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魔王たんこんにちは。

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  みっちり三時間鍛治の訓練を受けてしまった。

  ピンクのおっさん改めウサギさんはオレの体をベタベタ触りながらだけどイロイロ教えてくれた。
  しかもイロイロ教えた後にご飯をご馳走してくれた。
  今は食料は貴重品なのにだ。こんな時に貴重な食料を使って料理を作ってくれたのだから良い人は良い人なんだけど、、、。

  なぜピンク。

  一応預かって来たけど、このウサギさんの作った《ウサチャンソード》もオレが付与を施した事もあってかなりハイスペックな作りとなっている。しかし誰か買ってくれるんだろうか?

  前に投げナイフを買ってくれた貴族とか買ってくれるんだろうか?

  買ってはくれるかもしれないけど、、、。
  いくら?いくらになる?
  投げナイフが一本10万ガネだったから、100万ガネぐらい付いてもおかしくは無いはずだけど、でもこれピンクだぞ?

  でも、お金はこれで目処が付いた。

  何故ならこの国では付与を施した武器や防具が一般的だったからだ。
  ただ、ウサギさんから『附与はセイちゃんが施しだ方が良いわん』とは言われたけど。

  国の宝物庫にある武器や防具を食料に変えつつ畑を広げる。
  
  んで、畑はと言うとフェンリルの森を貰う事にした。
  リョウちゃんに『畑にしていい?』って聞いたら『まぁ、セイはトール様の加護も貰ってるし話せば貰えんじゃね?』と、仰向けで顎を足で掻きながら言った。
  もちろんそのままじゃダメだから木を斬り倒して整地しなきゃいけないけどね。
  でも、フェンリルの森に畑を作れば魔物に困らせられる事は無さそう。
  以外と良いかもしれない。

  んで今はというと、もちろんダンジョンだ。
  ちなみにリョウちゃんはジったんから借りてるオレの部屋で仰向けになって寝てると思われる。
  当たり前だけど、外より全然快適らしい。危険は無いし、雨風は当然関係ないし。
  『ぁあ、ゴロゴロ出来るってサイコー。堕落しそう』
  って言ってた。
  残念。お前は既に堕落している。 

  そしてオレは今、昆虫ダンジョンの地下15階。
  手に持つ剣は、大剣では無く、駄神のショートソードでも無く。
  ウサチャンソードだった。

  なんか、持ちやすいんだよね。
  振り易いし。
  めっちゃ手に馴染むし。
  誰にも見られないし良いかなって、それで剣を振るんだけど、振れば振るほど剣が手に馴染む。

  ピンクのウサチャンマークの入った剣を振るオレ、、、。
  嫌すぎる。

  でも、現れるでっかいカブトムシを次々と倒す。
  あぁ。使いやすい。

  硬い甲殻も簡単に『スパスパ』切れるし、剣に油も残らないからか切れ味も落ちないし。
  あぁ。
  なんだろ、このずっと使いたい感。
  なのにそれを拒絶するかの様なドピンク!

  そして現れるカブトムシは、かなり戦い甲斐がある。
  素早い動きと、ホバリングだ。

  素早く近付いたかと思うと急に動きを止めたり、下降してから襲い掛かって来たりする。

  腰を低くして剣を振りつつ、
  それでも避けきれない攻撃は、『纏雷!』

  『バチバチ!!』

  っとカブトムシが雷に焼かれて地面に落ちる!
  
  襲い掛かって来るカブトムシは四方八方から襲い掛かって来きて、
  そのギリギリ感がハンパない!

  『竜化闘気』は使って無いからそう言う意味じゃ余裕はあるんだけど!

  『バチ!バチ!』

  纒雷を使うと三匹のカブトムシが地面に転がる。
  ヤバイな、纒雷を使うシーンが増えてきたな。

  それでも何とか現れるカブトムシ全部に止めを刺すと更に先に進んだ。
  さっさとレベルを上げないとな。

  午前中に調子こいてエンチャントにスキルポイントをわりふって使っちゃったし。

  そして歩いてると大きな部屋に出る。
  そこには一際大きなカブトムシがいて、

  カブトムシなのにキモいな。

  カブトムシの頭の部分がまんま人間の顔になっている。

  1,5メートル程の人面を持つカブトムシが、大きく黒い翼を広げて空中に浮遊している。
  そしてその回りにはさっきのカブトムシが『ブンブン』と羽音を立てて飛んでいる。

  『憤怒を糧に爆ぜろはぜろ!ファイヤーボム!』

  『『ドゴン!』』

  爆風が巻き起こる!
  が!

  爆炎の中からカブトムシと人面カブトムシが飛び出てくる!
  火魔法に耐性でもあるのか?!
  クソ!先に試しとけば良かった!

  ウサチャンソードを左手に持ち変えて、右手は宙に振り上げる!
  そこから右手でアイテムボックスから大剣を取り出しながら!

  一閃!

  人面カブトムシを両断するかと思いきや、
  人面カブトムシは急停止!

  大剣はその人面を浅く切っただけだった。

  顔を斜めに斬られ赤く血を足らしながら、人面カブトムシは『ニヤッ』っと笑う。

  知力があるのか?
  オモレェ。

  『ブン!』

  と音を立てて一斉にオレ目掛けて、人面じゃ無いカブトムシが一斉に飛んで来る!
  オレは人面カブトムシの下を潜りながら大剣を振るけど、

  『ブォン!』

  っと人面カブトムシは あっさりそれを避ける!
  大剣を振って体勢を崩したオレの方へ人面カブトムシが向きを変えて、

  『ガパァ』

  っと口を耳の下まで大きく裂けさせながら開けた。
  他のカブトムシもオレを目掛けて一斉に飛び掛かる!

