北条氏政転生 関八州どころか東日本は全部俺の物 西は信長に任せて俺は歴史知識を利用して天下統一を手助けします。

ヒバリ

文字の大きさ
上 下
100 / 258

102

しおりを挟む
 「わかった、私もそれは考えていた事だ。小弓公方と戦った時もそうだったが奴らは鎌倉時代の戦い方を続ける古くさい奴らだ。弓を使う時も横一列でただ打つだけの頭の悪いやり方だった。それを考えると何か不自然ではあるのは確かなのだ。」

 「だからこそ、我々が横を突きその策略を壊しましょう!我々ならばできるはずにございます。」

 工藤政豊が喝を入れるかのように声を上げる。

 「ああ、そうだな。そう言えばお主のことを氏政様が心配しておったぞ?あまり焦る事はないとな。」

 政豊はポカンとした後、思い当たる節があるのだろう。顔をそっと視線から外すように横に向ける。

 「義弘殿は確かに能力が高い、このまま行けば義堯殿にも負けないほどになるだろう。」

 その言葉を聞いて悔しそうに政豊は手を握りこむ。

 「しかし!お主もまた我に負けぬほどの剛の者になれる可能性は十分にある。それはワシが保証してやろう。だからこそ今焦るべきではない。軍学校でも学んだであろう。全ては基礎をしっかりと固め自分の地力を上げる。その上で冷静に物事を判断して勝てるべき戦を用意して勝つべき戦に勝つのだ。
 お主は基礎 応用どれをとっても義弘殿には負けておらぬ。多分だが氏政様は政豊殿が河東で上げた手柄に負けぬように義弘殿に今回任せたのであろう。だからお主はまた差をつけれるように我にしっかりとついてきて手柄を上げるのだ。」

 政豊はその言葉を噛み締めるように何度も頷いて納得したようだ。

 「ありがとうございまする。私自身も人に言われてやっと落ち着いて物事を考えられるようになったでござる。確かに河東のことを考えればまだまだ負けていませぬ。それに義弘殿の事を強く意識し過ぎるあまりに大切な事を忘れるところでした。」

 「それが今わかっていれば上々よ、ここには我も幸隆殿もいる。何かあれば頼るといい。」

 「はっ!」

 丁度話を終えた頃我々も自分たちの馬のところに着いた。

 「騎馬隊の準備はどうだ?すでに出られる状態か?」

 厩舎の管理をしている者達に聞いてみる。

 「はい、既に8割以上の兵が出発待機をしております。残りの2割も順次出発可能になりまする。」

 「では!我々は先に出発する!裏門を開け!」

 ワシの言葉に合わせて騎馬隊の面々が馬に乗り裏門から出て行く。我々は先団の真ん中で馬を走らせた。

~~~
 光秀 虎高 義弘 義堯

 「義堯殿には歩兵隊の半分を任せまする、私は左翼を義堯殿には右翼をお任せしたい。」

 虎高は今回鶴翼の陣を敷くに当たって難点となる遠いところへの伝達をカバーする為に義堯に反対を任せるつもりであった。

 「わかりました。お任せくだされ。」

 「正木一族には鶴翼の陣を敷いた後の分断包囲した側を任せる。我々は他の敵が入ってこない様にするのでそのまますぐに殲滅し援軍に入ってほしい。」

 「「ははっ!」」

 「我々鉄砲隊も援護に入りまするが包囲の方は如何ともし難いものがありますれば…」

 鉄砲隊を包囲している敵に使えば反対側にいる味方にも当たる可能性がある。

 「なに、大丈夫ですよ。こちら側で何とかします。」

 「それよりも黒鍬隊を使って防壁陣を組み立てるのがこんなに早いとは…流石氏政様直轄の軍にございますな。」

 「ええ、彼らは今では後方支援の部隊として戦場で戦う事はないですが昔は前線を張ってきた強者達です。この戦の大切さも分かっているのでしょう。いつも以上に頑張ってくれています。」

 光秀は今回敵が来るまでの間に鶴翼の陣を敷く予定のラインにある程度の間隔を空けて馬防柵とその数メートル前方に穴を掘らせていた。その穴を掘る際にできた土で簡易的に馬防柵の後ろに立ち台をつくる。
 馬防柵と落とし穴を置く事で守りやすくし、ラインが乱れない様にする。そして、その後方の盛り土を使う事で簡易的な壁にして鉄砲隊の被害を抑えながら撃つ係以外の者達の鎧を可能な限り脱がせ速度を出せる様にしていた。
 そうする事で即時的な射撃ができる様にしているのだ。難点はその場で何回も撃つことができないことだが、今回の戦線は広い為すぐに移動すればそこまで問題にはならない。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

夕映え~武田勝頼の妻~

橘 ゆず
歴史・時代
天正十年(1582年)。 甲斐の国、天目山。 織田・徳川連合軍による甲州征伐によって新府を追われた武田勝頼は、起死回生をはかってわずかな家臣とともに岩殿城を目指していた。 そのかたわらには、五年前に相模の北条家から嫁いできた継室、十九歳の佐奈姫の姿があった。 武田勝頼公と、18歳年下の正室、北条夫人の最期の数日を描いたお話です。 コバルトの短編小説大賞「もう一歩」の作品です。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

冤罪で追放した男の末路

菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます

竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論 東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで… ※超注意書き※ 1.政治的な主張をする目的は一切ありません 2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります 3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です 4.そこら中に無茶苦茶が含まれています 5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません 6.カクヨムとマルチ投稿 以上をご理解の上でお読みください

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?

俣彦
ファンタジー
旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になった私。 武田家の当主として歴史を覆すべく、父信玄時代の同僚と共に生き残りを図る物語。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

処理中です...