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(58) 憎まれてますけど
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しまった、隙を作ってしまいました。こいつに。
「マルちゃーん、お願い?」
マルグリートは、ポーチでエドワードを押し退けた。そして、怒りを抑えた低い声で囁く。オーラは、『このアホ!』とギラギラさせながら。
「私、キスしていいとか言って、ま、せ、ん、けっど!」
「僕と君の仲じゃないか。挨拶がわりだよ。」
「私の国では、挨拶にキスなんかしないわ。他の方にしてあげて。」
「気の強い女の子って好きなんだ、知ってた?」
「ふんっー!(だから何?)」
目でXせるならXしたい。この「たらし男」は、どうして私の側から居なくならないのよ。マルグリートは視線を感じて首を回す。
(嫌だわ、目が合ってしまったじゃないの!)
ステージの上の芸人とガチンコで視線が重なってしまう。そんなつもりは無かったのに。エドワードのせいで思いっきり睨み付けてしまったわ。誤解されるわね、どうしましょう。
(療養所の患者さんのお兄様。ベネディット・バデロッサ公爵は、私を嫌ってるから。)
それで、鋭い目線をくれたのかも。療養所から追い払うくらいだから。でも、厚化粧ねえ。男娼みたいだわ。客商売も大変だこと。
知っている顔を見つけて、ベネディット・バデロッサ公爵は少し動揺してしまっていた。何しろ、店の客が目の前でキスしていたのだから。ポーチで拒絶されていたが、見事な防御だった。男だったら、良い兵士になるだろう。
(あの令嬢の眼差しの強さ。さぞかし、気性も荒いに違いない。婚約など無理だろう。)
その通りです、婚約破棄されました。でも、田舎貴族と結婚しています。今のところ、続いております。離縁が前提ですけど。
だが、今日の売り上げは少ないだろう。人気者の美男子が令嬢に迫った事で客達がザワツイテいる。傍迷惑なカップルだ。他所でやれ、イチャツクなら!
ザワザワザワザワーー。
「まあ、まあ、エドワード様が!」
「私、倒れそうですの。どうして、私で無いの。キスする相手が!」
こんな騒ぎでは、お買い物どころでは有りません。恥ずかしい、エドワードの馬鹿っ!
「マルちゃーん、お願い?」
マルグリートは、ポーチでエドワードを押し退けた。そして、怒りを抑えた低い声で囁く。オーラは、『このアホ!』とギラギラさせながら。
「私、キスしていいとか言って、ま、せ、ん、けっど!」
「僕と君の仲じゃないか。挨拶がわりだよ。」
「私の国では、挨拶にキスなんかしないわ。他の方にしてあげて。」
「気の強い女の子って好きなんだ、知ってた?」
「ふんっー!(だから何?)」
目でXせるならXしたい。この「たらし男」は、どうして私の側から居なくならないのよ。マルグリートは視線を感じて首を回す。
(嫌だわ、目が合ってしまったじゃないの!)
ステージの上の芸人とガチンコで視線が重なってしまう。そんなつもりは無かったのに。エドワードのせいで思いっきり睨み付けてしまったわ。誤解されるわね、どうしましょう。
(療養所の患者さんのお兄様。ベネディット・バデロッサ公爵は、私を嫌ってるから。)
それで、鋭い目線をくれたのかも。療養所から追い払うくらいだから。でも、厚化粧ねえ。男娼みたいだわ。客商売も大変だこと。
知っている顔を見つけて、ベネディット・バデロッサ公爵は少し動揺してしまっていた。何しろ、店の客が目の前でキスしていたのだから。ポーチで拒絶されていたが、見事な防御だった。男だったら、良い兵士になるだろう。
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ザワザワザワザワーー。
「まあ、まあ、エドワード様が!」
「私、倒れそうですの。どうして、私で無いの。キスする相手が!」
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