ショタパパ ミハエルくん

京衛武百十

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第四幕

見ず知らずの赤の他人には何の責任もないよ

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他者に害意を向ければ、自分にも害意が返ってくる。

事実、安和アンナのHPのコメント欄でも、彼女を罵ろうとするコメントに対しては、

『そっちこそ何様のつもり!?』

『ここはカワイイアクセを愛でる場所なんだから、そうじゃないのは来ないで!』

『キモイ!』

等々、罵倒が返される。

たとえ罵倒とかであっても他者が自分に対して反応してくれるのが嬉しいのかもしれないけど、そんなのはそれこそ、自分の親に対してすればいい。自分を勝手にこの世に送り出しておいて、満足するまで相手もしてくれなかったような親だったんだよね? どうしてその報いを受けさせないの?

それに対して、赤の他人は、自分がこの世に生み出されたことについては何の責任も負ってないよ? それなのに赤の他人に自分の存在を受け止めさせようとするの?

やっぱり筋違いもいいところだよね?

悠里や安和や椿つばきが他所様に対してそれを求めないのは、悠里達にその必要がないからだよ。悠里達の存在を認め受け止めるのは、三人をこの世に送り出した僕とアオの責任だ。あとはかろうじて、それを唆す結果になったセルゲイかな。でも精々そこまでで、見ず知らずの赤の他人には何の責任もないよ。

ましてや、干渉さえされたこともないような赤の他人にはね。

何度でも言うよ。

自分の勝手でこの世に送り出した子供の存在を認め受け止めるのは、親のするべきことだ。赤の他人にそれをさせるのは、親自身の責任の放棄でしかない。

どんなに言い訳してもね、何の抵抗もできずに一方的にこの世に送り出された子供に責任を押し付けようとするのなんて、それこそ言語道断だよ、

養育費を払わないとかなんて、それこそね。

『親がどんな人間でも子供が努力すれば何とでもなる』

と言うのなら、<養育費を払う努力>はしたの? 努力すれば何とでもなるのなら、養育費を払えるようにもなるんだよね? その努力をしない人間が<努力>を語っても空々しいだけだよ? そして、努力をしてもどうにもならないというのなら、『努力をすれば何とでもなる』というのは嘘だという証明だ。

他者に厳しい者ほど自分に甘い。

<努力>という言葉を振りかざす人間ほど、自分がしようとしない努力については目を背けようとする。

努力というものは、結局、当人が納得するためにすることなんじゃないのかな。努力が報われればそれだけ喜びも大きいだろうし、努力が報われなかった場合にも、

『これだけ努力しても駄目だったのなら仕方ない』

と自分を納得させられるだろうね。

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