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(19) 後始末①

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エドワードは、エレンの家に帰宅してからも心配している。


「伯爵は、ギルドの責任者だよ。「茹で玉子」は、ギルドに出入り禁止になるかも。ギルドの無い生活なんて嫌だー!」


ダンジョン大好き男子にとっては、ギルドから弾き出される事は死ねと言われたのも同然。半泣きだ。エリザベスが、なだめる。


「何なの?いいじゃない。都のダンジョンへ戻れば。どっちにしても、辺境伯爵とは合わないもの。ツンケン貴族は好きじゃないわ。」


横で、ガブリエルが沈んでいた。


「やり過ぎた・・かしら。どうしましょう!」


頭に血が登って、やってしまったけど。よく考えると、不利だ。この土地は辺境伯爵の領土なのに置き去りにしたのだから。後悔しても、すでに遅し。










葡萄園で作業をしているガブリエルが、やって来たパトリシアに立ち上がって笑顔を向ける。


「いらっしゃい、パトリシアさん。葡萄を見てもらえますか。元気になったでしょう。妖精さん達が助けてくれるから。」

 
その通りに、葡萄畑には妖精が沢山いた。葡萄も枯れていたのが生き返って来ているようだ。


「新しい呪文を教えて下さいませんか。もっと、効果のでるのを。」


本当に葡萄畑を元に戻したいと思っているガブリエル。働く姿は、生き生きとしていた。


「パトリシアさん、お詫びしないといけない事が。パトリシアさん?」


自分の思いに浸ってしまったパトリシアは、ガブリエルの呼ぶ声に我に返る。



「すみません。残して来た仕事の事が気になって。何でしょう?」

「あの、スペンサー伯爵に失礼な事をしめしまいました。チーム「茹で玉子」がギルドに出入り禁止になったら、私の責任です。」

「ああ、その事。大丈夫、気にしなくて良いです。」

「え、気にしないって。この土地の領主ですよ!」



この土地の領主だろうと、私には逆らえません。商人ゴメスに、あの伯爵は文句を言えない。

もしもの時の為に、弱味を握ってます。ちゃんと!


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