227 / 470
大希
目覚ましい成果
しおりを挟む
パーティが終わると、フミとカナと千早は上気したとても楽しそうな顔で笑い合っていました。
それぞれ発散できたようで私もホッと安堵します。それに今回は、ヒロ坊くんとすごく近くにいられたことで私自身もすごく充実した時間を過ごせましたし。
玲那さんはせっかくの機会だからということで、また御友人らとオフ会をこのままここのカラオケボックスで行うそうです。
やはり彼女もいろいろと発散する機会が必要なんでしょうね。
山下さんと沙奈子さんと絵里奈さんについては、ご自宅でゆっくりされるそうですし、そちらはそちらでお任せするとして、私達はヒロ坊くんの家に帰り、千早の手作りケーキをいただきます。
「は~、美味しい♡」
千早のケーキを一口食べたフミが、頬を押さえて幸せそうに言います。実際に千早のケーキは美味しいのです。この事実がフミをさらに癒します。
そしてフミに喜んでもらえたことで、千早もまた、癒されるのです。自身の家庭では得られない安らぎを得るのです。
以前に比べれば、暴力を振るわれることも減り、かつ家事全般をこなすようになったことでむしろ依存されるようになった千早は、既に石生蔵家の<柱>的な存在となって、精神的には確実に優位に立っています。今、千早に見捨てられれば、石生蔵家は確実に破綻するでしょう。
完全に立場が逆転していますね。
正直申し上げて歪な関係であることは事実です。これは決して本来の家族の姿ではないでしょう。ですが、元々の関係が異常であったのですから、正常化するには並大抵のことではないでしょう。時間もかかります。
それが僅か一年ほどで、暴力について改善することができたのですから、むしろ目覚ましい成果だと思うのです。
そのことを思えば今の関係も意味があるのではないでしょうか。
これがそのままずっと続くのか、それともまた変化していくのか、私には分かりません。ですが今の千早の笑顔は本物だと感じるのですから、否定しなければいけない理由を私は持ち合わせていません。
「じゃ、いってくるね」
「いってきます」
フミがケーキを喜んでくれるのを見届けて、千早と私は旅館へと向かうために家を出ます。
「いってらっしゃい」
「ゆっくりしてきてね」
ヒロ坊くん、イチコ、カナ、フミに見送られ、迎えのタクシーへと乗り込みました。次からはバスでということになりますが、今日のところはタクシーで行きます。
「どんなところかな~♡」
「落ち着けるところであればいいですね」
それぞれ発散できたようで私もホッと安堵します。それに今回は、ヒロ坊くんとすごく近くにいられたことで私自身もすごく充実した時間を過ごせましたし。
玲那さんはせっかくの機会だからということで、また御友人らとオフ会をこのままここのカラオケボックスで行うそうです。
やはり彼女もいろいろと発散する機会が必要なんでしょうね。
山下さんと沙奈子さんと絵里奈さんについては、ご自宅でゆっくりされるそうですし、そちらはそちらでお任せするとして、私達はヒロ坊くんの家に帰り、千早の手作りケーキをいただきます。
「は~、美味しい♡」
千早のケーキを一口食べたフミが、頬を押さえて幸せそうに言います。実際に千早のケーキは美味しいのです。この事実がフミをさらに癒します。
そしてフミに喜んでもらえたことで、千早もまた、癒されるのです。自身の家庭では得られない安らぎを得るのです。
以前に比べれば、暴力を振るわれることも減り、かつ家事全般をこなすようになったことでむしろ依存されるようになった千早は、既に石生蔵家の<柱>的な存在となって、精神的には確実に優位に立っています。今、千早に見捨てられれば、石生蔵家は確実に破綻するでしょう。
完全に立場が逆転していますね。
正直申し上げて歪な関係であることは事実です。これは決して本来の家族の姿ではないでしょう。ですが、元々の関係が異常であったのですから、正常化するには並大抵のことではないでしょう。時間もかかります。
それが僅か一年ほどで、暴力について改善することができたのですから、むしろ目覚ましい成果だと思うのです。
そのことを思えば今の関係も意味があるのではないでしょうか。
これがそのままずっと続くのか、それともまた変化していくのか、私には分かりません。ですが今の千早の笑顔は本物だと感じるのですから、否定しなければいけない理由を私は持ち合わせていません。
「じゃ、いってくるね」
「いってきます」
フミがケーキを喜んでくれるのを見届けて、千早と私は旅館へと向かうために家を出ます。
「いってらっしゃい」
「ゆっくりしてきてね」
ヒロ坊くん、イチコ、カナ、フミに見送られ、迎えのタクシーへと乗り込みました。次からはバスでということになりますが、今日のところはタクシーで行きます。
「どんなところかな~♡」
「落ち着けるところであればいいですね」
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
人生負け組のスローライフ
雪那 由多
青春
バアちゃんが体調を悪くした!
俺は長男だからバアちゃんの面倒みなくては!!
ある日オヤジの叫びと共に突如引越しが決まって隣の家まで車で十分以上、ライフラインはあれどメインは湧水、ぼっとん便所に鍵のない家。
じゃあバアちゃんを頼むなと言って一人単身赴任で東京に帰るオヤジと新しいパート見つけたから実家から通うけど高校受験をすててまで来た俺に高校生なら一人でも大丈夫よね?と言って育児拒否をするオフクロ。
ほぼ病院生活となったバアちゃんが他界してから築百年以上の古民家で一人引きこもる俺の日常。
――――――――――――――――――――――
第12回ドリーム小説大賞 読者賞を頂きました!
皆様の応援ありがとうございます!
――――――――――――――――――――――
【1/21取り下げ予定】悲しみは続いても、また明日会えるから
gacchi
恋愛
愛人が身ごもったからと伯爵家を追い出されたお母様と私マリエル。お母様が幼馴染の辺境伯と再婚することになり、同じ年の弟ギルバードができた。それなりに仲良く暮らしていたけれど、倒れたお母様のために薬草を取りに行き、魔狼に襲われて死んでしまった。目を開けたら、なぜか五歳の侯爵令嬢リディアーヌになっていた。あの時、ギルバードは無事だったのだろうか。心配しながら連絡することもできず、時は流れ十五歳になったリディアーヌは学園に入学することに。そこには変わってしまったギルバードがいた。電子書籍化のため1/21取り下げ予定です。
勇者パーティを追放されてしまったおっさん冒険者37歳……実はパーティメンバーにヤバいほど慕われていた
秋月静流
ファンタジー
勇者パーティを追放されたおっさん冒険者ガリウス・ノーザン37歳。
しかし彼を追放した筈のメンバーは実はヤバいほど彼を慕っていて……
テンプレ的な展開を逆手に取ったコメディーファンタジーの連載版です。
先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件
桜 偉村
恋愛
別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。
後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。
全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。
練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。
武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。
だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。
そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。
武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。
しかし、そこに香奈が現れる。
成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。
「これは警告だよ」
「勘違いしないんでしょ?」
「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」
「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」
甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……
オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕!
※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。
「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。
【今後の大まかな流れ】
第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。
第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません!
本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに!
また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます!
※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。
少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです!
※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
世界で一番ママが好き! パパは二番目!
京衛武百十
ライト文芸
ママは、私が小学校に上がる前に亡くなった。ガンだった。
当時の私はまだそれがよく分かってなかったと思う。ひどく泣いたり寂しがった覚えはない。
だけど、それ以降、治らないものがある。
一つはおねしょ。
もう一つは、夜、一人でいられないこと。お風呂も一人で入れない。
でも、今はおおむね幸せかな。
だって、お父さんがいてくれるから!。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる