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第四幕
それ以外のオカルトも
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「とにかく、私は、『イジメは動物としての本能だからなくならない』とか甘ったれた言い訳でイジメに対処しないでいいとは思わないし、勝手に悠里達をこの世に送り出しておいて『生んでやった』だの『育ててやった』だの言うつもりはないんだ。その上で、何か言いたいことがあるんなら聞きたいと思ってるんだよ」
アオがそう締めくくると、安和が、
「いや、マジでそうだと私も思う。『イジメはなくならない』からって『イジメをなくす努力をしなくていい』ってわけじゃないじゃんってのは完璧それ。『交通事故はゼロにならない』からって『交通事故をなくす努力をしなくていい』ってことかよ? 違うだろ?
私は別に誰かをイジメようとか思ってないっての。『イジメはなくならない』とか言ってる奴は自分がイジメをやりたいから言ってるだけだろって私もマジ思う。自分の甘えを本能の所為にして正当化しようとすんな。自分がイジメをしなきゃ済む話を、主語を大きくして誤魔化そうとすんな。人間のイジメは、<イジメをやめられない甘ったれ>が起こしてるただの犯罪なんだよ。
それに、私はママとパパのところに生まれてこれてよかったと思ってるけど、だからって自分が選んだ覚えなんてないし、ましてやママとパパから『生んでいいかな?』とか訊かれた覚えもないっての。
私達は吸血鬼とかダンピールとかっていう、人間からしたらオカルトそのものの存在だけど、吸血鬼やダンピールが存在するからってそれ以外のオカルトも存在するとか思ってもらっちゃ困るね。ないものはないんだよ」
そう語ると、椿もそれに続いて、
「だよね。小学生の私でもママやお姉ちゃんが言ってることは分かるよ。それなのに大人で分からない人がいるっていうのがホント不思議。紫音くんのことだって、紫音くんのお母さんとお父さんが仲良くすればいいはずなのにできないんでしょ? 大人なのにそれが分からない人がいるんなら、子供にばっかり『ちゃんとしろ』とかおかしいよね。ちゃんとしてないのは大人の方だって子供だって分かっちゃうよ」
口にして、さらに悠里が、
「そうだね。安和や椿の言うとおりだと思う。『イジメられたって嘘の申告を警戒しなきゃいけない』のだって、イジメってのが横行してるからそれを逆手に取ろうと悪知恵を働かすのも出てくるってだけだってのは僕にも分かってるんだ。イジメが少ないところでそれを言い出したって信憑性も薄いと思うしさ」
とも言ったのだった。
アオがそう締めくくると、安和が、
「いや、マジでそうだと私も思う。『イジメはなくならない』からって『イジメをなくす努力をしなくていい』ってわけじゃないじゃんってのは完璧それ。『交通事故はゼロにならない』からって『交通事故をなくす努力をしなくていい』ってことかよ? 違うだろ?
私は別に誰かをイジメようとか思ってないっての。『イジメはなくならない』とか言ってる奴は自分がイジメをやりたいから言ってるだけだろって私もマジ思う。自分の甘えを本能の所為にして正当化しようとすんな。自分がイジメをしなきゃ済む話を、主語を大きくして誤魔化そうとすんな。人間のイジメは、<イジメをやめられない甘ったれ>が起こしてるただの犯罪なんだよ。
それに、私はママとパパのところに生まれてこれてよかったと思ってるけど、だからって自分が選んだ覚えなんてないし、ましてやママとパパから『生んでいいかな?』とか訊かれた覚えもないっての。
私達は吸血鬼とかダンピールとかっていう、人間からしたらオカルトそのものの存在だけど、吸血鬼やダンピールが存在するからってそれ以外のオカルトも存在するとか思ってもらっちゃ困るね。ないものはないんだよ」
そう語ると、椿もそれに続いて、
「だよね。小学生の私でもママやお姉ちゃんが言ってることは分かるよ。それなのに大人で分からない人がいるっていうのがホント不思議。紫音くんのことだって、紫音くんのお母さんとお父さんが仲良くすればいいはずなのにできないんでしょ? 大人なのにそれが分からない人がいるんなら、子供にばっかり『ちゃんとしろ』とかおかしいよね。ちゃんとしてないのは大人の方だって子供だって分かっちゃうよ」
口にして、さらに悠里が、
「そうだね。安和や椿の言うとおりだと思う。『イジメられたって嘘の申告を警戒しなきゃいけない』のだって、イジメってのが横行してるからそれを逆手に取ろうと悪知恵を働かすのも出てくるってだけだってのは僕にも分かってるんだ。イジメが少ないところでそれを言い出したって信憑性も薄いと思うしさ」
とも言ったのだった。
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