(完)仕方ないので後は契約結婚する

川なみな

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(12) 彼女の婚約事情

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とんでも無い計画もあったもんだ。いい大人達が何をやってるのか。確かに王子がアホ過ぎて心配になるのは分かるけど。

マルグリートは極秘に自分で調査してみた。そして、リストアップされていた種族から後宮に入る娘達の嫁入りが進んでいる事を確認したのだ。


「ねえ、マルちゃん。目の下に隈が出来てるよ。女の子だから気をつけないと。話って、何?ミレーユちゃんとお茶の約束してるんだよ、僕。」

「ちょっと、ご相談が(他の女を優先するのね)」

「早くして、早く。」

「楽しい遊びを思いついたんですけど。忙しいみたいだから、またね。」

「え、え、えー、教えてよ!」


ピーター王子に指導しました。「婚約破棄」のやり方を。皆の前でやって驚かせた後に復縁するというゲーム。王子は大乗り気。


そして、それは実行されたのだー。



学食の真ん中で宣言する。途端に皆の動きが止まった。何をするのかと興味津々で見ている。さあ、お膳立ては出来た。後は、やるだけだ。さあ、主役は僕だぞー。


「王位継承者の王子として、宣言する。僕、ピーター王子はマルグリート・ホスター侯爵令嬢との婚約を破棄するものなり!」


誰もが、驚く。当然だ、噂の悪役令嬢を切り捨てるのだから。後は「ドッキリ」だとバラスだけだったのだが。

それなのに、婚約破棄された婚約者は電光石火で知らない土地へ輿入れしたのだった。当の王子も驚く結果となる。







酔いの覚めたヘルミーナ・アンガス伯爵令嬢。空間移動して自宅へ戻る。自分の部屋のリビングで吐息をついた。


「でも、大胆よね。あのマルグリート様って。」


いくら結婚したくないといっても、婚約破棄の芝居を打つとはリスクが高過ぎて。自分では出来ないと諦める。

侍女のマルコが届けられていた手紙を持ってきた。付き添った彼女はイトウ子爵家で腹一杯に飲んだというのにケロリとしている。酒豪だ。


「どうして、そんなにお酒に強いのかしら?」

「そういう家系ですから。ライアン様から晩餐会のお誘いですわ。どうされます?」

「出ないといけないわね。主宰が王家ですもの。」

「毒でも盛られそう、気をつけて下さい。」


侍女の言葉にヘルミーナは顔をしかめた。婚約者の家族はヘルミーナをお荷物に思っていた。皆、排除したいと思っているだろう。

第3王子に降って湧いた婚約者は、資産家で王家よりも懐が潤っている。慈善事業も熱心で国民から慕われていた。次の王位を狙うとなれば目の上のタンコブだ。


(嫌だわ、嫌味タラタラ言われるのね。何時もの事だけど。)


長子では無く第3王子という微妙な位置の婚約者。おまけに、生母は妾妃。王妃や兄弟からも疎まれていた。その結婚相手となると将来が無いに等しい。
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