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大希
正直申し上げて
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私は続けました。
「正直申し上げて、今でも罪には徹底した厳しい罰で臨むべきという考えが自分の中に残っているということも感じています。
特に、千歳さんのしたことは許されるものではないでしょう。『躾』と称して同級生の女の子を追い詰めたことでその女の子が逆襲に転じ、そのことが、他の女の子の顔に生涯消えない傷を負わせることになったのですから。
確かに、怪我をした女の子も千歳さんと一緒になって同級生をイジメていたのですからそれを『自業自得』『因果応報』と捉える人が多いだろうというのは私も感じますし、正直申し上げて私もそう思う部分もあります。
しかし私は知ってしまったのです。私自身が千歳さんと同じようなことをしてしまっていたということを……
当時の私は、今では恥ずかしくて思い出すのも苦痛なほどに独善的で思い上がっていました。私の行うことはすべて正しく、間違っているのは常に他人の方だなどと本当にたわけたことを考えていました。
しかしそれが単なる思い上がりでしかないことをイチコから教わり、私は自身の過ちに気付くことができたんです。
ですが、それに気付いた時にはすでに私は何人もの人を傷付けてしまっていました……
カナやフミも私が傷付けてしまった人の一人ですが、その時にクラスの委員長だった女の子を特に深く傷付けてしまっていたのです。
彼女は私に憤り、カッターナイフで切りかかろうとしました。
そう、千歳さんたちのイジメに耐えかねてカッターナイフを振り回した女の子と同じことを、彼女はしようとしたのです。私は、彼女をそこまで追い詰めてしまっていたのです。
それは私の過ちです。私が生涯背負っていくべき過誤だと思っています。
刑事責任を問われることはありませんでしたが、私は確かに彼女を苦しめ傷付けていたんです。
罪人を厳しく罰するべきだというのなら、私は、私自身を罰しなければいけなくなります。
でも、どこまでどう罰せられるべきなのか、私には分からないんです。他人には厳しく当たりながら、いざ自分のこととなるとどうすればいいのか分からない。
私は自分が、どれだけ浅墓だったのかを思い知ることになりました……
こんな私が他人を厳しく罰するなど、あまりにも恥ずかしく愚かな行いだと感じます。
だから今の私は、罪人をどう罰すればいいのか分かりません。だからこそ現行の法律に即したものでいいと現在では考えています。法律以上の罰を与えるべきだとは思いません。今の私にそれを言う資格はないのですから……」
私は、山下さんに、自分がどれほど愚かで醜いかを、包み隠さず打ち明けさせてもらったのでした。
これもまた、私自身の現実と向き合う為には必要なことだったのです。
「正直申し上げて、今でも罪には徹底した厳しい罰で臨むべきという考えが自分の中に残っているということも感じています。
特に、千歳さんのしたことは許されるものではないでしょう。『躾』と称して同級生の女の子を追い詰めたことでその女の子が逆襲に転じ、そのことが、他の女の子の顔に生涯消えない傷を負わせることになったのですから。
確かに、怪我をした女の子も千歳さんと一緒になって同級生をイジメていたのですからそれを『自業自得』『因果応報』と捉える人が多いだろうというのは私も感じますし、正直申し上げて私もそう思う部分もあります。
しかし私は知ってしまったのです。私自身が千歳さんと同じようなことをしてしまっていたということを……
当時の私は、今では恥ずかしくて思い出すのも苦痛なほどに独善的で思い上がっていました。私の行うことはすべて正しく、間違っているのは常に他人の方だなどと本当にたわけたことを考えていました。
しかしそれが単なる思い上がりでしかないことをイチコから教わり、私は自身の過ちに気付くことができたんです。
ですが、それに気付いた時にはすでに私は何人もの人を傷付けてしまっていました……
カナやフミも私が傷付けてしまった人の一人ですが、その時にクラスの委員長だった女の子を特に深く傷付けてしまっていたのです。
彼女は私に憤り、カッターナイフで切りかかろうとしました。
そう、千歳さんたちのイジメに耐えかねてカッターナイフを振り回した女の子と同じことを、彼女はしようとしたのです。私は、彼女をそこまで追い詰めてしまっていたのです。
それは私の過ちです。私が生涯背負っていくべき過誤だと思っています。
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罪人を厳しく罰するべきだというのなら、私は、私自身を罰しなければいけなくなります。
でも、どこまでどう罰せられるべきなのか、私には分からないんです。他人には厳しく当たりながら、いざ自分のこととなるとどうすればいいのか分からない。
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こんな私が他人を厳しく罰するなど、あまりにも恥ずかしく愚かな行いだと感じます。
だから今の私は、罪人をどう罰すればいいのか分かりません。だからこそ現行の法律に即したものでいいと現在では考えています。法律以上の罰を与えるべきだとは思いません。今の私にそれを言う資格はないのですから……」
私は、山下さんに、自分がどれほど愚かで醜いかを、包み隠さず打ち明けさせてもらったのでした。
これもまた、私自身の現実と向き合う為には必要なことだったのです。
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