りや付け焼刃ではいずれボロが出ることもあり得る。そのボロを出してしまってもなおトラブルが起きないかどうかを見るというのも重要な点なのだった。だからまだまだ安心は出来ない。むしろこれからが本番と言えるだろう。
とは言え、アリシアは頑張っていた。問題なくロボットとしての仕事をこなせるようになろうと頑張っているのはひしひしと伝わってきていた。トラブルにならないように気を付けることに意識を奪われもたもたしてしまったりもするが、努力は確かに見えている。千堂もそういう部分については評価したいと思っていたし、出来ればこのまま何事もなく期間が過ぎてくれればいいとも思った。しかしこれは、トラブルが起こるならどういう状態の時にトラブルが起こるのかということを見るテストという一面もあった。合格はさせてやりたいが、多少のトラブルなら起こってくれた方がデータとしてはより意味のあるものとなるという一面があるのも事実だった。
『私は最低だな……アリシアの合格を願いながらもトラブルが起こってくれることも望んでいる。元技術者としての性というものか……ごめんな、アリシア…』
賢明に自らの仕事をこなすアリシアを見ながら、千堂は心の中で詫びていた。そしてそれは、テスト開始から一週間が経った時に起こってしまったのだった。
その日もアリシアは、頑張っていた。取り立てて問題もなく、しかしやはり作業効率の方は相変わらず高まらなかった。いや、それどころか下がってさえいるようだった。そしてそれは彼女も気付いていた。そのことが彼女自身のストレスになっていたようだ。自分でも仕方ないとは思っていても、これが自分なんだと割り切ろうとはしていても、やはり巧く出来ない自分のことは決して愉快なことではなかったのである。ただのロボットならそんな自分の不調のことも気に病んだりしないのだが、彼女はそうじゃなかった。
『私は、やっぱり駄目なロボットなのかな…』
仕事中もそんなことを考えることが多くなり、しかもそうやって余計なことを考える所為で余計に作業の効率が下がり、それがまた自己嫌悪を生むという悪循環に陥っていたのである。
そしてついに、本来なら有り得ないことだが、彼女は身体機能にまで変調をきたしてしまったのだった。まずそれに気付いたのは、アリシア2305-HHSであった。
人間では気付きにくい微かな変調も、ロボットならデータ照合で分かってしまうのだ。
風呂の清掃に向かう為に廊下を歩いていたアリシアを、アリシア2305-HHSが呼び止めた。
「アリシア2234-LMN。止まりなさい。あなたは今、変調をきたしていますね。直ちに作業を中断し、千堂様の指示を仰ぎなさい」
だが、アリシアは、アリシア2305-HHSの命令に従わなかった。アリシア2305-HHSの方を一瞥しただけで、彼女が何を言っているのか理解出来なかったかのようにまた歩き出したのである。その姿はまるで、夢遊病者のようであった。
「再度警告します。アリシア2234-LMN、止まりなさい! 止まらなければ暴走状態にあると判断し、実力をもって停止させます!!」
自らが発している言葉が警告であるということを強調する為に発声を調節し、音量を上げ、強い口調でアリシアに対して言葉を投げかけた。それはまるで、自分の指示に従わない後輩メイドを叱責する先輩メイドのようであった。
その声は、トレーニングルームで汗を流していた千堂の耳にも届いた。
『まさか!?』
彼の全身に緊張が走り抜けた。ロボットが警告を発するというのは決して軽いことではない。非常にマズい事態が起こる寸前ということなのだから。だが、廊下に飛び出した千堂が見たのは、ふらふらと体を揺らめかせ、腰が抜けたようにその場に座り込んでしまうアリシアの姿だった。
アリシア2305-HHSは、その場から動いていない、何もしていない。何もしていないのに、アリシアの方が勝手に機能停止に陥ってしまったのだった。
「その場で待機。指示を待て」
目の前で起こっている状況に戸惑っているかのように立ち尽くすアリシア2305-HHSに対し、千堂が待機を命令した。アリシア2305-HHSにしてもどう判断してよいのか迷い、軽いフリーズを起こしていたのだろう。千堂の待機命令のおかげで思考のループから脱し、静かにその場で待機出来るようになった。
それを確認した千堂は、床に座り込んで呆然とするアリシアを抱きかかえ、その様子を見た。だが彼女は、千堂が自分を抱いてくれていることさえ気付いていないかのように、焦点の合わない視線を前に向けているだけだった。それを見た千堂の背筋を、冷たいものが走り抜けた。まさか?と思った。まさかこれが、想定されていた<ラグ>なのか…? もう症状が出たというのか…?
