ショタパパ ミハエルくん

京衛武百十

文字の大きさ
上 下
447 / 697
第四幕

自分は傷付けられたくないけど他者は傷付けたくて

しおりを挟む
本当に人間って奇妙な生き物だよね。自分は傷付けられたくないけど他者は傷付けたくて、だから他者を傷付ける行いを美化し正当化し継続させたいと望む。

子供に対して暴力を振るうことについても、<躾>と称して残そうとする。なのに、自身がネットでどこかの誰かを傷付けようとしている振る舞いについて叱られたらキレるんだ。

そんな自身の矛盾とも向き合おうとしないのに、なぜか『現実は厳しい』『社会は甘くない』って言う。現実を見てないのは自分だし、社会を見くびってるのも自分じゃないの?

法律やルールを都合よく捻じ曲げて蔑ろにすることを正当化しようとするその姿勢のどこが、『現実を見て』いて、『社会を見くびってない』と言うの?

ただ自分を甘やかしたいだけだよね?

<学校におけるイジメ>の件にしても、アオの言うとおり、加害者側の親が自分の子供を学校に通わせないようにすれば、少なくとも加害行為は抑止できるはずだよ? なのにどうしてそれをしようとしないの? 

『イジメはなくならない』

『どこにでもイジメはある』

そんな風に言われるくらいに<イジメという行為>が蔓延してるなら、一つの学校にどれくらいの割合で<イジメ加害者>がいるの? 

一割? 

二割?

でも、何割いても、加害者の親が子供を学校に通わせないようにすれば加害行為は止められるはずなのに、どうしてそうしないの?

他者を傷付けてもそれを大目に見てもらいたいから?

それが<甘え>でないならなんだと言うの?

僕には理解できないんだけどな。

そう言えば、

『かつてはクソガキは教師に殴られるのが当たり前だった』

とか言っている人間がいるよね? だけど、その、

<クソガキは教師に殴られるのが当たり前の時代>

に、イジメはなかったの? 

<イジメをするようなクソガキ>

は、教師に殴られなかったの? 殴られてもイジメをやめなかったのなら、

『殴るという行為には何の効果もなかった』

ということだし、

『教師に見付かって殴られないように、隠れてイジメよう』

と考えるのはいなかったの?

『<クソガキは教師に殴られるのが当たり前の時代>にイジメはなかった』

と言うの?

自分より弱い相手を殴ることはできても、

<イジメ加害者を学校に通わせないという決断>

はできなかったの? 

『他所様のお子さんを害しているという自分の子供を学校に通わせない』

という選択すらできないような親がそんなに立派なの?

そう。人間は、自分より弱い相手は殴れても、<イジメ加害者を学校に通わせないという決断>はできないんだ。

不思議だよね。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

後宮の棘

香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。 ☆完結しました☆ スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。 第13回ファンタジー大賞特別賞受賞! ありがとうございました!!

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...