愛しのアリシア
彼女の名前は、<アリシア2234-LMN>。地球の日本をルーツに持つ複合企業体<|APAN-2(ジャパンセカンド)>のロボティクス部門が製造・販売するメイド型ホームヘルパーロボットの<アリシアシリーズ>の一体である。
しかし彼女は、他のアリシアシリーズとは違った、ユニークな機体だった。
まるで人間の少女のようにくるくると表情が変わり、仕草もそれこそ十代の少女そのものの、ロボットとしてはひどく落ち着きのないロボットなのである。
なぜなら彼女には、<心>としか思えないようなものがあるから。
人類が火星にまで生活圏を広げたこの時代でも、ロボットに搭載されるAIに<心>があることは確認されていなかった。それを再現することも、意図的に避けられていた。心を再現するためにリソースを割くことは、人間大の機体に内蔵できるサイズのAIではまったく合理的ではなかったからである。
けれど、<千堂アリシア>とパーソナルネームを与えられた彼女には、心としか思えないものがあるのだ。
ただしそれは、彼女が本来、運用が想定されていた条件下とは全く異なる過酷な運用が行われたことによって生じた<バグ>に過ぎないと見られていた。
それでも彼女は、主人である千堂京一を愛し、彼の役に立ちたいと奮闘するのであった。
しかし彼女は、他のアリシアシリーズとは違った、ユニークな機体だった。
まるで人間の少女のようにくるくると表情が変わり、仕草もそれこそ十代の少女そのものの、ロボットとしてはひどく落ち着きのないロボットなのである。
なぜなら彼女には、<心>としか思えないようなものがあるから。
人類が火星にまで生活圏を広げたこの時代でも、ロボットに搭載されるAIに<心>があることは確認されていなかった。それを再現することも、意図的に避けられていた。心を再現するためにリソースを割くことは、人間大の機体に内蔵できるサイズのAIではまったく合理的ではなかったからである。
けれど、<千堂アリシア>とパーソナルネームを与えられた彼女には、心としか思えないものがあるのだ。
ただしそれは、彼女が本来、運用が想定されていた条件下とは全く異なる過酷な運用が行われたことによって生じた<バグ>に過ぎないと見られていた。
それでも彼女は、主人である千堂京一を愛し、彼の役に立ちたいと奮闘するのであった。
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人類史上未曽有の大惨事により死の惑星と化したリヴィアターネに、一体のロボットが廃棄されるところからこの物語は始まることとなる。
それは、人間の身の回りの世話をする為に作られた、メイドを模したロボット、メイトギアであった。あまりに旧式化した為に買い手も付かなくなったロボットを再利用した任務を果たす為に、彼女らはここに捨てられたのである。
筆者より
なろうで連載していたものをこちらにも掲載します。
なお、この物語は基本、バッドエンドメインです。そういうのが苦手な方はご注意ください。
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上手く説明できずすみませんです。
「事故の衝撃を自動車のフレームに逃がす。『つまり』運転手は死ぬ」
逃がすから変になるので「受け止める」的な文面をお願いしたかったわけです。
「重要部位すら犠牲にし」っぽいのを。
……体内チュンチュンが出来るなら跳ね返しちゃいなさいよー(スライムちゃんヌルーリの方が良いです炸裂たまとかあるし)
申し訳ありません。
私としては、
『<装甲を突破するのを目的とした貫通力の鬼>な対物ライフル用の弾丸の貫通力を奪うために、その威力とか衝撃とかをフレームに逃がす』
というイメージでした。
また、盾になったロボットごと標的の人間を爆砕したりできるほどの炸薬が、貫通力重視のライフル弾に装填できるだろうか?というのもあります。
なお、ボディ内部で跳弾する形になる場合があるのは、入射時に威力の大半を奪われることで反対側を貫通できなくなるからとお考えください。
加えて、あくまで人間に似せた華奢なボディを持つメイトギアでは、<口径が同じなだけで威力がまったく足りない粗悪な模造弾丸>や<精度が低く発射時のエネルギーの多くが無駄になる粗悪な銃から放たれた弾丸>までなら何とか弾けても、<高い精度を持つ高品質な銃>から放たれた<装甲を突破するのを目的とした貫通力の鬼>を完全に弾き返すほどの特殊な装甲を搭載できるというイメージがまったく持てませんでした。それが可能になるのは、見た目からして人間とはかけ離れた頑丈そうな軍用レイバーギアからと考えています。
『ニュアンスを伝える』ということの難しさを改めて実感します。
読了いたしました。 大満足……って完結じゃなくて連載中だった。
フレームに衝撃を逃がすという書き方よりは
直後にある「内部構造」に衝撃を散らすとか広げるとかそのような感じであれば「つまり」がすんなり入ってくるのですが。
他者のフレームに逃がせはしませんし、フレームに逃がせば内部が無事(気味)に感じます。
メインフレームとかだとまた違うのでしょうが、雰囲気的に、内部構造とか重要部位とか漢字で書く方が良いかなと。
(あくまで個人の感想です。 「胴体だけが」無事なのかも知れませんが、あまり良いイメージではないですし)
では連載中、続きお待ちしてます!
(完結ならラストあと一行二行あけて欲しいかも)
なるほどそういう意味でしたか。
確かに説明不足だったかもしれません。イメージ的には、入射側のボディの内側、内部構造を包み込む形で重ね合わされた衝撃吸収体(人体の皮下脂肪を模した部分)が波打つことで運動エネルギーを奪いつつも、それだけではすべて奪えないので、人間の肋骨を模したフレーム(胸部に搭載されたAiなどを衝撃から守る部分)でも受け止めるわけです。この際、フレームも変形することで衝撃を分散させます。この時点で衝撃により内部構造にも修復不能なダメージが発生します。
さらに、フレームも貫いた弾丸が滅茶苦茶に回転しながら内部構造を破壊する形でさらに運動エネルギーを発散。人体であれば貫通して出て行くところが、反対側のフレームや衝撃吸収体が残った運動エネルギーを受け止めることで貫通を防ぐというイメージです。
モノによってはボディ内で跳弾する感じで弾丸が行ったり来たりするので、それこそAIを含め重要な部分が根こそぎ破壊されることもあり、『一発でスクラップになる』わけですね。
確実に対物ライフルの弾丸を止めるためにはボディの中心で受け止める必要がありますが。
腕や脚では貫通してしまう場合がありますので。
千堂は元技術者ですが現在は経営側なので、『たとえ自身はスクラップになっても人間を守る商品である』ことを説明したいだけというのも、説明を簡略化した理由かもしれません。
なお、連載再開は十一月を予定していますが、開発部内の一人部署の主任(という名の社会実験のサンプル)としての日常が始まる予定ですので、<慣れない職場で頑張る女の子>なアリシアの姿を描いていくことになると思います。
5日目、夕刻 つまり、あくまで要人
好みの問題ですが、つまりよりただしの方が良いかなと。
貴重なご意見ありがとうございます。
改めて読み返してみましたが、筆者個人としましてはこの時点では千堂のメイトギアに対する認識は、あくまで、
『場合によっては使い捨てもありうる道具』
として割り切っているというものであり、『つまり』の方がピンとくるので、大変申し訳ございませんが、現時点ではこのままとさせていただきます。
ご了承ください。
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