256 / 258
261 武田vs村上
しおりを挟む1552年8月
時は少し遡り、信長達が頑張っている頃である。丁度、武田軍が南信を抑えに行った1448年の侵攻から4年後の今、第二次領地拡大戦争が起きようとしていた。
「皆の者、良くぞ集まってくれた。4年前に南信や中信を抑えた事で我らが武田もだいぶ良くなってきた。そして、今こそ我らの力を結集して信濃を抑える時が来たのだ!北信を抑えることさえできれば甲斐、信濃の2国を抑える大大名となる!良く励んでくれ!」
「「「ははっ!」」」
史実で起こったはずの上田原の戦いは起きずに木曽福島侵攻が先に起きた。その分が今、回ってきたのであった。
秋山、穴山、馬場、飯富、山縣など歴戦の猛者や家臣達と戦略について再確認する。
「では、まず木曽福島側からは飯富殿を大将として、山県殿、馬場殿を副将とし3000の兵を持って林城へ侵攻します。松尾城、高遠城の兵3000を持って穴山殿は上原城へ、御屋形様は本拠地と上原城の兵4500を率いて武居へと穴山殿と共に禰津へと向かい村上に対して二正面の選択をさせます。また、北条に援軍を求め、小諸城へと攻め入って貰います。その際、穴山殿に小諸城を挟撃して貰うのが第一段階です。同時に御屋形様には砥石城、馬場殿、穴山殿に林城をせめて貰います。小諸城を落とした後は抑えの兵として負傷兵と将を一人置いた後御屋形様に合流して貰い砥石城に攻めかかって貰います。最後に林城側から更級に攻め入って貰い葛尾城を挟撃し北信制圧を終えます。何かご質問のある方はいらっしゃいますか?」
最終確認のため誰も疑問を呈さない。
「また、北条殿には可能な限りついてきて貰い、できますれば戦線にも投入したいと思います。そこは、御屋形様の手腕にお願いいたしまする。また、同盟を結んでから定期的に安く購入した北条からの米のおかげで我々の兵糧に不安はございませぬので今までのように焦りながら攻める必要はございませぬ。皆々様の思うように攻めてくだされ。」
あちこちから、ほぅと声が上がる。
武田の強さは餓えから逃れる為に生まれるものだと信玄は考えている。それが今までよりも無い分どの様な戦模様になるかは読むのが難しくなっていた。生き残るための決死の覚悟がない兵達は今までの様に精強な兵でいてくれるのであろうかと、その一方で北条からの米や農法が流れてきた事による人口の減少に歯止めがかかり史実よりも増えた兵の数によって武田軍が簡単に万の兵を動かせる事における期待もあった。その心配を他所に国人達は顔に笑みや安堵を浮かべて浮かれていた。
「うむ。此度は領地に残す領民達にも十分な米が行き渡っているため領地に帰ってきても不満が溜まることはないであろう。その分、負けは許されない。ワシの策に従えば勝利は確実じゃ。今までのように決死の覚悟で挑んでくれ。」
「ははっ!」
0
お気に入りに追加
194
あなたにおすすめの小説
夕映え~武田勝頼の妻~
橘 ゆず
歴史・時代
天正十年(1582年)。
甲斐の国、天目山。
織田・徳川連合軍による甲州征伐によって新府を追われた武田勝頼は、起死回生をはかってわずかな家臣とともに岩殿城を目指していた。
そのかたわらには、五年前に相模の北条家から嫁いできた継室、十九歳の佐奈姫の姿があった。
武田勝頼公と、18歳年下の正室、北条夫人の最期の数日を描いたお話です。
コバルトの短編小説大賞「もう一歩」の作品です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます
竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論
東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで…
※超注意書き※
1.政治的な主張をする目的は一切ありません
2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります
3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です
4.そこら中に無茶苦茶が含まれています
5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません
6.カクヨムとマルチ投稿
以上をご理解の上でお読みください
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?
俣彦
ファンタジー
旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になった私。
武田家の当主として歴史を覆すべく、父信玄時代の同僚と共に生き残りを図る物語。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる