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第四幕

自分は傷付けられたくないけど他者は傷付けたくて

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本当に人間って奇妙な生き物だよね。自分は傷付けられたくないけど他者は傷付けたくて、だから他者を傷付ける行いを美化し正当化し継続させたいと望む。

子供に対して暴力を振るうことについても、<躾>と称して残そうとする。なのに、自身がネットでどこかの誰かを傷付けようとしている振る舞いについて叱られたらキレるんだ。

そんな自身の矛盾とも向き合おうとしないのに、なぜか『現実は厳しい』『社会は甘くない』って言う。現実を見てないのは自分だし、社会を見くびってるのも自分じゃないの?

法律やルールを都合よく捻じ曲げて蔑ろにすることを正当化しようとするその姿勢のどこが、『現実を見て』いて、『社会を見くびってない』と言うの?

ただ自分を甘やかしたいだけだよね?

<学校におけるイジメ>の件にしても、アオの言うとおり、加害者側の親が自分の子供を学校に通わせないようにすれば、少なくとも加害行為は抑止できるはずだよ? なのにどうしてそれをしようとしないの? 

『イジメはなくならない』

『どこにでもイジメはある』

そんな風に言われるくらいに<イジメという行為>が蔓延してるなら、一つの学校にどれくらいの割合で<イジメ加害者>がいるの? 

一割? 

二割?

でも、何割いても、加害者の親が子供を学校に通わせないようにすれば加害行為は止められるはずなのに、どうしてそうしないの?

他者を傷付けてもそれを大目に見てもらいたいから?

それが<甘え>でないならなんだと言うの?

僕には理解できないんだけどな。

そう言えば、

『かつてはクソガキは教師に殴られるのが当たり前だった』

とか言っている人間がいるよね? だけど、その、

<クソガキは教師に殴られるのが当たり前の時代>

に、イジメはなかったの? 

<イジメをするようなクソガキ>

は、教師に殴られなかったの? 殴られてもイジメをやめなかったのなら、

『殴るという行為には何の効果もなかった』

ということだし、

『教師に見付かって殴られないように、隠れてイジメよう』

と考えるのはいなかったの?

『<クソガキは教師に殴られるのが当たり前の時代>にイジメはなかった』

と言うの?

自分より弱い相手を殴ることはできても、

<イジメ加害者を学校に通わせないという決断>

はできなかったの? 

『他所様のお子さんを害しているという自分の子供を学校に通わせない』

という選択すらできないような親がそんなに立派なの?

そう。人間は、自分より弱い相手は殴れても、<イジメ加害者を学校に通わせないという決断>はできないんだ。

不思議だよね。

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