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大希
それぞれ
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水族館前で、絵里奈さん玲那さんと合流します。こうして改めてお会いすると、その見事な<変身>ぶりに感心すらさせられます。
なお、お二人がかつて派手なメイクをしていたのにはまた理由があったのですが、それについて私から詳しく説明するのは差し出がましいと思いますので今は割愛させていただきます。今後、機会があれば触れるかもしれませんが。
水族館に入ると、さすが、血は繋がっていなくても一児の母親ということでしょうか。絵里奈さんが子供達を仕切ってくださいました。
「うお~っ! 何だこりゃ、変なの~っ!」
珍しい生き物の展示のところで、千早がテンション高く声を上げます。とは言え、同じように興奮してるお子さんは他にもいらっしゃいましたので、悪目立ちすることはありませんでしたが。
ちなみに沙奈子さんは、ウミヘビやウミウシなど、一般的には女の子には敬遠されがちと思われる生き物に関心があるらしく、非常に熱心に見ていらっしゃいました。それを面白がっている千早とは少し違う形の興味を覚えているようですね。
これは、イチコと同じ<趣味>をしているということでしょうか。
と言うのも、実はイチコも沙奈子さんと同じように、多くの場合は嫌われるであろう生き物に関心があるらしく、同じくそういう生き物に興味があるという玲那さんとの三人で一緒に行動している様子が見られました。
そして千早は、カナと性格が似ている部分があるからか一緒に行動していることが多く、フミがそんな二人に付き合っているという形が自然に出来上がっていたようです。
それに対してヒロ坊くんは、そういう皆の様子を見て楽しんでいるかのような素振りさえ見えます。
「千早~、勝手に行ったらだめだよ~」
テンションが上がってしまい、ついついカナと一緒に勝手にあっちへこっちへと動き回る千早にそんな声を掛けていたりもしました。
もちろん、ヒロ坊くん自身も展示もちゃんと見てはいるのですが。
私はその彼の傍に寄り添って立ち、完全に展示よりも彼の姿と気配を感じ取り、それに酔いしれていました。
『ああ……どのような可愛らしい生き物よりもこうしていることが一番癒されます……』
正直、私にとってはここが水族館であっても動物園であっても美術館であっても関係ありませんね。<彼の傍>こそが私にとっては至高の癒しスペースなのですから。
などと満喫しつつ、イルカショーの席を確保するために、ショーにはまだ少し時間がありましたが、
「イルカショーのステージに移動しますよ」
と声を掛けさせていただきました。
すると沙奈子さんもハッとこちらを見ます。彼女のことをよく御存じでない方には見分けがつかないかもしれませんが、その目には、明らかにキラキラしたものが宿っているのが察せられます。
やや変わった生き物が好きな沙奈子さんですが、イルカも好きなのだそうです。
なお、お二人がかつて派手なメイクをしていたのにはまた理由があったのですが、それについて私から詳しく説明するのは差し出がましいと思いますので今は割愛させていただきます。今後、機会があれば触れるかもしれませんが。
水族館に入ると、さすが、血は繋がっていなくても一児の母親ということでしょうか。絵里奈さんが子供達を仕切ってくださいました。
「うお~っ! 何だこりゃ、変なの~っ!」
珍しい生き物の展示のところで、千早がテンション高く声を上げます。とは言え、同じように興奮してるお子さんは他にもいらっしゃいましたので、悪目立ちすることはありませんでしたが。
ちなみに沙奈子さんは、ウミヘビやウミウシなど、一般的には女の子には敬遠されがちと思われる生き物に関心があるらしく、非常に熱心に見ていらっしゃいました。それを面白がっている千早とは少し違う形の興味を覚えているようですね。
これは、イチコと同じ<趣味>をしているということでしょうか。
と言うのも、実はイチコも沙奈子さんと同じように、多くの場合は嫌われるであろう生き物に関心があるらしく、同じくそういう生き物に興味があるという玲那さんとの三人で一緒に行動している様子が見られました。
そして千早は、カナと性格が似ている部分があるからか一緒に行動していることが多く、フミがそんな二人に付き合っているという形が自然に出来上がっていたようです。
それに対してヒロ坊くんは、そういう皆の様子を見て楽しんでいるかのような素振りさえ見えます。
「千早~、勝手に行ったらだめだよ~」
テンションが上がってしまい、ついついカナと一緒に勝手にあっちへこっちへと動き回る千早にそんな声を掛けていたりもしました。
もちろん、ヒロ坊くん自身も展示もちゃんと見てはいるのですが。
私はその彼の傍に寄り添って立ち、完全に展示よりも彼の姿と気配を感じ取り、それに酔いしれていました。
『ああ……どのような可愛らしい生き物よりもこうしていることが一番癒されます……』
正直、私にとってはここが水族館であっても動物園であっても美術館であっても関係ありませんね。<彼の傍>こそが私にとっては至高の癒しスペースなのですから。
などと満喫しつつ、イルカショーの席を確保するために、ショーにはまだ少し時間がありましたが、
「イルカショーのステージに移動しますよ」
と声を掛けさせていただきました。
すると沙奈子さんもハッとこちらを見ます。彼女のことをよく御存じでない方には見分けがつかないかもしれませんが、その目には、明らかにキラキラしたものが宿っているのが察せられます。
やや変わった生き物が好きな沙奈子さんですが、イルカも好きなのだそうです。
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