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「私は松風号ですね。あの馬は春風号とは違い細身ですが、今までの日本馬とは違い大きさがありながらしなやかさがあり、速さだけを求めるあの姿は競馬向けと言えるかと。」
松風号は春風号のような武者を乗せて走らせる軍馬というより競馬向けの走るための馬だ。日本馬の牝馬に外国産馬の種をつけた馬である。どことなく細身だが軍使用にも耐えられるパワーとスタミナはある。いつかは松風号産駒を手持ちにしたい。
「最近では年末年始や空いている時間に競馬場に赴いている武士なども増えたようでそれにつれて繋がりを持とうとする商人達も集まって来ています。競馬場周りはどんどんと発展しており牧場と競馬場を離しておいたのは正解でしたな。」
康虎は良く競馬場に通ってお気に入りの馬を見つけては試乗しているらしく、康虎が乗った馬はいい馬だという事で皆が楽しみにしているらしい。それ程競馬場に赴く康虎は現場をよく知っているようだった。
「そろそろ第一世代の馬達から子供が産まれ始める。そこから少しずつ武将達に馬を下賜していこうと思っている、楽しみなことだな。」
「さて、そろそろ面倒臭いが仕事の話をしようか。」
氏康が皆の気を引き締めるように声をかける。
「「「はっ。」」」
「まずは今年は激動の一年だったが北条の悲願であった関八州の長まで後一歩の所まできた。これも皆の頑張りのお陰である、感謝の念が絶えん、この通りだ。」
氏康が頭を下げる。
「それでこれからのことについてだが北条としてはこれ以上戦を仕掛けることはない。常陸に関しては佐竹がじわじわとこちらに服従する姿勢を見せているためこのまま懐柔を目指す。それと武田と上杉と今川と蘆名とはこのままの友好関係を維持し続ける方針だ。内政に力を入れてこの前手に入れた土地と新たな土地にしっかりと根付いて行くのが目的だ。」
特に皆も意見がないのか頷いたりして話を聞いている。
「それとやっとだが関東公方を廃止するように働きかけるぞ。」
氏康の言葉にやはりというべきか、皆も分かっていたが驚き、緊張が走る。
「具体的にはどうされるので?」
俺が皆を代表して父に問いかける。誰が聞いてもよかったのだがスッと出て来たのは俺からだった。
「朝廷から任じられた左馬頭を返上させる。そして、手に入れた国の官位を朝廷から北条に任命して頂こうと思う。幕府に従う気はないし関東公方を実質廃止するのだどのように立ち回っても反感は避けられん。それならば無視してしまうのだ。勿論献上品を持って行ったりなどは続けて行くが適度な距離を離しておこうと思う。今の足利には力がない。そんなものに擦り寄った所で意味など無い。」
氏康が皆の前で言い切った。足利を見限り独立姿勢を保って行くと。俺もそれが良いと思う。
「私も父上の考えに賛成いたします。既に我々は尊氏公が作った御恩と奉公の制度を捻じ曲げております。我々が抑えた関東では既にそれが当たり前になりつつあり足利の否定が当たり前となって来ています。幕府ではなく朝廷を重視することで我々の身を守り抜きましょう。」
「具体的にはどのような官位を頂くのが良いと思うか?というよりもどうするべきだと皆は考える?」
氏康が周りを見渡し意見を求める。
「で、ありますれば既に任官されている相模守 伊豆守に関しては問題ござりませぬ。残りの上総介 上野介 安房守 武蔵守 下総守 下野守を手に入れなければなりません。ですがこちらを望めば帝がどの様に思われるかが分かりませぬ。少し慎重に動く必要がございますな。」
幻庵が草案を出す。こういう時にスラスラと答えを出せるのはやはり年長者でもある幻庵しかない。
松風号は春風号のような武者を乗せて走らせる軍馬というより競馬向けの走るための馬だ。日本馬の牝馬に外国産馬の種をつけた馬である。どことなく細身だが軍使用にも耐えられるパワーとスタミナはある。いつかは松風号産駒を手持ちにしたい。
「最近では年末年始や空いている時間に競馬場に赴いている武士なども増えたようでそれにつれて繋がりを持とうとする商人達も集まって来ています。競馬場周りはどんどんと発展しており牧場と競馬場を離しておいたのは正解でしたな。」
康虎は良く競馬場に通ってお気に入りの馬を見つけては試乗しているらしく、康虎が乗った馬はいい馬だという事で皆が楽しみにしているらしい。それ程競馬場に赴く康虎は現場をよく知っているようだった。
「そろそろ第一世代の馬達から子供が産まれ始める。そこから少しずつ武将達に馬を下賜していこうと思っている、楽しみなことだな。」
「さて、そろそろ面倒臭いが仕事の話をしようか。」
氏康が皆の気を引き締めるように声をかける。
「「「はっ。」」」
「まずは今年は激動の一年だったが北条の悲願であった関八州の長まで後一歩の所まできた。これも皆の頑張りのお陰である、感謝の念が絶えん、この通りだ。」
氏康が頭を下げる。
「それでこれからのことについてだが北条としてはこれ以上戦を仕掛けることはない。常陸に関しては佐竹がじわじわとこちらに服従する姿勢を見せているためこのまま懐柔を目指す。それと武田と上杉と今川と蘆名とはこのままの友好関係を維持し続ける方針だ。内政に力を入れてこの前手に入れた土地と新たな土地にしっかりと根付いて行くのが目的だ。」
特に皆も意見がないのか頷いたりして話を聞いている。
「それとやっとだが関東公方を廃止するように働きかけるぞ。」
氏康の言葉にやはりというべきか、皆も分かっていたが驚き、緊張が走る。
「具体的にはどうされるので?」
俺が皆を代表して父に問いかける。誰が聞いてもよかったのだがスッと出て来たのは俺からだった。
「朝廷から任じられた左馬頭を返上させる。そして、手に入れた国の官位を朝廷から北条に任命して頂こうと思う。幕府に従う気はないし関東公方を実質廃止するのだどのように立ち回っても反感は避けられん。それならば無視してしまうのだ。勿論献上品を持って行ったりなどは続けて行くが適度な距離を離しておこうと思う。今の足利には力がない。そんなものに擦り寄った所で意味など無い。」
氏康が皆の前で言い切った。足利を見限り独立姿勢を保って行くと。俺もそれが良いと思う。
「私も父上の考えに賛成いたします。既に我々は尊氏公が作った御恩と奉公の制度を捻じ曲げております。我々が抑えた関東では既にそれが当たり前になりつつあり足利の否定が当たり前となって来ています。幕府ではなく朝廷を重視することで我々の身を守り抜きましょう。」
「具体的にはどのような官位を頂くのが良いと思うか?というよりもどうするべきだと皆は考える?」
氏康が周りを見渡し意見を求める。
「で、ありますれば既に任官されている相模守 伊豆守に関しては問題ござりませぬ。残りの上総介 上野介 安房守 武蔵守 下総守 下野守を手に入れなければなりません。ですがこちらを望めば帝がどの様に思われるかが分かりませぬ。少し慎重に動く必要がございますな。」
幻庵が草案を出す。こういう時にスラスラと答えを出せるのはやはり年長者でもある幻庵しかない。
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