北条氏政転生 関八州どころか東日本は全部俺の物 西は信長に任せて俺は歴史知識を利用して天下統一を手助けします。

ヒバリ

文字の大きさ
上 下
172 / 258

174

しおりを挟む
 氏康

 北条現当主 北条氏康は小田原城で息子の暴れっぷりを報告から聞いていた。その側には北条を支える文の北条幻庵 武の北条綱成が控えている。

 「我が息子ながら凄まじい活躍だな。河東を制圧したと思えば房総半島を瞬く間に手中に収め、北条の危機である関東大包囲網を打ち破るだけではなく、今度は上野国 下野国を北条の手中に収めたか。」

 「北条の未来は明るいですなあ。」

 そう言って河東から駿河に向かって伸びた交易路から安く入ってくる駿河茶を飲みまったりしながら玄庵は人ごとのように答える。

 「俺たちからすれば若い者達に負けるか!と言いたい所だがあれは若すぎるぞ、氏政様について行っている側近達は大変だろうな。」

 綱成は氏政の元で暴れたいと思いながらも今の自分が新しい戦術を完璧に扱い切れるとは思えないので使えるところは使い、今までのやり方と合わせてやりくりするほうがいいと割り切っていた。

 「東北の出入り口で大勢力を誇り越後への牽制にもなる蘆名を我ら側に寄せることができたのは大きい。万が一にでも越後から侵攻されるときに蘆名や東北勢が同時に侵攻されていたら我々は忽ち窮地に陥っていただろう。」

 「そうですな。関東大包囲の時は現在よりも手を広げる範囲が短いため上手く立ち回れましたが、東北 越後と離れられればその分対応が遅れますし、まだまだ統治が未完なので上手く遅滞防御ができたかも怪しいですな。」

 「息子にはまずは三国峠を固めながら上野国の残りの部分の統治を急がせる。下野国は在地勢力を一掃した為土地の把握や引き継ぎ、傀儡化などで手間取ることがわかっているしな。」

 「それに、上野国自体は相模 武蔵から下野国に比べ距離が近いですからな。統治や整備も早まる事でしょう。既に氏政様の要請で準備させておいた文官達や警ら隊が河越を出立し上野国各地の検地や測量を始めております。一月もしないうちに道路の整備案や発展計画の草案ができてくるでしょう。」

 上野国は少し特殊な事情があった。山内上杉を追い出した後に制圧できた部分は既に道路や検地を終え、戸籍を作成した。それに合わせて再度土地を割り振り北条流の農法を伝えている。それにより生産量の増加、税の正確な申告などが始まっている。しかし、残りの上野国には一切手が入っていない為これから開発が始まるのだ。5.6割ほど整備が終わっている部分と早急に三国峠までを整備したいという思いがあり判断が困難になっていた。

 「まあ、そこは息子に任せるさ。あいつならうまくやるだろう、珍しく河東と伊豆の熟練の文官を貸してくれと頭を下げてきたのだ。多少はマシだろう。」

 「既に河東 伊豆は氏政様の理想とする体制を整えておりこれからの開発計画もしっかりとしている為他のものでも管理する程ならば誰でもできる状態にされておりますからな。」

 「俺には内政の難しいことや、ややこしい事はわからねえが軍に関しても武田や今川が来ても耐え切れるだけの設備と準備はされているぜ。やはり計画と道の整備があるだけで大分変わるな、小田原から各地へ、各地から小田原へ今までよりも簡単に駆けつけられるのは強みだ。常陸から尾張に至っては海路を使えるのだから恐ろしいものだよ。」

 綱成が最後を締めて皆がひと段落したと思い茶を飲みながら茶菓子をつまむ。

 「それよりもそろそろ奴の当主教育をと思っているのだがどう思う?」

 「いらぬでしょう。」

 「いらねえな。」

 文武の両方が揃って不必要だと即答した。

「既に若様は側近達の心を掴むだけでなく兵や民からも慕われております。求心力に関しては言うまでもありません。また、軍事や内政の才覚については言うまでもなく礼儀作法にも通じております。教えるところがございませぬな。」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

夕映え~武田勝頼の妻~

橘 ゆず
歴史・時代
天正十年(1582年)。 甲斐の国、天目山。 織田・徳川連合軍による甲州征伐によって新府を追われた武田勝頼は、起死回生をはかってわずかな家臣とともに岩殿城を目指していた。 そのかたわらには、五年前に相模の北条家から嫁いできた継室、十九歳の佐奈姫の姿があった。 武田勝頼公と、18歳年下の正室、北条夫人の最期の数日を描いたお話です。 コバルトの短編小説大賞「もう一歩」の作品です。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

冤罪で追放した男の末路

菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます

竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論 東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで… ※超注意書き※ 1.政治的な主張をする目的は一切ありません 2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります 3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です 4.そこら中に無茶苦茶が含まれています 5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません 6.カクヨムとマルチ投稿 以上をご理解の上でお読みください

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦
ファンタジー
旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になった私。 武田家の当主として歴史を覆すべく、父信玄時代の同僚と共に生き残りを図る物語。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

処理中です...