北条氏政転生 関八州どころか東日本は全部俺の物 西は信長に任せて俺は歴史知識を利用して天下統一を手助けします。

ヒバリ

文字の大きさ
上 下
180 / 258

180

しおりを挟む
 「やはり、三国峠に砦のようなものを築いていると思うか?」

 側に控える直江に話を振ってみる。

 「はい、あちらは殿を恐れているようにございまする。ですので守りやすい土地を整備しているのではないでしょうか。蘆名と友好関係を結んでおり武田とも友好関係を築いているのはこちらを牽制する為かと。また、こちらから関東に攻め込もうにも三国峠以外に大軍を動かすのに適した土地はありませんので…。」

 「なれば、攻め込むならば北信か蘆名かを通るようにするしかないか。北信ならば或いは?」

 「北信は甲斐の武田が狙っていますのでできますればこちら側から恩を売りに行きたいですな。彼らを我々の勢力下に組み込むことができればいざという時の戦略的用地になります。また、沿岸に沿って越中越前へと向かう際には武田を止めてくれる盾となるでしょう。」

 実虎は腹心の直江からの意見を聞きもう一度考え始めた。実虎自身としては北条と争いにならないことが一番であり、もし敵対するのであれば必ず勝たなければならない。一度負けて仕舞えば北条は私に対する恐れから徹底的に上杉を潰すだろう。それはこちらも同じなのだからなんとも言えないのだが。

 「よし、以前から手を入れていた北信への影響力を高める。武田に攻められた所を助けにいくぞ。軒猿は北条に関しては領内に入り込める商人達に偽装して無理のない範囲で調べよ。それよりも残った勢力で蘆名 越中 北信に力を入れるのだ。武田の動きがあれば即座に知らせろ。」

 「ははっ!」

 軒猿達が散っていくのを確認すると直江の方に向き雑談をする感じで話しかける。

 「うまくいけば椎名を助けに行っている時に武田が機を見て北信に必ず攻め込むだろう。あやつはそういう男だ。狡賢く人に何と思われることも厭わない。我にはできぬ事だな。その時に別働隊を動かして武田の意表を突くことができればうまくいくとは思わないか?」

 「さて、そこまで物事がうまく進むとは…。しかし殿ならばそのようにならずとも望み通りになるかと。その為に私も微力ながらお手伝いさせていただきます。」

 「そういえば京に送る使者は選定できたか?」

 「はっ、長尾景信殿を中心とした10数名が向かっております。その際に殿が上杉の家督を継いだことの追認とできれば越後守護に任命していただけるように幕府にご挨拶に向かうことになっております。」

 「これで反対勢力達も大人しくなればいいのだがな…奴らから目を離すなよ。」

 「はっ!勿論にございます!」

~~~

 武田信玄は新たに手に入れた土地から巻き上げた人員を使い領内に労働力として供給していた。

 「さて、北条は上手く関東制覇に王手をかけたようだな。」

 信玄は手のもの、みつものを使い今川 北条 美濃 北信に手を入れていた。

 「北条からの支援が厚いお陰で我々は飢えずに済んでおりますが、徐々に領内に不満も蔓延し始めているようです。」

 「しょうがないといえば、しょうがないのだが、甲斐や信濃は土地が貧しい。人が生きていくにはあまりにも酷い環境だ。そのような状況下で豊かで幸せそうな生活を知らしめられ、生活が安定していれば今の生活に不満を持ってしまう。飢えていれば生きる為に何でもしようと我々に継いてくるのだが。一長一短だな。」

 武田兵が強兵なのは生きる為に必死、つまり死兵に近い状態であったことも一因であった。しかし、史実とは違い食糧の援助が厚い今は信玄の内政手腕やプロパガンダの利用が求められていた。

 「まずは、北信を手に入れ豊かな土地を少しでも利用できるようにする事だな。それと、北条からもらえる農器具を増やして領内の生産率を上げなければ。」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~

佐倉伸哉
歴史・時代
 その男は、幼名を“奇妙丸”という。人の名前につけるような単語ではないが、名付けた父親が父親だけに仕方がないと思われた。  父親の名前は、織田信長。その男の名は――織田信忠。  稀代の英邁を父に持ち、その父から『天下の儀も御与奪なさるべき旨』と認められた。しかし、彼は父と同じ日に命を落としてしまう。  明智勢が本能寺に殺到し、信忠は京から脱出する事も可能だった。それなのに、どうして彼はそれを選ばなかったのか? その決断の裏には、彼の辿って来た道が関係していた――。  ◇この作品は『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n9394ie/)』『カクヨム(https://kakuyomu.jp/works/16818093085367901420)』でも同時掲載しています◇

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

生残の秀吉

Dr. CUTE
歴史・時代
秀吉が本能寺の変の知らせを受ける。秀吉は身の危険を感じ、急ぎ光秀を討つことを決意する。

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した 若き日の滝川一益と滝川義太夫、 尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として 天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。

佐々木小次郎と名乗った男は四度死んだふりをした

迷熊井 泥(Make my day)
歴史・時代
巌流島で武蔵と戦ったあの佐々木小次郎は剣聖伊藤一刀斎に剣を学び、徳川家のため幕府を脅かす海賊を粛清し、たった一人で島津と戦い、豊臣秀頼の捜索に人生を捧げた公儀隠密だった。孤独に生きた宮本武蔵を理解し最も慕ったのもじつはこの佐々木小次郎を名乗った男だった。任務のために巌流島での決闘を演じ通算四度も死んだふりをした実在した超人剣士の物語である。

処理中です...