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第四幕

運に大きく左右される

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そうだ。

『バレなきゃいい』

『事故さえ起こさなきゃいい』

なんてのは、運を天に任せているだけの子供じみた発想だ。大人がしてていい考え方じゃない。そのそも不貞をしなければ『バレる』こともないし、飲酒運転をしなければ万が一事故を起こしても罪が重くなることもない。

『バレる』『事故が起こる』は、運に大きく左右される。どうしてそんなことも分からないの? そして、バレた時、事故を起こしてしまった時、もう自分では制御できなくなるんだよ?

事故を起こした時のことを考えて保険に入るはずなのに、『事故を起こさない』のを前提に飲酒運転をしようだなんて、どうしてそんな矛盾にも気付かないの?

そもそも飲酒運転で事故を起こしたら、せっかくの保険も制限されてしまうよね? そんなことになったら払った保険料が無駄になってしまうよ?

どうして大人なのにそんな簡単な計算もできないの?

不貞行為も同じ。バレた時に背負うことになる諸々を計算すれば避けるという一択しかないはずなのに、

『自分ならうまくやれる』

なんて思い上がりでリスクを無視してしまうなんて、おかしくないかな?

『人間はそんな風に割り切れるほど単純じゃない!』

と言うのなら、それこそ子供に完璧を求めるのはおかしいよね? 

『不貞を働いてほしくない』

というパートナーの期待にも応えられない自分が、子供に対して何かを期待するなんて、おかしいよ。

だからこそ秋生あきおは、<月城つきしろハーレム>のことを、

<疑似親子関係>

<疑似兄妹関係>

と見做してるようだ。もしくは、

<ハーレムごっこ>

とでも言うべきかな。誰も明確に責任を負うことのない<ごっこ遊び>ということ。

法律上、互いに責任を負うことになる婚姻関係とは違う。責任を負うことで<権利>も発生するはずなんだけどね。なのに紫音しおんの両親は、自身が負うべき責任は蔑ろにして権利だけを求めてる。

<自分の気持ちを優先していい権利>

をね。そんなムシのいい理屈。認められるはずないのに。

いずれにせよ、紫音の両親の不貞行為と月城ハーレムは、まったくの別物なんだよ。

<婚姻関係>は、<子供のおままごと>じゃないんだ。<子供のおままごと>には権利が生じない代わりに責任もないけど、大人のすることが子供の<ごっこ遊び>と同じ感覚だなんて、恥ずかしくないの?

ここまで言ってもなお、自分の不貞行為を正当化するために詭弁を並べるだろうけど、そんな素人の詭弁で誤魔化せるなら<司法>なんて必要ないと思うんだけどな。

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