北条氏政転生 関八州どころか東日本は全部俺の物 西は信長に任せて俺は歴史知識を利用して天下統一を手助けします。

ヒバリ

文字の大きさ
上 下
196 / 258

198

しおりを挟む
「できますれば我々はこれからも相馬殿と取引がしたいと思っております。よろしければ我々と交易関係を結びませぬか?関東では戦が無くなり米の生産が安定しております。その上で商人の店を相馬港へと置かせて頂きたいと思っております。蝦夷地から戻ってきた時にまた寄らせて頂きますのでその時にお返事を頂けますか?」

 「それは…。私どもとしては兵糧を回してもらえるのは有り難いですしお受けしたくはあります。しかし、そのように簡単に決められることでもないのでお時間を頂けるのはありがたく存じまする。」

 草野直清は得体の知れない恐怖感を抱きながらも何故か断れなかった。実際兵糧が取りづらい奥羽では米が安く手に入るのは大きなアドバンテージな上にひいては、武具なども手に入るかも知れない。その上、関東の覇者である北条家との繋がりを持つのは悪いことではないと思っていたからだ。

 「では、兵糧の方ですが港に運び込みます。私たちは水と生ものさえ頂ければ十分ですので今回の取引はこれで。」

 「ええ、感謝いたします。できますれば関東の様子などを知りたいと思っておりまして、荷物の積み込みなどにも1日ほどかかりましょう。どうですか、夕食をともに致しませぬか?」

 草野直清はこちらが関東に興味を持っている事を伝えるのと、実際に情報を仕入れるために義堯に対して礼を尽くそうとしていた。それをわかっていた義堯は快諾し、夕食をともにすることを決めた。

 遊女や豪勢な食事で場を盛り上げてもらいながらそろそろ本題へと入ろうとしていた。

 「実際関東では北条家が権勢を奮っているようですが、こちらに伝わってくる噂によると武士による土地の支配を認めておらず本領安堵すらされないと言われておりますが実際どうなのでしょうか?」

 全国的にみても当たり前のことだが鎌倉時代から続く御恩と奉公による武士と土地の呪縛はそう簡単に変えられるものではない。それこそ北条のような強引な力を持って皆に認めさせその豊かさを肌で理解しなければ到底納得することなどできないし、できたとしても価値観を変えられるものもそうそう多くはない。その辺りが伝わっているようだった。

 「私は元々安房の大名でした。ここと同じように山ばかりで平野が少なく米があまり取れないために下総に進出するしかありませんでした。その準備を進めようとしていた時に我が主人氏政様の武略に敗れ配下となりました。
 実際初めは戸惑いの方が大きかったですが、今は全くそうは思いません。
 相馬家では内政を行っていますか?民を笑顔にするために米の生産量を上げるだけでなく特産や娯楽、市場の整備や働き口の斡旋など何かをしていますか?我々里見家では出来ていませんでした。しかし、氏政様は違ったのです。民を富ませる事により引いては北条の繁栄を作り上げているのです。
 話がそれましたが、氏政様の統治の方法を我々が受け入れ民の管理を委託しているのです。実際、我々が民から搾取できる米は石高の半分ほどですが、禄は丸ごとそのまま土地と同じ価値の禄を頂けるのです。その上で我々は得意な文の仕事や武の仕事をそれぞれ頂き北条家の中で出世していき、禄を増やしたり土地を増やしたりするのです。勿論管理するのは北条ですが。」

 義堯は一気に言い切った。伝えたいことを全て伝えられたとは思わないが草野直清はあっけに取られているようだった。

 「草野殿には答えづらいかも知れませぬが、我々が乗ってきていたあの大きな船、あれを考えついたのも我が殿です。一度、どなたかを連れて北条まで来てくだされ。そうすれば北条がどのような世を作り上げようとしているか分かるはずです。そして、なぜ我々があのお方に仕えて行こうと思えるのか、何を誇りにしているのかを理解するはずです。では、今宵はお開きということで…。」
 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

夕映え~武田勝頼の妻~

橘 ゆず
歴史・時代
天正十年(1582年)。 甲斐の国、天目山。 織田・徳川連合軍による甲州征伐によって新府を追われた武田勝頼は、起死回生をはかってわずかな家臣とともに岩殿城を目指していた。 そのかたわらには、五年前に相模の北条家から嫁いできた継室、十九歳の佐奈姫の姿があった。 武田勝頼公と、18歳年下の正室、北条夫人の最期の数日を描いたお話です。 コバルトの短編小説大賞「もう一歩」の作品です。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

冤罪で追放した男の末路

菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます

竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論 東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで… ※超注意書き※ 1.政治的な主張をする目的は一切ありません 2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります 3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です 4.そこら中に無茶苦茶が含まれています 5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません 6.カクヨムとマルチ投稿 以上をご理解の上でお読みください

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦
ファンタジー
旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になった私。 武田家の当主として歴史を覆すべく、父信玄時代の同僚と共に生き残りを図る物語。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

処理中です...