北条氏政転生 関八州どころか東日本は全部俺の物 西は信長に任せて俺は歴史知識を利用して天下統一を手助けします。

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1552年 4月 信秀葬儀後

清州城 場内の一室 ??? 

 「本日はお集まり頂きありがとうございまする。」

 夜の帳が下りた頃ある一室に織田信友と実権を握る坂井大膳がいた。他にも彼らに呼ばれたものたちも蝋燭の火に照らされていた。影が落ち、顔までは見えない程の一室では互いに牽制し合うように目線をやり合っていた。

 「なんの、大和守殿からお声がけを頂いたのです。出ない事にはいかないでしょう。」

 そう答えたのは織田信安を後見する織田信清であった。犬山城城主の織田信清は信秀が死んだことをきっかけに後見をしていた伊勢守家当主の信安を見限り、独立の道を歩もうとしていた。しかし、今回の成り行き次第ではまだ伊勢守家に擦り寄るべきかと腹の中で考えながら出席していたのであった。

 「そう言ってもらえると嬉しいでござるな。さて、本題にさっそく入らせて頂きたいのだが弾正忠家のおおうつけについてである。奴に熱田などの重要な地を任せておくのはちと不安が残るのだ。ここは次代が育つまで我々の手で守っておく必要があるとは思わぬかのう?」

 坂井がまるで対等かのように話を進めるのに信清は眉を顰めつつもここは静観していた。

 「そう、例えば、信清殿におおうつけの弟を後見して頂き我々はその補佐をするのとかはどうですかな?」

 坂井はいやらしい笑みを口元に浮かべながら主君の方に目をやる。信友は自分に不利な事にはならないだろうと思い坂井の言う通りに従っていた。

 「ふむ、ワシとしては特に反対することはないが、尾張の虎殿は後継者をそのおおうつけに指名して死んでいったと伝え聞いておるが如何するのじゃ?」

 「やはり、おおうつけでは何かと不満が残り不安に思っているものたちも多いでしょう。そこにもう1人継承権を持つ真面目な皆に受け入れられやすい男が居るのです。家内の勢力を操るのもそう難しくはございませぬかと。」

 坂井の言うことには現実味があり信清からしても不可能には思えなかった。なにより、これで弟の方を自分が後見することになれば熱田や那古屋などは労せず自分の勢力圏に組み込めることを考えればやってみる価値はあった。

 「ならば、まずは我々の影をちらつかせてこちらにつく者たちを集めて貰おう。その者たちを見て後見をするかどうか決めるとする。」

 「はっ!」

 坂井は頭を下げながらニヤけた口を隠した。
 
~~~~

 坂井の弾正忠家調略は、密室会議で提案される前から進行していた。信友に変わって大和守家を纏めておりその越権行為は止まることを知らなかったのだ。

 「さて、現状どうなっておるか聞こうかの。」

 自分の手持ち駒である草を自分のいる間から2部屋ほど離したところからわざわざ報告させていた。氏政が風魔達に差別意識がないため過信と同列に扱っているがそのほかの家での扱いはほとんどこのようなものであった。
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