泡沫には消えないもの。永遠には残らないもの。

海に面したリヴィエール公国の男爵家に生まれたメルリーナは、元船乗りの祖父マクシムに教えてもらって以来、チェスに夢中だった。十歳の時、マクシムに連れられてリヴィエール公爵家の宮殿を訪れ、強引な上に乱暴だけれど、本当は優しい公爵家の跡取りであるディオンと出会う。負けたら何でもいうことをきくという賭けをして、定期的にディオンとチェスをすることになったメルリーナは、チェスの腕だけでなく、幼い恋をディオンと育むことに……。やがて、十六歳になったディオンは、未来の公爵となるべく経験と知識を得るため他国へ留学してしまう。メルリーナは、ディオンを信じ、寂しい思いをしながらも二年間、その帰りを待っていた。しかし、二年後、すっかり逞しく立派な青年となって帰国したディオンの傍らには、美しい王女様が。似合いの二人の様子を目の当たりにしたメルリーナは、二人が婚約すると知り、ディオンへの思いを諦める決意をするのだが……。完結済み・予約投稿。【※小説家になろう様サイト(R18)にも掲載しています】
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