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パーティ会場

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こうしてボクサー竜ボクサーを追い払ったばんは、まだ辛うじて生きてはいたものの地面に倒れ伏して動かないボクサー竜ボクサーに次々ととどめを刺していった。首の辺りをガツン!と踏みつけて頚椎を破壊する形で。

これにより、巨大猪竜シシのみならず十数頭ものボクサー竜ボクサーを仕留めた形にはなったものの、さすがに数が多すぎる。

猪竜シシはその場で貪ったが、それだけで十分な量だったため、ボクサー竜ボクサーについては放置し、ばんは立ち去った。後でまた喰えばいいと思ったのかもしれない。

とは言え、こうやって仕留めた獲物を放置などすれば、当然、それを目当てに様々な動物が集まってくる。

数種の<ネズミに似た小動物>。

数種の<トカゲに似た小動物>。

他の猪竜シシ

アサシン竜アサシン

死肉を漁るタイプのいくつもの鳥や昆虫。等々。

十数頭ものボクサー竜ボクサーの死体が転がるそこは、さしずめ、野生動物達の<パーティ会場>と化していた。

いつもなら、ばんの食べ残しの奪い合いが始まったりもするところが、量が十分すぎてその必要もなかったようだ。なので、一見すると和気藹々と宴を楽しんでいるようにさえ思えただろう。

実際には、容赦なくボクサー竜ボクサーの体に食らいつき血を滴らせながらガツガツと貪り食う、殺伐とした光景だったのだが。

いずれにせよ、これにより餌にありつけて、命を永らえた者達も多かったということだ。

ばん様様である。

すると、そんな動物達の宴を遠巻きに見ている影があった。真っ白な体毛に包まれ、耳が長く垂れた、<ロップイヤー>と呼ばれるウサギにも似た印象のある姿を持ちながら、それらは樹上から様子を窺っているので、その生態は明らかにサルに近いものだと分かる。

ボノボ人間パパニアンと呼ばれる種族だった。

<人間>と称されるだけあって、全身を白い毛皮に覆われ、顔もやはり白い毛皮に覆われつつも、よく見ると顔立ちや体つきは明らかにサルよりも人間に近い。

それでもパパニアンは、サルに近い生態を持っているのも事実で、人間ほどは知能も高くない。精々、五歳前後の幼児と同等程度のものと見られていた。しかし、サルとして見れば十分な知能があるとも言え、見た目の印象どおり、必ずしも強くはなく、どちらかと言えば被捕食者側の存在ではあるものの、群れを作り互いに協力することで、この密林においては決して小さくない勢力を誇っている存在でもあった。

ヒト蜘蛛アラクネタカ人間アクシーズボノボ人間パパニアン。これらを見ただけでも分かるとおり、この惑星には、人間の特徴を備えたいくつもの野生動物が生息していたのだった。

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