ショタパパ ミハエルくん

第四幕

自分の未熟さを棚に上げて子供を叱る

『大人は子供を叱らなくちゃいけない』

そんなことを言う人間もいるけど、これもあくまで、大人の側がそれだけ完璧であればの話だと思う。

『自分の未熟さを棚に上げて子供を叱る』

ことが子供に見抜かれないとでも思っているの？　だとしたら子供を舐め過ぎだよ。

その上、

『威力や恫喝で相手を操る』

という行いを子供に学ばせてどうするつもりなの？　それを学んだ人間が実際に、

＜威力や恫喝で他者を屈服させ服従させようとする事例＞

がこれほどまでに多発しているという現実とどうして向き合えないの？　ごく普通の日常生活の中でも、＜威力や恫喝で他者を屈服させ服従させようとする光景＞
に出くわしているんじゃないの？　どうしてそんなに日常にまであふれているの？　しかもそれを行おうとしている人間は、ほぼすべてにおいて、

『自分のやってることが正しい』

と思っているよね？　それはどうして？

『威力や恫喝で相手を操る』ことが正しいと教わったからじゃないの？　じゃあ、誰からそれを教わったの？　ギャング？　強盗？　そんな者からそんなことを教わる機会なんて、そんなにある？

親から教わったんじゃないの？

親が子供を『威力や恫喝で操ろうとする』ことで。

そうじゃないというのなら、どこで教わったのか答えてほしいものだけどな。

『子供の方が勝手に悪いように解釈しただけだ！』

と言うのなら、『悪いように解釈しないようにする』ために丁寧に教えなかったの？　教えなかったのなら、それは親の怠慢だよね？

『教えようとした！　子供が理解しなかっただけだ！！』

と言うのなら、

＜威力や恫喝で他者を屈服させ服従させようとしている人間＞

は、店で店員に対して高圧的に振る舞う人間は、駅で駅員に高圧的に振る舞う人間は、役所で職員に高圧的に振る舞う人間は、些細なことで煽り運転をする人間は、自身の親から教わったことを覚えてないの？　もし覚えてて蔑ろにしてるなら、そんな人間が親として大人として子供に何を教えるつもりなの？　自分が親から教わったことを蔑ろにしているのに。

『決して自分が負けるはずのない相手に威力や恫喝で接する』

ことに何の正当性もないとどうして認められないの？　

＜決して自分が負けるはずのない相手に威力や恫喝で接する人間＞

が、武器を手にした明らかに自分より強い相手に立ち向かっていけると本当に思うの？　

＜決して自分が負けるはずのない相手だから強気に出られる人間＞

が。

僕は自分の子供達にそういう風になってもらいたいとは思わないよ。