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信繁と親綱、泰能は軍をしっかりと分けた。まず信繁率いる歩兵900を正面に左右の後方に親綱と泰能をおく。そして別働隊兼遊撃隊として武田騎馬隊100である。
親綱1500と泰能1500の歩兵を親綱が率いる。最後方の1000が弓兵隊となっている。そしてそれを泰能が率いる。意味はないだろうが一応最初の一撃は火矢を用いる予定だ。
号令もなく信繁がさっと動き始める。流石晴信の薫陶を受けているだけあって晴信に勝るとも劣らない動きを見せていく。軍の流れるように移動する様はまさに風の如く、夜襲であるため気付かれないように静かに動いている様は林のようだ。我らも負けじと動き始めるがやはりというか静かに動くためには訓練が必要でどうしても恐る恐るといった感じで速度が遅い。
それでも負けじとついていく。信繁軍が山から平野にかけて作られた城壁に近づくように堀を越えようとする。元々昼間のうちに用意していた木の板で堀に簡易的な橋をかけ続々と渡っていく。篝火もほとんど堀側ではたいておらず一番外の堀を渡り終えようとする頃には半数が二つ目の堀を渡っていた。ここまで用意した北条軍が何もしないとも思えないので朝比奈隊には堀の外で草木に身を隠し周りを警戒するように伝令を送る。
こちらでも警戒して各橋に10数人を見張りに置いて進む。最後の堀に到達しようとしたところで一斉に悲鳴が上がった。
「投石だ!!!!上を警戒しろ!盾持ちの下に隠れるのだ!!!それ以外のものは左右にばらけよ!!!」
信繁が前線で攻撃に気付き指示を出しながら被害を抑える。
「武田軍の意地を見せよ!橋を渡して城壁に取り付けば我らの勝ちぞ!」
歴戦の将たる信繁の言葉を信じ武田兵が整然とした様子で城壁に突貫する。その最中に信繁は今川へと伝令を行う。
「伝令!武田軍に投石の攻撃が行われたようです!その中で信繁殿は被害を抑えて城壁に向かっております!今川軍には退路の確保と援護をお願いするとの事です!」
「わかっておる!我らは二の堀、三の堀を死守する!信繁殿には思う存分暴れて貰いたいと伝えてくれ!」
後方の今川軍には敵の攻撃は全く来ていない為落ち着いて対処をしていた。それに打って変わり前面に出ている武田軍は投石と弓矢による集中攻撃でジリジリとしかし確実に兵を減らされている。
「取りついたぞ!梯子をかけよ!!城内に入れば我らは敵の卑怯な攻撃に晒されぬぞ!負けぬ!進めい!」
武田軍の足軽大将が部下の足軽数名を連れて梯子をかけて城壁から顔を出しよじ登ろうとする。
「なんだこれは!?壁の上に気をつけよ!棘があるぞ!!!」
それはとりつかれる前提で用意をしておいた青銅でできた鉄線である。現代にもあるそれは侵入者の行手を拒み尚且つ、敵に攻撃も与える。まだまだ風化が進んでいないとはいえ破傷風にもなる可能性があるこの柵は北条軍内では絶対に触らないように厳命されている。
あちらこちらで武田軍の兵士たちが無理矢理にでもよじ登ろうとして鉄線の柵に引っかかって怪我をおっていく。この時代にニッパーやハサミなどを戦場に持ち歩くものはおらずなんとか、足軽が持ってきていたナタなどで叩き斬ろうとするもそれを咎める弓矢が続々と降ってくる。
武田軍は犠牲を出しながらも一部の道を切り開きドンドンと侵入していこうとするも行く手が限定されたこの状況ではいい鴨となって狙われていくばかりである。これを指を咥えて見ているはずもなく信繁は今川へと弓隊の援護を要請しながら自分の部隊の弓隊にも侵入する足軽を援護するように命じている。
そのおかげもあってか何人かの盾持ちが梯子を上りきり城内へと侵入を始める。今川軍の援護もあり火が全体に燃え上がることはなかったが周囲を照らす程度には燃えている。
「進めい!10人一塊となって建物の中を制圧していくのだ!残りのものは盾持ちを前にして道を進むぞ!」
信繁が梯子を渡り切ると細やかに指示を出し盾持ちを前にじっくりと守りを固めながら城内を制圧するために前へ進もうとする。既に北条軍は奥に下がって奇妙な筒のようなもの、報告にあった天雷の武器を用意している。
「銅板盾持ちを前に出せい!我らが接近すれば負けることはないぞ!」
今回のために用意しておいた木の盾の裏に銅板を貼り付けた特製の盾を持たせた大男達に前を進ませる。他の兵は間から顔を出さないように各盾持ちの後ろを進むように命じている。
天雷の武器の作り方などはわからなかったが、その性能については貫通力が高い弓矢のようなものであることが分かっている。それに合わせて鉱物が取れる甲斐の利点を生かし何枚も重ねて厚みを増した盾を一応用意しておいたのだ。
欠点としてとても重く力自慢の男がゆっくりゆっくりと進まねばならないがその性能は折り紙付きで相手が近づくごとに天雷の武器を使ってくるがバチィン!と音を上げてたてが跳ね返していく。
「よし!これならいけるぞ!今川隊にも最低限必要な人数を残し城内に侵入するように伝えよ!」
伝令を後方に送りながら本丸に近づいていく。本丸といっても城というよりは大きな石の塊のような物だ。漆喰のような壁で二階建てにした簡素な建物だが覗き窓が所々についており頑強そうだ。それもあと4分の1というところで盾持ちが何人か急に消えてしまった。
