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盲亀浮木 その3
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小学生の男の子のほっぺにキス。
これが姉弟ならスキンシップで済むのでしょうが、やはり相手はよそ様のお子さん。しかも九歳。たとえ女性の方が年上でも淫行は成立するのですから、ここは自制です。自制一択です。
漢字については、これはとにかく何度も書いて覚えていただくのが結局は一番かと思い、間違えた漢字をノートに何度も書いてもらいます。
これも、最初はとにかく数をこなさないとという思いが強すぎて、途中で彼の集中力が途切れ筆を止めてしまうことについ、
「もっとちゃんと集中してください!」
と、強い口調で注意をしてしまい、彼をしょげさせてしまったこともありました。
その不信感によるものか、後日、
「ピカちゃんとは勉強しない……!」
と言われてしまったのです。
「え…え……? そんな……」
彼の言葉が胸に突き刺さり、体中から力が抜けて、私はその場に崩れ落ちそうになりました。
涙まで浮かべて狼狽える私がよほど可哀想に見えたのでしょうか。彼はハッとした表情になって、
「ごめんね」
と謝ってくれました。だけどその日は結局、私の方が動揺してしまって勉強どころではありませんでした。
さらにその次にはまた勉強を見させていただけたのですが、私はまた懲りずに同じ失敗をしてしまったのです。
集中が途切れ、マンガの本に手を伸ばした彼に向かって、
「どうして集中できないんですか…!?」
とやや強い口調で言ってしまったのです。
すると彼は、何も言わずにその場を立って、一階に降りていってしまいました。ボイコットです。
「あ…あ、ごめんなさい……!」
彼の背中に追い縋るようにしてお詫びの言葉を投げかけましたが、さすがに二度目では、彼も聞く耳を持ってくれませんでした。
『ああ…どうしましょう……!』
おろおろする私に、イチコが、
「あ~、今日はもう無理だと思うけど、大丈夫だよ。次にはまたケロッとしてるから」
と言ってくれたものの、同じ失敗を二度も続けてしまった自分が情けなくて、
「……今日は、帰ります……」
そう言って家に帰りました。家に帰って、ベッドに突っ伏して泣きました。
「彼に嫌われたらどうしよう……」
勝手に口から漏れたその呟きに自分でもギョッとしてしまいます。
『ああ…イヤだ……そんなのはイヤ……! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!』
幸い、イチコが言っていた通り、次には彼もケロッとしていたのですが、それは、彼のお父さんが何らかのフォローをしてくれたというのもあったようです。
これもまた、こちらが感情的になっても良い結果は得られないという戒めとして、今も心に刻んでいます。
これが姉弟ならスキンシップで済むのでしょうが、やはり相手はよそ様のお子さん。しかも九歳。たとえ女性の方が年上でも淫行は成立するのですから、ここは自制です。自制一択です。
漢字については、これはとにかく何度も書いて覚えていただくのが結局は一番かと思い、間違えた漢字をノートに何度も書いてもらいます。
これも、最初はとにかく数をこなさないとという思いが強すぎて、途中で彼の集中力が途切れ筆を止めてしまうことについ、
「もっとちゃんと集中してください!」
と、強い口調で注意をしてしまい、彼をしょげさせてしまったこともありました。
その不信感によるものか、後日、
「ピカちゃんとは勉強しない……!」
と言われてしまったのです。
「え…え……? そんな……」
彼の言葉が胸に突き刺さり、体中から力が抜けて、私はその場に崩れ落ちそうになりました。
涙まで浮かべて狼狽える私がよほど可哀想に見えたのでしょうか。彼はハッとした表情になって、
「ごめんね」
と謝ってくれました。だけどその日は結局、私の方が動揺してしまって勉強どころではありませんでした。
さらにその次にはまた勉強を見させていただけたのですが、私はまた懲りずに同じ失敗をしてしまったのです。
集中が途切れ、マンガの本に手を伸ばした彼に向かって、
「どうして集中できないんですか…!?」
とやや強い口調で言ってしまったのです。
すると彼は、何も言わずにその場を立って、一階に降りていってしまいました。ボイコットです。
「あ…あ、ごめんなさい……!」
彼の背中に追い縋るようにしてお詫びの言葉を投げかけましたが、さすがに二度目では、彼も聞く耳を持ってくれませんでした。
『ああ…どうしましょう……!』
おろおろする私に、イチコが、
「あ~、今日はもう無理だと思うけど、大丈夫だよ。次にはまたケロッとしてるから」
と言ってくれたものの、同じ失敗を二度も続けてしまった自分が情けなくて、
「……今日は、帰ります……」
そう言って家に帰りました。家に帰って、ベッドに突っ伏して泣きました。
「彼に嫌われたらどうしよう……」
勝手に口から漏れたその呟きに自分でもギョッとしてしまいます。
『ああ…イヤだ……そんなのはイヤ……! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!』
幸い、イチコが言っていた通り、次には彼もケロッとしていたのですが、それは、彼のお父さんが何らかのフォローをしてくれたというのもあったようです。
これもまた、こちらが感情的になっても良い結果は得られないという戒めとして、今も心に刻んでいます。
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