「アリシア、しっかりしろアリシア!」
無論、それがラグであればいくら声を掛けようが何を入力しようがかえって処理に時間がかかる結果しか生まない筈だが、それでも千堂は声を掛けずにいられなかった。彼自身、無意識のうちにそう叫んでしまっていたのだ。
と、その声が届いたかのように、アリシアの目に意志の光が戻った。はっきりと彼を見て、そして言った。
「あ、千堂様。おはようございます」
と状況に合わないことを言ってしまったその直後、ハッとした表情をして改めて言った。
「え? あ、私、どうかしたんですか? やだ、どうして千堂様に抱き締められてるんですか?」
何が起こっているのか理解出来ずに混乱はしていたようだが、少なくとも思考は回復したようだった。そんな彼女を見て、千堂は思わずさらに彼女をぎゅっと抱き締めた。
「良かった……無事だったんだな。本当に良かった…」
結論から言えば、この時の彼女のそれは、ラグではなかった。いや、ラグと言えばラグだったのだが、不正ファイルが限界を超えた時に発生するであろうと想定されていたそれではなかった。そして結果的にこれが、アリシア2305-HHSとの間に起こったかも知れない事故を回避することに役立ってくれたのだった。
後に判明することなのだが、これは彼女自身が他のロボットとの事故を回避する為に自ら編み出したセーフティだったのであった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
言霊付与術師は、VRMMOでほのぼのライフを送りたい
工藤 流優空
SF
社畜?社会人4年目に突入する紗蘭は、合計10連勤達成中のある日、VRMMOの世界にダイブする。
ゲームの世界でくらいは、ほのぼのライフをエンジョイしたいと願った彼女。
女神様の前でステータス決定している最中に
「言霊の力が活かせるジョブがいい」
とお願いした。すると彼女には「言霊エンチャンター」という謎のジョブが!?
彼女の行く末は、夢見たほのぼのライフか、それとも……。
これは、現代とVRMMOの世界を行き来するとある社畜?の物語。
(当分、毎日21時10分更新予定。基本ほのぼの日常しかありません。ダラダラ日常が過ぎていく、そんな感じの小説がお好きな方にぜひ。戦闘その他血沸き肉躍るファンタジーお求めの方にはおそらく合わないかも)
【完結】悲劇のヒロインぶっているみたいですけれど、よく周りをご覧になって?
珊瑚
恋愛
学園の卒業パーティーで婚約者のオリバーに突然婚約破棄を告げられた公爵令嬢アリシア。男爵令嬢のメアリーをいじめたとかなんとか。でもね、よく周りをご覧下さいませ、誰も貴方の話をまともに受け取っていませんよ。
よくある婚約破棄ざまぁ系を書いてみました。初投稿ですので色々と多めに見ていただけると嬉しいです。
また、些細なことでも感想を下さるととても嬉しいです(*^^*)大切に読ませて頂きますm(_ _)m
200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち
半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。
最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。
本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
蕴易訣・「易」を含む法呪
寒歌
SF
運命とは?
飛鳥走獣、人魔妖仙は、いずれも生老病死から逃れられない。
山川草木でも、滄海桑田、枯栄流転は避けられない。
施した所得は、因果が報いべきである。
冥冥の中には、定数がある。命という。
万物は互いに生まれ、互いに変数がある。衆生がにぎやかで,縁があって縁が滅びる。運という。
命格には天定があるが、この縁の一字は素晴らしい。
中国伝統の仙侠SFです。
筆者は中国人だから、文法上の問題があるかもしれません、ご承知おき下さい。
*この物語はフィクションであり、実在する人物や事件との関係は一切ありません。
アルゴスの献身/友情の行方
せりもも
歴史・時代
ナポレオンの息子、ライヒシュタット公。ウィーンのハプスブルク宮廷に閉じ込められて生きた彼にも、友人達がいました。宰相メッテルニヒの監視下で、何をすることも許されず、何処へ行くことも叶わなかった、「鷲の子(レグロン)」。21歳で亡くなった彼が最期の日々を過ごしていた頃、友人たちは何をしていたかを史実に基づいて描きます。
友情と献身と、隠された恋心についての物語です。
「ライヒシュタット公とゾフィー大公妃」と同じ頃のお話、短編です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/268109487/427492085
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる