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(29) 過去のお話②
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念のためにドモン国の第2王女を鑑定してみたが凡人に変わり無かった。悪魔がやったのだから確実だ。可哀想だ(同情したオジサン)。ならば、手を加えてあげましよう。
「ヘルミーナお嬢様、これ食べて下さい。苦くても我慢して。オジサンのお願いー。」
「お薬、ヘルミーナは嫌。」
「これを口にしないと、お嬢様は強くなれないんですよ。素敵な王子様と結婚したくないのかな?」
「うっ、ヘルミーナは食べるもん!」
苦味のあるクッキーをヘルミーナは苦い顔して食べた。すると、何か変なのだ。
「ヘルミーナ、頭が良くなった気がしゅるー。」
そうです、身体の活性化をする秘薬が入れられていたのだ。無駄に才能は与えても使い道が無い。まずは、魔力を受け入れる身体にしないと。
そうして、悪魔に餌付けされて体質改善をさせられた王女は身体が変化した後に特別なスキルを付与されたのだった。
「鑑定スキル最上級レベル。地獄の天才から剥ぎ取りましたよう。これは、何百年に1人あるか無いかの才能です!」
そのままだと、地獄で腐るだけなので。もったいないから、使い回ししましょう。これも、エコです。
それでは、テストしてみましょうか。市場で買った林檎と城で王家の食卓に出される林檎を並べて見せた。
「さあ、ヘルミーナお嬢様。この林檎の違いが分かりますか?」
「食べたら、分かるもーん。」
「駄目、駄目ですよ。食べないで見るんです。」
「食べなかったら、分かんないもーん。うんと、うんと。チチンプイしてみた。あれ?」
「はい、あれ?何でしょう?」
「ドモン国の北部で収穫された林檎は市販価格が1盛りでお安いの。王家御用達の果樹園で収穫された林檎は1個が高価なのーー!」
悪魔はニンマリ。成功です、鑑定眼が作動し始めました。
「でも、誰にも教えないようにしましょうね。急にスキルが発生する事は、有り得ない事ですから。トラブルの素ですよ。」
と、言い含められたヘルミーナ王女。念のため、口止め魔法もセッティング。無スキルと思われたまま育ったのでした。
ドモン王家の中で余り者となった王女は早々に持参金を多く付ける約束で伯爵の令息との婚約が決められた。その婚約者が何年か後には婚約破棄するのだが。
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「お薬、ヘルミーナは嫌。」
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「うっ、ヘルミーナは食べるもん!」
苦味のあるクッキーをヘルミーナは苦い顔して食べた。すると、何か変なのだ。
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そうです、身体の活性化をする秘薬が入れられていたのだ。無駄に才能は与えても使い道が無い。まずは、魔力を受け入れる身体にしないと。
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それでは、テストしてみましょうか。市場で買った林檎と城で王家の食卓に出される林檎を並べて見せた。
「さあ、ヘルミーナお嬢様。この林檎の違いが分かりますか?」
「食べたら、分かるもーん。」
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