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そしてここが一番大切になるところだ。少し気を引き締め一応1国主としての雰囲気を覇気を乗せる感じで出す。義堯の見様見真似だが、戦線を潜ってきた俺は殺気という物なのかは確かではないが、少しは威圧できるようになった。
「さて、ここで聞くのは申し訳ないが、里見義堯、お主はこれからどうする?半年ほど経って俺が見る世界ややりたいことの片鱗は見せられたつもりだ。お前がどのような道を選ぼうともここの者たちに何もさせない。義堯の率直な感想を聞かせよ。」
何人か若い者は背筋を正している。原胤清や勘助、虎高、幸隆などは気にもしていないようで少し悲しい。
「はっ。私は今頃になって何故負けたのかがようやく理解できました。民と兵の違い、士気の差、兵装の差、何もかもが違いました。私自身は貧しい安房の民を重んじるために上総、下総を取り、米を得ようとしか考えておりませなんだ。
今の安房の民は私が統治していた頃より皆に笑顔が溢れて希望に満ちておりまする。私は取るべき道を見誤っていたのでしょう。息子も重用していただけるようで、これならば思い残すこともございませぬ。
この身、氏政様のご随意に。」
そう言って頭を下げる。
「ふむ。よかった…正直言って義堯が俺の元に来てくれるかは五分五分だと思っていたからな。安心したぞ。」
そう言うと義堯は恥ずかしそうに笑う。
「では!関東攻勢部隊の割り振りを行う!
総大将 里見義堯
機動戦部隊
副大将 真田幸隆 明智光秀 三井虎高
部隊長 原胤清 酒井敏房 工藤政豊
城攻め部隊
副大将 山本勘助
部隊長 千葉昌胤 土岐為頼 正木時茂 正木時忠
そして義堯には奇襲部隊にも同行してもらうぞ。
河東での戦の後江戸城に向かい、俺は船から降りて光秀と馬廻と共に機動戦部隊について行き後ろに控える。風魔もこちらに多くつけ、父との連携を取りながら事を詰めるつもりだ。
城攻め部隊にはあらかじめどの城を落とすかは伝えておくが、現場での判断は勘助に一任するぞ。
一応関東攻めに呼ばれなかった者は河東に残して今川と武田に備えてもらうつもりだ。留守部隊の大将は幻庵だ。実際戦闘になることはないだろうが、よろしく頼む。」
「義堯、好きに使っていいのだから任せるぞ?実質、機動戦部隊の大将だ。気張れよ。」
「ははっ!」
このあとは詳細な事を細々と決めていく。どの部隊にどれほどの人数を割くか。補給はどうする?蒲原防衛戦には馬は少な目でいいのでは?などだ。とりあえず今日は大まかに決めて、これから少しずつ会合を重ねて決めていくことにした。
今回は全員が集まったが、これから集まる時は出席可能な居る面子で行い、他は事後連絡となる。全体に周知するのは出陣前となるが、物資を動かしている内政官達や譜代の部隊長クラスの者にはは先に伝えておく。
信じていない訳ではないが一応念のためだ。漏れた時に彼らのせいにしないためでもある。
それと一度父とも話し合いの場を持つ必要があるだろう。史実で父はすぐに河東を手放す決断を下した。それだけ追い詰められた状況だったのだろうが、今は違う。事前に情報が手に入っている上、兵力も断然多い。
史実と違う展開になる可能性は高いだろう。綱成叔父上にも来てもらって3人でどうするかを話し合わなければいけないな。
それとどこまで反撃するかも…。
その後は特に何も変化のない日々を過ごして年末がやってきた。少し早めに登城して綱成叔父上と父、幻庵との会合をするためだ。
相手に勘づかれないように集まるにはこのタイミングしかない。年始の挨拶をする前に話を詰めておこうと皆で集まる。
父氏康も今だけは気を抜けるのか気のいい父親の顔をしている。幻庵と綱成は日本酒を美味しそうに味わいながら魚の干物をツマミに歓談だ。俺はと言うと、酒を飲める訳でもないので果実を絞った果実水を飲んでいる。お、この料理美味しいな。
「さて、このまま歓談を続けたいところだが、その前に軽く来年からの事を話し合っておこう。現在今川が武田の仲介と道増殿を使って河東に関しての交渉をこちらに持ちかけているが、まず応じることはない。あちら側も俺たちを油断させるための偽装だろう。」
父が少し雰囲気を変えて話し始める。威圧する必要もないから真面目な雰囲気に変えただけだ。
「と言っても、氏政様が用意してくれた軍の情報で粗方流れは判ってるんだろ?なら大丈夫じゃないか?」
「そう言うな綱成。むしろ俺はここで攻勢に出るべきだと思う。河東は氏政に任せておいて、俺たちは関東の諸将を破り、武蔵、上野、下野の三国に手を出せる。問題はどこを獲るべきかだ。」
「それならやっぱり武蔵はどちらにいくにしろ外せないだろう。ほぼ実効支配してるが、今回を機に全て北条領に出来る。となると、その後は上野か下野になるな。」
父と綱成が悩んでいるため声を掛ける。
「では、上野を支配してはいかがでしょうか。」
「ふむ。何故だ?」
「はっ!上野は武田が狙っておりますれば、奪われる前にと。それに上野を獲れれば三国峠を固めて北の長尾からの脅威を減らせ、東の下野と常陸にのみ集中でき、西は武田のみ気をつければ良くなります。それに、上野、武蔵、相模、伊豆、河東、上総、下総、安房を一円として道を敷くことが出来、領内が活発化します。ですが、もし下野に手を出せば上野と常陸に挟まれ、碌な事にならないかと存じます。」
「さて、ここで聞くのは申し訳ないが、里見義堯、お主はこれからどうする?半年ほど経って俺が見る世界ややりたいことの片鱗は見せられたつもりだ。お前がどのような道を選ぼうともここの者たちに何もさせない。義堯の率直な感想を聞かせよ。」
何人か若い者は背筋を正している。原胤清や勘助、虎高、幸隆などは気にもしていないようで少し悲しい。
「はっ。私は今頃になって何故負けたのかがようやく理解できました。民と兵の違い、士気の差、兵装の差、何もかもが違いました。私自身は貧しい安房の民を重んじるために上総、下総を取り、米を得ようとしか考えておりませなんだ。
今の安房の民は私が統治していた頃より皆に笑顔が溢れて希望に満ちておりまする。私は取るべき道を見誤っていたのでしょう。息子も重用していただけるようで、これならば思い残すこともございませぬ。
この身、氏政様のご随意に。」
そう言って頭を下げる。
「ふむ。よかった…正直言って義堯が俺の元に来てくれるかは五分五分だと思っていたからな。安心したぞ。」
そう言うと義堯は恥ずかしそうに笑う。
「では!関東攻勢部隊の割り振りを行う!
