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変化
視線
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腹をくくってからというもの、少しは堂々として見えるようになったのか、ジンとの情事に変化が現れたのを側近の誰かに漏らしたのか分からないが。
広間で食事するときに奴らの視線がやけに生暖かくなった。
最初こそジンも俺に手を出したらだの物騒なことを言っていたが、最近は外の世界からまた装飾品を取り寄せて俺を着飾らせるようになった。
華奢な銀製の鎖や色鮮やかな石で出来たアンクレットやブレスレットなど、今までつけたことのないし見たこともないものに目がチカチカしてしまう。
情事の際はそれだけを残して服を剥ぎ取るのが最近の好みらしい。
何が楽しいのか…悪趣味だ。
散々毎日体を貫かれているせいで、俺はほぼぐったり寝床で横になっているというのに、ジンは飄々として用事があれば部屋から出ていく。
「この調子じゃ逃げ出してもすぐ捕まっちまう…」
体力をつけなければ。
俺はジンがいない時は庭に出てこっそり体を鍛えることにした。
手頃な大きさの岩を抱え、しゃがんで立ち上がるのを繰り返す。
食べ物を満足に食べれるようになったお陰で、スラムにいた時よりは動ける。
しかしまだまだ巡回者達の体力には遠く及ばない。
1番下っ端の部屋に食事を運んでくる小男にも余裕でねじ伏せられるだろう。
こめかみから汗がこぼれ落ち、息が上がる。
岩を抱えた腕と脚がぷるぷると震えてきだした。
「これくらいにしとくか…」
岩を元あった位置にそっと戻すと、庭の一角の水浴び場所へと向かう。
砦になっている神殿の建つ岩山のほぼ山頂から、細く垂れた湧き水が上手く神殿の数箇所に流れ込むように溝が彫られていて、エリルに会った場所ほどではないが充分体を清められる量の水がいつも湛えられている。
服を手頃な場所に置き、まずは手を清める。
つぷ、と自身の後孔に指を挿れると、ドロリと白濁が零れ落ちる。
「っ…」
太腿を伝う生暖かい感触に、ジンに敏感にされた体はすぐ反応してしまう。
以前エリルにされたように、中まで洗う事は1人では容易ではない。
それでも粗相をして不興を買うわけにはいかないので恥を忍んでこっそりエリルにアレを頼んでいた。
が、ジンが数日前、もうエリルに頼まなくていいと商人から仕入れてきたという道具を俺に渡してきた。
皮のような柔らかい管の先に鳥の嘴のような硬い注ぎ口がついており、管の反対側には皮袋。
そこに水を入れて注ぎ口を自分で…という事らしい。
何故自分でこんな事を…と恨めしく思いながら注ぎ口を後孔へと押し込む。
「ふあっ…!」
思いかけず変な声が出てしまう。
体内に残っている白濁のせいで簡単に注ぎ口が入り込んでしまった。
きゅうっと無意識に締め付けてしまい、自身が硬度を増しているのを恨めしく感じた。
肩で息をし、収まるのを待って袋に水を注ごうと身を捩った。
その時、どこかから気配を感じ辺りを見回す。
ジンが戻ってきたのだろうか。
「え…何でここに?」
ジンと俺以外ここに居るはずがないのに。
物陰から現れた人物に、恥ずかしさより驚きが先立つ。
「気にしないで続けて下さい」
人差し指を唇に押し当てて、蠱惑的にほほ笑むエリルに背筋が粟立った。
広間で食事するときに奴らの視線がやけに生暖かくなった。
最初こそジンも俺に手を出したらだの物騒なことを言っていたが、最近は外の世界からまた装飾品を取り寄せて俺を着飾らせるようになった。
華奢な銀製の鎖や色鮮やかな石で出来たアンクレットやブレスレットなど、今までつけたことのないし見たこともないものに目がチカチカしてしまう。
情事の際はそれだけを残して服を剥ぎ取るのが最近の好みらしい。
何が楽しいのか…悪趣味だ。
散々毎日体を貫かれているせいで、俺はほぼぐったり寝床で横になっているというのに、ジンは飄々として用事があれば部屋から出ていく。
「この調子じゃ逃げ出してもすぐ捕まっちまう…」
体力をつけなければ。
俺はジンがいない時は庭に出てこっそり体を鍛えることにした。
手頃な大きさの岩を抱え、しゃがんで立ち上がるのを繰り返す。
食べ物を満足に食べれるようになったお陰で、スラムにいた時よりは動ける。
しかしまだまだ巡回者達の体力には遠く及ばない。
1番下っ端の部屋に食事を運んでくる小男にも余裕でねじ伏せられるだろう。
こめかみから汗がこぼれ落ち、息が上がる。
岩を抱えた腕と脚がぷるぷると震えてきだした。
「これくらいにしとくか…」
岩を元あった位置にそっと戻すと、庭の一角の水浴び場所へと向かう。
砦になっている神殿の建つ岩山のほぼ山頂から、細く垂れた湧き水が上手く神殿の数箇所に流れ込むように溝が彫られていて、エリルに会った場所ほどではないが充分体を清められる量の水がいつも湛えられている。
服を手頃な場所に置き、まずは手を清める。
つぷ、と自身の後孔に指を挿れると、ドロリと白濁が零れ落ちる。
「っ…」
太腿を伝う生暖かい感触に、ジンに敏感にされた体はすぐ反応してしまう。
以前エリルにされたように、中まで洗う事は1人では容易ではない。
それでも粗相をして不興を買うわけにはいかないので恥を忍んでこっそりエリルにアレを頼んでいた。
が、ジンが数日前、もうエリルに頼まなくていいと商人から仕入れてきたという道具を俺に渡してきた。
皮のような柔らかい管の先に鳥の嘴のような硬い注ぎ口がついており、管の反対側には皮袋。
そこに水を入れて注ぎ口を自分で…という事らしい。
何故自分でこんな事を…と恨めしく思いながら注ぎ口を後孔へと押し込む。
「ふあっ…!」
思いかけず変な声が出てしまう。
体内に残っている白濁のせいで簡単に注ぎ口が入り込んでしまった。
きゅうっと無意識に締め付けてしまい、自身が硬度を増しているのを恨めしく感じた。
肩で息をし、収まるのを待って袋に水を注ごうと身を捩った。
その時、どこかから気配を感じ辺りを見回す。
ジンが戻ってきたのだろうか。
「え…何でここに?」
ジンと俺以外ここに居るはずがないのに。
物陰から現れた人物に、恥ずかしさより驚きが先立つ。
「気にしないで続けて下さい」
人差し指を唇に押し当てて、蠱惑的にほほ笑むエリルに背筋が粟立った。
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