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(52) ハーパーの望み
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ジュリアン・ハーパーは、自分の夢が叶う時が近いと嬉しくなる。つい、表情に出てしまったようだ。
ヘルミーナ令嬢は、気がついたらしい。
「今日の店長は、何時もと違いましてよ。何かありましたの?」
「ヘルミーナ様も、笑顔が多いですね。いい事が?」
2人は、笑い会う。イトウ子爵家の領地で増築する療養所の打ち合わせに来ていたのに、互いのニュースを話していた。とっても、嬉しかったのだ。
「聞いて下さい。私、天使を見ましたの。何十人と現れてドモン国を救って下さいました。奇跡ですわ!」
ドモン国の危機に天から天使軍団が降臨して敵を追い払ったと言うのだ。実は、ゴメスの摩り替えた記憶なのだが信じきっている。
「まるで、夢のような光景でしたわ。信じられないような壮厳な光景で。美しい天使様たちが降りて来られて天国のように。」
ゴメスは力を入れて壮大な夢景色を観せたらしい。それは、ドモン国の新しい伝説となるのだった。
「そうだったんですか。謀反者の宰相は、どうなりました?」
「逃亡して、探している処ですのよ。それで、店長のお話は?」
「実は、私の夢が叶いそうなのです。ゴメス会長が貴族を集めて手を貸していると聞いて、私も夢の為に雇って頂きましたから。」
「店長の夢は、何ですか?」
ハーパー店長は、思った。彼女になら夢を話してもいいと。信頼できる人物なのだ。
「私の夢は、没落した家の再興する事です!
ジュリアン・ハーパー。元は、ある國の大臣の令息であった。父の跡を継ぐはずが父が権力争いに破れ国を追われてしまったのだ。
「貴方なら、出来ると思いますわ!」
嘘では無く本気の言葉にハーパー店長は胸が熱くなる。同じ令嬢でも、マルグリートは信頼に欠ける。計算高く見えてならない。でも、ヘルミーナは違った。
理由はと問われても、そう思うからだ。
家が没落した時に結婚を予定していた婚約者は顔さえ見せずに去った。傷ついて女を信用するものかと決めていたのに、ヘルミーナには心を許している。
「神のお力で国が救われた、良かったですね。お困りの事がありましたら、何時でも声をお掛けください。直ぐに参りますので。」
それは、正直な気持ちで口に出した。ヘルミーナは嬉しそうに礼を言う。多分、仕事相手への儀礼的な言葉だと取ったのだろうが。
本気です。貴女の為なら、危険の中へも飛で込んで行きますから!
ヘルミーナ令嬢は、気がついたらしい。
「今日の店長は、何時もと違いましてよ。何かありましたの?」
「ヘルミーナ様も、笑顔が多いですね。いい事が?」
2人は、笑い会う。イトウ子爵家の領地で増築する療養所の打ち合わせに来ていたのに、互いのニュースを話していた。とっても、嬉しかったのだ。
「聞いて下さい。私、天使を見ましたの。何十人と現れてドモン国を救って下さいました。奇跡ですわ!」
ドモン国の危機に天から天使軍団が降臨して敵を追い払ったと言うのだ。実は、ゴメスの摩り替えた記憶なのだが信じきっている。
「まるで、夢のような光景でしたわ。信じられないような壮厳な光景で。美しい天使様たちが降りて来られて天国のように。」
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「逃亡して、探している処ですのよ。それで、店長のお話は?」
「実は、私の夢が叶いそうなのです。ゴメス会長が貴族を集めて手を貸していると聞いて、私も夢の為に雇って頂きましたから。」
「店長の夢は、何ですか?」
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それは、正直な気持ちで口に出した。ヘルミーナは嬉しそうに礼を言う。多分、仕事相手への儀礼的な言葉だと取ったのだろうが。
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