  此処で!

  『『バチ!バチ!!』』

  纒雷を纏い、雷を食らって硬直する人面カブトムシの顔面目掛けて一閃!

  『ザシュ!』

  一刀両断にした!
  醜いその顔から真っ二つにされたカブトムシは、羽を広げたままゴロリと地面に転がる。

  でももちろんこれで終わりな訳じゃ無い。
  剣をウサチャンソードに持ち変えて再び剣を振る。

  でも、ボスを倒したし残りのカブトムシに驚異は無い。
  淡々と剣を振りながら、最後に面倒になったので、『竜化闘気』を纏って周りに闘気を、『ドン!』っと放って終了。

  「ふぅ」

  と一息付いた。
  竜化闘気を使えばさっさと終わるんだけど、それをしてると強くはなれないからね。
  経験を積むためにここは頑張りたい所だ。  

  一息つきながらドロップアイテムを回収してると、魔石やカブトムシの甲殻と一際大きな甲殻と魔石とは別に黒い石を発見した。
  これは大金になりそうな予感、それにウサギさんに持ってけば何かに加工してくれるかも(色はピンク色になるだろうが)。

  そして、なによりステータスを確認すると、


レベル  61
  HP360/360 (40) MP65/145(20)

  力  140(20)
  敏捷128(20)
  魔力138(20)
  体力141(20)
  (装備補正考慮無し)

  剣術レベル5
  大剣術レベル3
  投擲レベル3
  気配感知レベル2
  鑑定レベル3
  回復魔法レベル1
  火魔法レベル2,3
  土魔法レベル1,2,3
  風魔法レベル1,2,
  水魔法レベル1,2
  闇魔法レベル1,2
  空間魔法レベル2
  時間魔法レベル2
  状態異常耐性レベル3
  呪い耐性レベル1
  取得経験値上昇レベル3
  必要経験値減少レベル3
  MP回復速度上昇レベル3
  竜化闘気レベル2
  エンチャントレベル3

  残りスキルポイント26
  スキルリセット0/1

  トールの加護(小)

  結構いい感じで上がってるんじゃなかろうか。
  でも予定のスキルポイントまで全然足りない。ガツガツ行かないとな。

  ドロップアイテムを一通り回収すると、今いる部屋の奥に下へと続く階段を見つける。

  再び大剣をアイテムボックスにしまってウサチャンソード片手に階段を下る。

  階段を降りると、今度の通路はかなり広い様だ。
  大型のトラックが余裕で通れるだけの道幅がある。ミノタウルスみたいなのが出てくるのかな?

  ちょっとドキドキしながら道を進むと、現れたのは特大のダンゴムシだった。それも軽トラックぐらいの大きさがある。

  これはさすがにウサチャンソードじゃあダメかな?
  ウサチャンソードをしまって、大剣をアイテムボックスから取り出す。

  でっかいダンゴムシを鑑定すると、
 
  《ドグマ=ダグナ:レベル72》

  きたきた、こいつらをガツガツやればレベルを上げられる!

  大剣を構えてジリジリ進む、
  ダンゴムシは体を丸めて、こっちに向かって転がるかと思いきや!

  『ジャ!』

  何本もの触手が口の辺りから飛び出す!
  触手プレイとか興味無いんですけど!

  触手を紙一重で避けながら、

  本体のダンゴムシ部分は近寄って来ない、
  こいつ遠距離タイプか?

  『焼き尽くせ!ファイヤーボール!』

  ダンゴムシは飛び出た火球を避ける素振りも見せずに、

  『ドン!』

  と着弾!
  ダンゴムシは全身を火に包まれるが、触手はそれを無視して動き続けてる!

  こいつも火に強いのかよ!

  『全てを置き去りにせよ!ヘイスト!』

  初めて使う魔法だ!
  時間魔法のレベル2で自分の時間を早く進める事が出来る。

  つまり、

  触手の動きがゆっくりになる。
  触手が遅くなるのでは無く、オレが早くなっているんだけどね。

  大剣を振り回して触手を絶ち切りながらダンゴムシに近づく!
  ダンゴムシは後退りしてるけど、

  遅せぇ!

  大剣を大きく振りかぶり、
  大剣の重さを生かして振り下ろす!

  『ザッ!!』

  ダンゴムシの甲殻を切るが!

  硬てぇ!
  それに触手はまだ動いてる!

  地面を触って!

  『グレイブ!』

  地面から土の槍がせり上がりダンゴムシの腹を穿つ!

  『ピギャ!』

  ダンゴムシは引っくり返って触手も動かなくなる。
  でも、引っくり返って見えた、その腹は、

  キモ。

  また人面だ。
  ダンゴムシの甲殻の下側はお爺ちゃんの顔だった。
  シワくちゃの顔から血をダラダラ流して流している。

  どんだけ、人面を押すんだよ。

  それでもその死体が消えると大きめの魔石が手に入り、レベルも70まで上がっていた。

  良いね。
  でもMPが心もとなくなってきたから回復を待ちながらゆっくり行きますか。
  
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