バキバキと音がなったと思ったら落とし穴があったようで何人かの盾持ちが穴に落ちて木の棘に体を刺され死に絶えてしまった。
親綱1500と泰能1500の歩兵を親綱が率いる。最後方の1000が弓兵隊となっている。そしてそれを泰能が率いる。意味はないだろうが一応最初の一撃は火矢を用いる予定だ。
号令もなく信繁がさっと動き始める。流石晴信の薫陶を受けているだけあって晴信に勝るとも劣らない動きを見せていく。軍の流れるように移動する様はまさに風の如く、夜襲であるため気付かれないように静かに動いている様は林のようだ。我らも負けじと動き始めるがやはりというか静かに動くためには訓練が必要でどうしても恐る恐るといった感じで速度が遅い。
それでも負けじとついていく。信繁軍が山から平野にかけて作られた城壁に近づくように堀を越えようとする。元々昼間のうちに用意していた木の板で堀に簡易的な橋をかけ続々と渡っていく。篝火もほとんど堀側ではたいておらず一番外の堀を渡り終えようとする頃には半数が二つ目の堀を渡っていた。ここまで用意した北条軍が何もしないとも思えないので朝比奈隊には堀の外で草木に身を隠し周りを警戒するように伝令を送る。
こちらでも警戒して各橋に10数人を見張りに置いて進む。最後の堀に到達しようとしたところで一斉に悲鳴が上がった。
「投石だ!!!!上を警戒しろ!盾持ちの下に隠れるのだ!!!それ以外のものは左右にばらけよ!!!」
信繁が前線で攻撃に気付き指示を出しながら被害を抑える。
「武田軍の意地を見せよ!橋を渡して城壁に取り付けば我らの勝ちぞ!」
歴戦の将たる信繁の言葉を信じ武田兵が整然とした様子で城壁に突貫する。その最中に信繁は今川へと伝令を行う。
「伝令!武田軍に投石の攻撃が行われたようです!その中で信繁殿は被害を抑えて城壁に向かっております!今川軍には退路の確保と援護をお願いするとの事です!」
「わかっておる!我らは二の堀、三の堀を死守する!信繁殿には思う存分暴れて貰いたいと伝えてくれ!」
後方の今川軍には敵の攻撃は全く来ていない為落ち着いて対処をしていた。それに打って変わり前面に出ている武田軍は投石と弓矢による集中攻撃でジリジリとしかし確実に兵を減らされている。
「取りついたぞ!梯子をかけよ!!城内に入れば我らは敵の卑怯な攻撃に晒されぬぞ!負けぬ!進めい!」
武田軍の足軽大将が部下の足軽数名を連れて梯子をかけて城壁から顔を出しよじ登ろうとする。
「なんだこれは!?壁の上に気をつけよ!棘があるぞ!!!」
それはとりつかれる前提で用意をしておいた青銅でできた鉄線である。現代にもあるそれは侵入者の行手を拒み尚且つ、敵に攻撃も与える。まだまだ風化が進んでいないとはいえ破傷風にもなる可能性があるこの柵は北条軍内では絶対に触らないように厳命されている。
あちらこちらで武田軍の兵士たちが無理矢理にでもよじ登ろうとして鉄線の柵に引っかかって怪我をおっていく。この時代にニッパーやハサミなどを戦場に持ち歩くものはおらずなんとか、足軽が持ってきていたナタなどで叩き斬ろうとするもそれを咎める弓矢が続々と降ってくる。
武田軍は犠牲を出しながらも一部の道を切り開きドンドンと侵入していこうとするも行く手が限定されたこの状況ではいい鴨となって狙われていくばかりである。これを指を咥えて見ているはずもなく信繁は今川へと弓隊の援護を要請しながら自分の部隊の弓隊にも侵入する足軽を援護するように命じている。
そのおかげもあってか何人かの盾持ちが梯子を上りきり城内へと侵入を始める。今川軍の援護もあり火が全体に燃え上がることはなかったが周囲を照らす程度には燃えている。
「進めい!10人一塊となって建物の中を制圧していくのだ!残りのものは盾持ちを前にして道を進むぞ!」
信繁が梯子を渡り切ると細やかに指示を出し盾持ちを前にじっくりと守りを固めながら城内を制圧するために前へ進もうとする。既に北条軍は奥に下がって奇妙な筒のようなもの、報告にあった天雷の武器を用意している。
「銅板盾持ちを前に出せい!我らが接近すれば負けることはないぞ!」
今回のために用意しておいた木の盾の裏に銅板を貼り付けた特製の盾を持たせた大男達に前を進ませる。他の兵は間から顔を出さないように各盾持ちの後ろを進むように命じている。
天雷の武器の作り方などはわからなかったが、その性能については貫通力が高い弓矢のようなものであることが分かっている。それに合わせて鉱物が取れる甲斐の利点を生かし何枚も重ねて厚みを増した盾を一応用意しておいたのだ。
欠点としてとても重く力自慢の男がゆっくりゆっくりと進まねばならないがその性能は折り紙付きで相手が近づくごとに天雷の武器を使ってくるがバチィン!と音を上げてたてが跳ね返していく。
「よし!これならいけるぞ!今川隊にも最低限必要な人数を残し城内に侵入するように伝えよ!」
伝令を後方に送りながら本丸に近づいていく。本丸といっても城というよりは大きな石の塊のような物だ。漆喰のような壁で二階建てにした簡素な建物だが覗き窓が所々についており頑強そうだ。それもあと4分の1というところで盾持ちが何人か急に消えてしまった。
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