この世界のアラクネは密林の覇者。ロボを従え覇道を生きる

京衛武百十

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レト

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レトが所属する群れのパパニアン達は、彼に餌を食べさせないためにそんなことをしていると言うよりは、やはり、<ストレスの転嫁>が目的だと思われる。

ストレスを解消するためにも<擬似的な性行為>は用いられるものの、それだけではすべて解消するには至らないのだろう。日常的に死と隣り合わせの毎日だから無理もないのかもしれないが。

実はこの時も、数時間前に仲間の一人がアサシン竜アサシンに殺され、群れに動揺が広がっていたというのもある。盛んに相手を変えては<擬似的な性行為>を行い気分を落ち着かせようとしていたのだが、まだ足りなかったらしい。

しかも、その時にもレトは仲間外れにされて、誰も相手にしてくれなかった。

レトは、実年齢ではおそらく三歳くらい。外見だと六歳くらいにも見えるだろうか。本来ならもう少し大きいはずなのだが、十分に餌を食べられないからか、成長が遅れているのかもしれない。

誰にも相手にしてもらえないのは、それも影響している可能性がある。

ちなみに、パパニアンの雄は、わりと早いうちに群れの<ベテランの雌>により<筆下し>が行われることが多い。つまり<擬似的な性行為>ではなく性行為そのものが行われるということだが、人間の場合には、<性的虐待>となるそれも、パパニアンにおいては必要な<通過儀礼>であり、もちろん咎められるようなことではない。

が、何度も言うように、だからといって人間にそれを当てはめようとするのは間違いである。生態がまったく異なる上に背景も状況も違うのだから、そのまま当てはめることなどできないのだと肝に銘じるべきだろう。

自分を人間だと思うのなら。

と、少々話が逸れたが、とにかくレトは群れの中ではあくまで、

<ストレス発散のためのサンドバッグ>

というのが実質的な役目だった。そしてそういう個体は、ほとんどがいずれストレス過多により命を落とすのだ。自らはストレスを転嫁できる相手が見付けられないがゆえに。

もしくは、天敵に襲われた時に、スケープゴートにされて。

ただ、アサシン竜アサシンの襲撃を受けた時には、群れの誰も、実際に仲間が襲われて殺されるまで接近にさえ気付いていなかった。レトはたまたま狙われなかったのだ。

なお、もし、レトがそういう形で死ねば、また他の個体が<ストレス発散のためのサンドバッグ>の役目を押し付けられることになる。

そしてそれは、大抵、群れのボスから寵愛を受けられずボス以外の雄とつがった他の群れから来た雌が生んだ子であることが多い。レトがまさにそれにあたる。

ヒエラルキーとしては、上位から順に、

<ボスのパートナー>

<ボスの娘>

<他の群れから来てボスの寵愛を受けられなかった雌>

というのが基本である。

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