23 / 76
(22) 用意しなさい
しおりを挟む
こういう時には、あの人でしょう。呼ばれて飛び出すジャジャジャーン!
「女性の見方、アグアニエベ参上ーー。チャラランラン♪(時代劇のテーマ)」
何時にも増して芝居がかった登場の悪魔。今日は、何なのかしら。
「あなた、何のお芝居を見て来たの?」
「あ、分かります?そうなんですよ、旅芝居をやってましてね。召喚者たちが時代劇を。」
「あ、そう。」
「それが、懐かしい「◯◯捕物帖」で。嬉しくってー。」
「あ、そう。」
「てーへんですぜ、親分なんて。」
「あのね、私に恋人を買ってきてよ。」
驚いた顔の悪魔のアグアニエベ。じーと、見つめる。マルグリートの顔を。
「何、見てんのよー!」
「いえ、発情されてのかなと。」
「発情って、どういう意味?動物と一緒にしないで。怒るわよ!」
「もう、怒ってますけど。どうされました、異性に興味なんか無かった貴女が。アホ婚約者で苦労して男なんかという貴女が!」
何という言いよう。悪魔を家から叩き出したくなったが、マルグリートはこらえる。だって、真実だから。
あんな王子と婚約させられてから妃教育で遊ぶ暇は無かった。青春を返せー!
「実は、私。恋をしてみようと思ってるの。」
ヘルミーナに負けたくないからなんて、絶体に言わない。
「恋を?素晴らしいーー!パチパチ!」
アグアニエベは拍手した。次には泣いている。何故、泣くのよ?
「嬉しいですよ。王宮で厳しい教育を受けて来られたせいか、ギスギスしていて。その若さで威圧感は有るし。結婚なんか出来ないんじゃないかと心配してました。良かった!」
何て言いよう。それじゃ、まるで、勝手に決め込んでるけど、私は行き遅れの令嬢みたいじゃないの!
私が声を掛けたら男の人が山のように寄って来るわよ。まだ、やった事ないから分からないけど。
「女性の見方、アグアニエベ参上ーー。チャラランラン♪(時代劇のテーマ)」
何時にも増して芝居がかった登場の悪魔。今日は、何なのかしら。
「あなた、何のお芝居を見て来たの?」
「あ、分かります?そうなんですよ、旅芝居をやってましてね。召喚者たちが時代劇を。」
「あ、そう。」
「それが、懐かしい「◯◯捕物帖」で。嬉しくってー。」
「あ、そう。」
「てーへんですぜ、親分なんて。」
「あのね、私に恋人を買ってきてよ。」
驚いた顔の悪魔のアグアニエベ。じーと、見つめる。マルグリートの顔を。
「何、見てんのよー!」
「いえ、発情されてのかなと。」
「発情って、どういう意味?動物と一緒にしないで。怒るわよ!」
「もう、怒ってますけど。どうされました、異性に興味なんか無かった貴女が。アホ婚約者で苦労して男なんかという貴女が!」
何という言いよう。悪魔を家から叩き出したくなったが、マルグリートはこらえる。だって、真実だから。
あんな王子と婚約させられてから妃教育で遊ぶ暇は無かった。青春を返せー!
「実は、私。恋をしてみようと思ってるの。」
ヘルミーナに負けたくないからなんて、絶体に言わない。
「恋を?素晴らしいーー!パチパチ!」
アグアニエベは拍手した。次には泣いている。何故、泣くのよ?
「嬉しいですよ。王宮で厳しい教育を受けて来られたせいか、ギスギスしていて。その若さで威圧感は有るし。結婚なんか出来ないんじゃないかと心配してました。良かった!」
何て言いよう。それじゃ、まるで、勝手に決め込んでるけど、私は行き遅れの令嬢みたいじゃないの!
私が声を掛けたら男の人が山のように寄って来るわよ。まだ、やった事ないから分からないけど。
0
お気に入りに追加
232
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
妹の事が好きだと冗談を言った王太子殿下。妹は王太子殿下が欲しいと言っていたし、本当に冗談なの?
田太 優
恋愛
婚約者である王太子殿下から妹のことが好きだったと言われ、婚約破棄を告げられた。
受け入れた私に焦ったのか、王太子殿下は冗談だと言った。
妹は昔から王太子殿下の婚約者になりたいと望んでいた。
今でもまだその気持ちがあるようだし、王太子殿下の言葉を信じていいのだろうか。
…そもそも冗談でも言って良いことと悪いことがある。
だから私は婚約破棄を受け入れた。
それなのに必死になる王太子殿下。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
【完結】君の世界に僕はいない…
春野オカリナ
恋愛
アウトゥーラは、「永遠の楽園」と呼ばれる修道院で、ある薬を飲んだ。
それを飲むと心の苦しみから解き放たれると言われる秘薬──。
薬の名は……。
『忘却の滴』
一週間後、目覚めたアウトゥーラにはある変化が現れた。
それは、自分を苦しめた人物の存在を全て消し去っていたのだ。
父親、継母、異母妹そして婚約者の存在さえも……。
彼女の目には彼らが映らない。声も聞こえない。存在さえもきれいさっぱりと忘れられていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる