王の恋

猫幸世

文字の大きさ
上 下
6 / 21
王の恋

第6話

しおりを挟む
レオンと身体を重ねそのまま眠っていた剛志は午前7時に目を覚ました。

「よく寝たな」

身体を起こしスマホの時計を見た剛志は時間に驚いた。 

「朝7時!…ご飯も食べないでずっと寝てたのか」

ベッドからおりタンスの中から上下の下着と服を出していると寝室のドアが開きレオンが現れた。

「起きたか」

「レオンさん」

近づいてくるレオンを見つめその後、剛志はレオンのキスを受け入れた。 

その後、互いの唇が離れレオンが背を向けると剛志が話しかけた。 

「服を着たままだったけど俺達」

「身体を重ねた」

「……」

「嫌だったですか?」

「レオはムカついたけど、レオンさんはムカついてないです」

「そうですか」

「レオンさん」

再び剛志が話しかけようとしたその時、レオンの姿が消えた。 

その後、剛志は浴室に行きシャワーで身体と髪を綺麗にしタンスから出した上下の下着と服を着ると仕事場に歩いて向かった。

それから暫くして1台の車が剛志の動きを止めた。 

「何だこの車」

剛志が見つめると運転席の窓が開きカメラマンが現れた。

「剛志君」

「山さん!」

「会えて良かった 、乗りなさい」

「はい」

助手席のドアを開き乗り込み剛志がドアを閉めるとカメラマンが話しかけた。

「撮影場所が変わったから」

「そうですか」

返事がしながらシートベルトを着用し剛志が目を向けるとカメラマンは「それじゃ行こうか」と言って車を走らせルークが居る倉庫に向かった。 

30分後、倉庫の前に着くと剛志とカメラマンは車からおり倉庫の中に入った。 

「お待たせしました」

「……」

カメラマンに話しかけられ振り返り近づいてくるカメラマンと剛志に「俺も今、来たところですから」と言ってルークが見つめるとカメラマンと剛志はルークの前で立ち止まった。 

「剛志君、紹介するね、ルークさんだ」

「ルークです、よろしく」

「ルーク?、もしかしてあんた」

「レオンに聞いたんですね」

「山さん、剛志君と2人きりにしてくれませんか」

「わかりました」

カメラマンが倉庫から出ていくとルークは剛志に話しかけた。 

「俺はレオみたいにあなたの身体をムリヤリ奪ったりしません、だからあなたの気持ちを教えてください」

「俺の気持ち?」

「誰を好きなのか、あなたの気持ちを教えてください」

「俺は…」

「剛志君、俺も候補に入れてください」

「……」

「剛志君」

「俺は…レオンさんが好きです」

恥ずかしそうに剛志が口にするとルークは剛志の顎を掴み口を開いた。 

「やっぱりあなたを諦めることはできない」

そう言ってルークは剛志の顎を掴んだまま唇を重ねた。

「……」 

ルークの身体を押し離し「帰ります」と言ってドアに向かって剛志が歩き出すとルークはホワイトオオカミを1匹、出現させ剛志の元に向かわせた。 

「オオカミ」

立ちはだかるホワイトオオカミに剛志は1歩ずつ後ろにさがりその後、ルークにぶつかり動きが止まった。  

「……」

言葉がでない剛志はルークに背後から抱きしめられ小さな声で囁かれた。 

「あなたは俺のものだ、レオンとレオに渡さない」

「何、言って」

「あなたと俺が身体を重ねているとところをレオンに見せたらレオン、どんな顔するかな」

「……」

驚いた顔で剛志が見つめるとルークは指を鳴らし剛志を倒れさせ眠らせるとスマホでレオンに連絡した。 

「レオン、良いものを見せてやるから倉庫に来い、倉庫の場所は画像で送る」

スマホを切るとルークは眠っている剛志をじっと見つめた。 

「この俺が人間の男に恋をするとはな」

そう言ってルークはホワイトオオカミを見張らせ剛志の身体を奪い始めた。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

紹介なんてされたくありません!

mahiro
BL
普通ならば「家族に紹介したい」と言われたら、嬉しいものなのだと思う。 けれど僕は男で目の前で平然と言ってのけたこの人物も男なわけで。 断りの言葉を言いかけた瞬間、来客を知らせるインターフォンが鳴り響き……?

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

【BL】婚約破棄で『不能男』認定された公爵に憑依したから、やり返すことにした。~計画で元婚約者の相手を狙ったら溺愛された~

楠ノ木雫
BL
 俺が憑依したのは、容姿端麗で由緒正しい公爵家の当主だった。憑依する前日、婚約者に婚約破棄をされ『不能男認定』をされた、クズ公爵に。  これから俺がこの公爵として生きていくことになっしまったが、流石の俺も『不能男』にはキレたため、元婚約者に仕返しをする事を決意する。  計画のために、元婚約者の今の婚約者、第二皇子を狙うが……  ※以前作ったものを改稿しBL版にリメイクしました。  ※他のサイトにも投稿しています。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

【完】三度目の死に戻りで、アーネスト・ストレリッツは生き残りを図る

112
BL
ダジュール王国の第一王子アーネストは既に二度、処刑されては、その三日前に戻るというのを繰り返している。三度目の今回こそ、処刑を免れたいと、見張りの兵士に声をかけると、その兵士も同じように三度目の人生を歩んでいた。 ★本編で出てこない世界観  男同士でも結婚でき、子供を産めます。その為、血統が重視されています。

処理中です...