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(23) 伯爵家の晩餐会
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話を聞いたパトリシアが、急遽(きゅうきょ)、一緒に参加する事に。心強い味方だ。
娘達がスペンサー伯爵の城に到着すると、出迎えた伯爵が感嘆(かんたん)の声を上げる。
「これは、お嬢様方。とても、素敵だ。皆さん、美しいー!」
娘達は、誇らしげに胸を反らす。今夜のドレスは、ゴメス商会の魔法通販カタログに注文した品なのだ。都の高級店にも負けない仕上がりだ。ガブリエルとエリザベスは貴族の出身だけに気品を持ち合わせていた。
客と会話していたジェラルド王子も、娘達の姿に息を飲む。直ぐに近づくと声をかけてきた。
「こんばんは、皆さん。お美しい姿に見惚れてしまいます。この地に咲き誇る薔薇の花と言えましょう!」
そう言われて喜ばない者は居ない。他の招待
客達にも称賛(しょうさん)の目を向けられて、娘達の心は浮き立った。
それが、吹き消される嫌な夜になるとは考えもしなかったのだ。
「ガブリエル・ゴーさん、お話があります。」
そう言ってジェラルド王子が、ガブリエルを誘い出した。ガブリエルは、リーフの事だと思ったのだ。買い付けに来た事を知っていたので。
誰も居ない部屋の中へ突き飛ばされて、彼女は驚く。
「何をするんですか!」
怒って入って来たジェラルド王子に抗議する。だが、男はドアを閉めて自信たっぷりに言うのだ。
「あなた、私が好きですよね。あなたの視線が、教えてくれてます。女性は、私を好きになる。お相手しても、いいんですよ。」
部屋から逃げようとするガブリエルは、腕を捕まれた。我が物顔に手のひらに乾いた唇が付けられる。
その途端、ガブリエルの身体に走る悪寒。寒い寒い、どうなってるの。この男は、バカ?
「私は、あなたが嫌いなの。分かりません?」
「女性の嫌いは、好きという事を私は知っています。」
怒りが頂点に達したガブリエルは、叫んだ。
「もう、嫌ー。私は、大嫌いなの。家同士で決めた付き合いは終わったのよ。2度と顔も見せないで!」
ジェラルド王子は意味が分からずに困惑する。それは、恋人だった相手に言うような事ではないか。2人は赤の他人なのに。
目の前の娘が、婚約していた令嬢とは知らない。当惑している様子の王子。ガブリエルは、魔法の呪文を唱えた。
「クソオヤジーー!」
ジェラルド王子は動きを止めると歩き出す。壁や家具にガタゴトと当たりに行く事を繰り返して部屋を出て行った。
コンコンーー。
開いたドアをノックするのは、エドワード。後ろには、パトリシアもいる。
「助けに来たけど、必要無かったみたいだね。ガブリエルちゃん?」
「そうみたい。気持ちだけで結構よ!」
ガブリエルはプンプンしながら、皆の居る場所へ戻って行く。エドワードは、ため息をついて壁に寄りかかるパトリシアと顔を見合せる。
心配で見に来たが、何事も無くて良かった。
娘達がスペンサー伯爵の城に到着すると、出迎えた伯爵が感嘆(かんたん)の声を上げる。
「これは、お嬢様方。とても、素敵だ。皆さん、美しいー!」
娘達は、誇らしげに胸を反らす。今夜のドレスは、ゴメス商会の魔法通販カタログに注文した品なのだ。都の高級店にも負けない仕上がりだ。ガブリエルとエリザベスは貴族の出身だけに気品を持ち合わせていた。
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「こんばんは、皆さん。お美しい姿に見惚れてしまいます。この地に咲き誇る薔薇の花と言えましょう!」
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それが、吹き消される嫌な夜になるとは考えもしなかったのだ。
「ガブリエル・ゴーさん、お話があります。」
そう言ってジェラルド王子が、ガブリエルを誘い出した。ガブリエルは、リーフの事だと思ったのだ。買い付けに来た事を知っていたので。
誰も居ない部屋の中へ突き飛ばされて、彼女は驚く。
「何をするんですか!」
怒って入って来たジェラルド王子に抗議する。だが、男はドアを閉めて自信たっぷりに言うのだ。
「あなた、私が好きですよね。あなたの視線が、教えてくれてます。女性は、私を好きになる。お相手しても、いいんですよ。」
部屋から逃げようとするガブリエルは、腕を捕まれた。我が物顔に手のひらに乾いた唇が付けられる。
その途端、ガブリエルの身体に走る悪寒。寒い寒い、どうなってるの。この男は、バカ?
「私は、あなたが嫌いなの。分かりません?」
「女性の嫌いは、好きという事を私は知っています。」
怒りが頂点に達したガブリエルは、叫んだ。
「もう、嫌ー。私は、大嫌いなの。家同士で決めた付き合いは終わったのよ。2度と顔も見せないで!」
ジェラルド王子は意味が分からずに困惑する。それは、恋人だった相手に言うような事ではないか。2人は赤の他人なのに。
目の前の娘が、婚約していた令嬢とは知らない。当惑している様子の王子。ガブリエルは、魔法の呪文を唱えた。
「クソオヤジーー!」
ジェラルド王子は動きを止めると歩き出す。壁や家具にガタゴトと当たりに行く事を繰り返して部屋を出て行った。
コンコンーー。
開いたドアをノックするのは、エドワード。後ろには、パトリシアもいる。
「助けに来たけど、必要無かったみたいだね。ガブリエルちゃん?」
「そうみたい。気持ちだけで結構よ!」
ガブリエルはプンプンしながら、皆の居る場所へ戻って行く。エドワードは、ため息をついて壁に寄りかかるパトリシアと顔を見合せる。
心配で見に来たが、何事も無くて良かった。
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