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大希
私もとうとう十七歳
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今日はカナの誕生日。
学校でも当然、
「誕生日おめでとう」
と声を掛けさせていただきましたが、誕生日パーティそのものは、次の土曜日ということになりました。土曜日に、いつものカラオケ店でパーティルームを借り切って行うのです。
絵里奈さんや玲那さんにも参加していただけるようにということで。
なので、それまではカナとしても、誕生日だという実感はあまりないようでした。
授業が終わり、部活も終わり、当然のこととしてヒロ坊くんの家に集まります。
カナ自身は、現在、ヒロ坊くんの家に居候している形ですので、帰るということになりますが。
私も一度家に帰って着替えてから改めてヒロ坊くんの家へと向かいます。
「おかえり~」
「おかえり」
「おかえりなさい」
呼び鈴を押すと、千早とヒロ坊くんと沙奈子さんが出迎えてくれます。普段は玄関に鍵を掛けているので、呼び鈴を押すことで三人が窓から覗いて誰が来たのか確認し、そして玄関を開けてくれるのです。
『おかえり』と。
もう毎日、こうして全員が集まっているので、もはや私にとってもここは<もう一つの自分の家>のようになっていました。他ならぬヒロ坊くんがそう認めてくださっているのです。
私はそれがとても嬉しい。
そして夕方。
沙奈子さんを迎えるために山下さんが来た時にも、三人は、
「おかえり」
と出迎えます。
沙奈子さんにとっても、学校が終わって山下さんがこうして迎えに来るまでヒロ坊くんの家で過ごすので、やはりもう一つの家となっているのでしょう。
二階に山下さんが上がってくると、お義父さんも、イチコも、カナも、フミも、私も、
「おかえりなさい」
と迎えさせていただきました。
家族に準ずる人として。
「ただいま」
山下さんもそう応えてくださいます。
そうして山下さんがいつもの席に着き、ビデオ通話で玲那さんと絵里奈さんも参加すると、カナが、
「あ~、私もとうとう十七歳か~。なんか不思議だな~」
玲那さんに話しかけるようにして声を上げました。二人は私達の間でも特に気が合うらしく、まるで本当の姉妹のように振る舞っているのです。
「おめでとうございます」
『おめでと~!』
山下さんと玲那さん、絵里奈さんも、カナの誕生日を祝福してくださいました。それに対しては、
「ありがとうござます」
と、家族同然ではありつつも、カナは、丁寧に頭を下げたのです。普段の、ともすれば『ぶっきらぼう』『礼儀知らず』と思われがちな彼女なりの、
『親しき仲にも礼儀あり』
ということなのでしょう。
カナは決して、本当に礼節をわきまえていないわけではないのです。
学校でも当然、
「誕生日おめでとう」
と声を掛けさせていただきましたが、誕生日パーティそのものは、次の土曜日ということになりました。土曜日に、いつものカラオケ店でパーティルームを借り切って行うのです。
絵里奈さんや玲那さんにも参加していただけるようにということで。
なので、それまではカナとしても、誕生日だという実感はあまりないようでした。
授業が終わり、部活も終わり、当然のこととしてヒロ坊くんの家に集まります。
カナ自身は、現在、ヒロ坊くんの家に居候している形ですので、帰るということになりますが。
私も一度家に帰って着替えてから改めてヒロ坊くんの家へと向かいます。
「おかえり~」
「おかえり」
「おかえりなさい」
呼び鈴を押すと、千早とヒロ坊くんと沙奈子さんが出迎えてくれます。普段は玄関に鍵を掛けているので、呼び鈴を押すことで三人が窓から覗いて誰が来たのか確認し、そして玄関を開けてくれるのです。
『おかえり』と。
もう毎日、こうして全員が集まっているので、もはや私にとってもここは<もう一つの自分の家>のようになっていました。他ならぬヒロ坊くんがそう認めてくださっているのです。
私はそれがとても嬉しい。
そして夕方。
沙奈子さんを迎えるために山下さんが来た時にも、三人は、
「おかえり」
と出迎えます。
沙奈子さんにとっても、学校が終わって山下さんがこうして迎えに来るまでヒロ坊くんの家で過ごすので、やはりもう一つの家となっているのでしょう。
二階に山下さんが上がってくると、お義父さんも、イチコも、カナも、フミも、私も、
「おかえりなさい」
と迎えさせていただきました。
家族に準ずる人として。
「ただいま」
山下さんもそう応えてくださいます。
そうして山下さんがいつもの席に着き、ビデオ通話で玲那さんと絵里奈さんも参加すると、カナが、
「あ~、私もとうとう十七歳か~。なんか不思議だな~」
玲那さんに話しかけるようにして声を上げました。二人は私達の間でも特に気が合うらしく、まるで本当の姉妹のように振る舞っているのです。
「おめでとうございます」
『おめでと~!』
山下さんと玲那さん、絵里奈さんも、カナの誕生日を祝福してくださいました。それに対しては、
「ありがとうござます」
と、家族同然ではありつつも、カナは、丁寧に頭を下げたのです。普段の、ともすれば『ぶっきらぼう』『礼儀知らず』と思われがちな彼女なりの、
『親しき仲にも礼儀あり』
ということなのでしょう。
カナは決して、本当に礼節をわきまえていないわけではないのです。
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