王の恋

猫幸世

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王の恋

第15話

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剛志が驚いた顔で見つめると人間姿のレンが剛志の耳元で囁いた。

「俺と内緒の恋をしないか」

「え…」

「どう?」

「冗談ですよね」

「俺は本気だよ、考えておいて」

そう言ってレンは人間からメインクーンのレンに戻り外に居るレオンとミミ医師に話しかけた。

「レオン、ミミ、入っていいぞ」

声かけ後、レオンとミミ医師が入ってくるとレンは剛志から離れ剛志は藁から立ち上がり近づいてくるレオンに近づいた。 

「剛志君、声はどう?」

「レオンさん」

剛志が見つめるとレオンは剛志を抱きしめ涙を流した。

「声が出て良かった…本当に良かった」

「レオンさん」

「……」

ギュっとレオンに抱きつく剛志の姿にレンは微笑み家から出ていくとミミ医師に呼び止められた。

「レン様」

「何だ?」

「私は女だからわかっちゃうんですが」

「だから何が」

「レン様、剛志さんのこと好きですよね」

「彼はレオンの大切な人だ俺が好きになるわけないだろ」

そう言ってレンが歩いていくと見送りながらミミ医師が口を開いた。 

「レオンさんが知ったら驚くわね」

「俺が何を知ったら驚くんですか?」

「何でもない」

そう言ってミミ医師が部屋の中に入っていくとレオンも中に入った。 

「剛志さん、脈を診ますね」

「はい」

「身体の具合が悪いとかありませんか?」

剛志の手首に触れながらミミ医師が話しかけると剛志は「ありません」と答えた。 

その後、ミミ医師は剛志の手首に触れるのを止めレオンに向かって話しかけた。

「レン様の治療は成功、大丈夫よ」

「良かった」

レオンがホッとした顔をすると剛志が話しかけた。

「レオンさん」

「何?」

「モデルの仕事があるから帰っても良いですか」

「そうだよね、明日、家に送るよ」

「明日…」

今すぐ猫の国を去りたかった剛志はガッカリしその後、レオンに手首を掴まれた。

「レオンさん?」

「俺の家に行こう」

「え…」

「ミミ医師、ありがとうございました」

口にしながら剛志を連れてミミ医師の家を出るとレオンは歩き始めた。 

この時、剛志は歩きながら嫌な予感を感じた。 

そしてその予感は的中した。 

30分後、大きい家に剛志は驚いた。 

「10階建てのビルぐらいの大きさだよね」

「俺は父さんに話があるから剛志君は螺旋階段(らせんかいだん)を上がって3階の部屋で待ってて」

「わかりました」

レオンと別れ螺旋階段を上がり3階の部屋の前に着くと剛志はドアを開き中に入りドアを閉めた。 

「藁のベッドだ、凄い」

ベッドに近づき仰向けで倒れるとすぐに左右の目を閉じ眠りについた。 

30分後、部屋のドアがゆっくり開き人間姿のレンが現れた。

築かない剛志は藁のベッドで眠り続けた。 
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