総大将 里見義堯
機動戦部隊
副大将 真田幸隆 明智光秀 三井虎高
部隊長 原胤清 酒井敏房 工藤政豊
城攻め部隊
副大将 山本勘助
部隊長 千葉昌胤 土岐為頼 正木時茂 正木時忠
そして義堯には奇襲部隊にも同行してもらうぞ。
河東での戦の後江戸城に向かい、俺は船から降りて光秀と馬廻と共に機動戦部隊について行き後ろに控える。風魔もこちらに多くつけ、父との連携を取りながら事を詰めるつもりだ。
城攻め部隊にはあらかじめどの城を落とすかは伝えておくが、現場での判断は勘助に一任するぞ。
一応関東攻めに呼ばれなかった者は河東に残して今川と武田に備えてもらうつもりだ。留守部隊の大将は幻庵だ。実際戦闘になることはないだろうが、よろしく頼む。」
「義堯、好きに使っていいのだから任せるぞ?実質、機動戦部隊の大将だ。気張れよ。」
「ははっ!」
このあとは詳細な事を細々と決めていく。どの部隊にどれほどの人数を割くか。補給はどうする?蒲原防衛戦には馬は少な目でいいのでは?などだ。とりあえず今日は大まかに決めて、これから少しずつ会合を重ねて決めていくことにした。
今回は全員が集まったが、これから集まる時は出席可能な居る面子で行い、他は事後連絡となる。全体に周知するのは出陣前となるが、物資を動かしている内政官達や譜代の部隊長クラスの者にはは先に伝えておく。
信じていない訳ではないが一応念のためだ。漏れた時に彼らのせいにしないためでもある。
それと一度父とも話し合いの場を持つ必要があるだろう。史実で父はすぐに河東を手放す決断を下した。それだけ追い詰められた状況だったのだろうが、今は違う。事前に情報が手に入っている上、兵力も断然多い。
史実と違う展開になる可能性は高いだろう。綱成叔父上にも来てもらって3人でどうするかを話し合わなければいけないな。
それとどこまで反撃するかも…。
その後は特に何も変化のない日々を過ごして年末がやってきた。少し早めに登城して綱成叔父上と父、幻庵との会合をするためだ。
相手に勘づかれないように集まるにはこのタイミングしかない。年始の挨拶をする前に話を詰めておこうと皆で集まる。
父氏康も今だけは気を抜けるのか気のいい父親の顔をしている。幻庵と綱成は日本酒を美味しそうに味わいながら魚の干物をツマミに歓談だ。俺はと言うと、酒を飲める訳でもないので果実を絞った果実水を飲んでいる。お、この料理美味しいな。
「さて、このまま歓談を続けたいところだが、その前に軽く来年からの事を話し合っておこう。現在今川が武田の仲介と道増殿を使って河東に関しての交渉をこちらに持ちかけているが、まず応じることはない。あちら側も俺たちを油断させるための偽装だろう。」
父が少し雰囲気を変えて話し始める。威圧する必要もないから真面目な雰囲気に変えただけだ。
「と言っても、氏政様が用意してくれた軍の情報で粗方流れは判ってるんだろ?なら大丈夫じゃないか?」
「そう言うな綱成。むしろ俺はここで攻勢に出るべきだと思う。河東は氏政に任せておいて、俺たちは関東の諸将を破り、武蔵、上野、下野の三国に手を出せる。問題はどこを獲るべきかだ。」
「それならやっぱり武蔵はどちらにいくにしろ外せないだろう。ほぼ実効支配してるが、今回を機に全て北条領に出来る。となると、その後は上野か下野になるな。」
父と綱成が悩んでいるため声を掛ける。
「では、上野を支配してはいかがでしょうか。」
「ふむ。何故だ?」
「はっ!上野は武田が狙っておりますれば、奪われる前にと。それに上野を獲れれば三国峠を固めて北の長尾からの脅威を減らせ、東の下野と常陸にのみ集中でき、西は武田のみ気をつければ良くなります。それに、上野、武蔵、相模、伊豆、河東、上総、下総、安房を一円として道を敷くことが出来、領内が活発化します。ですが、もし下野に手を出せば上野と常陸に挟まれ、碌な事にならないかと存じます。」
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