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氏政達が兵を引き連れ向かったのは堺にある風魔集の拠点の一つである店だった。予定ではここで三好勢との会談が行われる予定なのだ。
「やあ、何かいいものはあるかい?」
店員である風魔の忍びに向かって合図を送る。
「はい!本日はおいしい魚が入る予定ですよ。」
魚は三好勢、予定ということはまだ来ていないということだな。
「では、その荷物が来るまでちょっと休ませてもらうことは可能かな?店に入るようにこちらは3人くらいの共と待たせてもらいたいのだが。」
「勿論にございます。」
三好勢がくるまで我々は店の奥にある小さな部屋で待たせてもらうことになった。庭もついておりそこそこ大きな土地であるが、これは純粋に風魔達がこつこつと店を繁盛させ行商など足を使って稼いだ結果だ。庭を眺めながら出された茶を飲み、風魔たちから現地の雰囲気や最近の情勢を聞いていると四半刻もしないうちに部屋の前に案内役が来た。
「三好様御一行がいらっしゃいました。」
「お通ししてくれ。」
まず入ってきたのは落ち着きを払いながら、人懐っこい笑顔をニコニコと浮かべながら頭を下げ入ってくる渋い男が、その後に覇気を纏ったいかにも美丈夫である男が堂々と中に入ってくる。それに続けてまだまだ幼いであろう(お前がいうか)男の子と最後にいかにも武将、漢であるやり手であろう男が入ってきた。部屋は畳貼りになっており左側に我々北条勢が、反対側に三好勢が座る形となった。どちらから話しかけるかを牽制し合っている雰囲気が数瞬立ち込める。その空気を破ったのは俺だった。
「お初にお目にかかる。北条氏康が嫡男北条伊豆守氏政である。左に控えるは我が重臣の里見義堯、右側に控えるのは同じく重臣の真田幸隆だ。後ろで立っているのは一応護衛である工藤政豊と里見義堯の息子義弘だ。」
相手の態度がピリッとしたものに変わった。こちら側から挨拶をさせたことで優位に立ったと思ったが、格上からの挨拶をされて苛ついていると言うところかな。特に最後に入ってきた男はわかりやすい。最初に入ってきた男は寧ろ何も反応がなく、美丈夫は面白がっているようだ。つまりは、俺より格上の人物がここにいることになる。まさかとは思うが…
「これはご丁寧に痛みいる。三好筑前守長慶だ。右側にいるのは我が右腕松永久秀、左側にいるのは十河一存、隣にいるのは愚息である義興だ。」
やはりか、これは思った以上の大物が出てきた。さっさと対応しないとまずいことになる。
「ご無礼な態度許して頂きたい。どうも田舎者ゆえ筑前守殿と知らずに失礼をしてしまったようです。」
さっと両手をつき頭を下げる。幸隆と義堯は遅れずに同様に頭を下げた。政豊と義弘は少し遅れ、対応ができなくならないほどに頭を下げた。後ろの二人は戸惑ったようだがすぐに空気を読み合わせてくれた。ここはこちらが下手に出るのがベストだ。相手の方が官位も立場も上、それに相手のホームなのだ。
「いや、気にしていない。貴殿にも立場というものがある、頭を上げてくだされ。今回は話し合いに来たのだ、そう堅苦しくしないで貰いたい。」
「はっ、そう言う事であれば失礼して。」
俺だけが頭を上げる。
「供回りの方々もお気になさるな。」
「お前たち、頭を上げろ。」
アホみたいなやり取りかもしれないがこの対応は間違っていない筈だ。さて、ここからが本番だ。ぬかるなよ俺。
「やあ、何かいいものはあるかい?」
店員である風魔の忍びに向かって合図を送る。
「はい!本日はおいしい魚が入る予定ですよ。」
魚は三好勢、予定ということはまだ来ていないということだな。
「では、その荷物が来るまでちょっと休ませてもらうことは可能かな?店に入るようにこちらは3人くらいの共と待たせてもらいたいのだが。」
「勿論にございます。」
三好勢がくるまで我々は店の奥にある小さな部屋で待たせてもらうことになった。庭もついておりそこそこ大きな土地であるが、これは純粋に風魔達がこつこつと店を繁盛させ行商など足を使って稼いだ結果だ。庭を眺めながら出された茶を飲み、風魔たちから現地の雰囲気や最近の情勢を聞いていると四半刻もしないうちに部屋の前に案内役が来た。
「三好様御一行がいらっしゃいました。」
「お通ししてくれ。」
まず入ってきたのは落ち着きを払いながら、人懐っこい笑顔をニコニコと浮かべながら頭を下げ入ってくる渋い男が、その後に覇気を纏ったいかにも美丈夫である男が堂々と中に入ってくる。それに続けてまだまだ幼いであろう(お前がいうか)男の子と最後にいかにも武将、漢であるやり手であろう男が入ってきた。部屋は畳貼りになっており左側に我々北条勢が、反対側に三好勢が座る形となった。どちらから話しかけるかを牽制し合っている雰囲気が数瞬立ち込める。その空気を破ったのは俺だった。
「お初にお目にかかる。北条氏康が嫡男北条伊豆守氏政である。左に控えるは我が重臣の里見義堯、右側に控えるのは同じく重臣の真田幸隆だ。後ろで立っているのは一応護衛である工藤政豊と里見義堯の息子義弘だ。」
相手の態度がピリッとしたものに変わった。こちら側から挨拶をさせたことで優位に立ったと思ったが、格上からの挨拶をされて苛ついていると言うところかな。特に最後に入ってきた男はわかりやすい。最初に入ってきた男は寧ろ何も反応がなく、美丈夫は面白がっているようだ。つまりは、俺より格上の人物がここにいることになる。まさかとは思うが…
「これはご丁寧に痛みいる。三好筑前守長慶だ。右側にいるのは我が右腕松永久秀、左側にいるのは十河一存、隣にいるのは愚息である義興だ。」
やはりか、これは思った以上の大物が出てきた。さっさと対応しないとまずいことになる。
「ご無礼な態度許して頂きたい。どうも田舎者ゆえ筑前守殿と知らずに失礼をしてしまったようです。」
さっと両手をつき頭を下げる。幸隆と義堯は遅れずに同様に頭を下げた。政豊と義弘は少し遅れ、対応ができなくならないほどに頭を下げた。後ろの二人は戸惑ったようだがすぐに空気を読み合わせてくれた。ここはこちらが下手に出るのがベストだ。相手の方が官位も立場も上、それに相手のホームなのだ。
「いや、気にしていない。貴殿にも立場というものがある、頭を上げてくだされ。今回は話し合いに来たのだ、そう堅苦しくしないで貰いたい。」
「はっ、そう言う事であれば失礼して。」
俺だけが頭を上げる。
「供回りの方々もお気になさるな。」
「お前たち、頭を上げろ。」
アホみたいなやり取りかもしれないがこの対応は間違っていない筈だ。さて、ここからが本番だ。ぬかるなよ俺。
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