正義のキャット

猫幸世

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正義のキャット

第20話

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ーケーキ屋ー 

眠る三毛猫のミタに黒い剣を突きつけながらキジ猫のキナが見つめていると黒いロングコート姿の男が現れた。

「キナ、アキと一緒にコタとアミーを仲間に引きずり込め」

「はい」

黒い剣を男に渡すとキナはケーキ屋を出ていった。 

男は黒い剣を壁に突き刺し眠るミタに左右の手を向けると力を送った。 

それから暫くしてミタの姿が三毛猫から全裸姿の人間の女性に変身した。 

その後、男は全裸姿のミタの身体に黒いロングスカートを着せ声をかけた。 

「ミタ、目を覚ませ」

「……」

無言でミタがゆっくり目を覚まし身体を起こすと男はミタの手を掴み立たせ壁に押しつけるとそのまま唇を重ねた。 

「んん…」

男を押し離しミタが睨みつけると男が口を開いた。 

 「睨んだ顔、素敵だ」

「なぜ、つぐみさんの水晶を狙うんですか?」

「つぐみの持つ水晶は何でも願いを叶える水晶だ、だから狙う」

「つぐみさんから水晶を奪わないでください」

「君が俺のものになるというならつぐみから水晶を奪うのやめてもいいよ」

「本当ですか」

「あぁ」

「…わかり」

「ダメだ」

「……」

返事を止められ声の方に目を向けたミタは白いロングコート姿のつぐみに驚いた。

「つぐみさん!」

「やっぱり来たか」

そう言って男が目を向けるとつぐみが男に向かって口を開いた。

「お前、何者だ」

「俺は健人(けんと)、お前の水晶とミタを狙う者だ」

「……」

「つぐみ、気をつけてアイツ強いわよ」

白猫のミルクが口にするとつぐみが口を開いた。 

「俺がヤツの相手をするからミルクはミタさんを頼む」

「わかった」

「……」

無言で水晶を剣に変身させ健人に向けた。 

「俺と戦うきか」

「ミタさんと水晶を守るためにお前と戦う」

「面白い」

そう言って健人が黒い剣を掴み構えると白猫のミルクはミタに近づき外に連れ出すとキジ猫のキナとロシアンブルーのアキとキジ白猫のコタとスナネコのアミーに遭遇したと同時に健人とつぐみの戦いも始まった。 

「キナ、アキ、コタ、アミー、ここから離れて」

「無駄よ」

「どういう意味ですか?」 

「キナとアキとコタとアミーは健人の仲間よ」

「え…」

白猫のミルクの言葉にミタが驚くと戦いながらつぐみと健人が現れた。 

「ミルク、何してんだ」

健人と戦いながらつぐみが声をかけると白猫のミルクはミタの手を掴みその場から走り出すとキナとアキとコタとアミーも走り出しミタと白猫のミルクを追いかけていった。

「アランとの戦いは弱かったのに今は強くなったな」

「……」

健人の言葉に答えずつぐみは水晶の剣で健人に向かって光線を放ち続け健人は黒い剣で光線を防ぎ続けた。 

そして健人は黒い剣でつぐみを倒れさせとどめをさそうとしたその時、白いフード付きロングコート姿の男が現れ黒い剣を掴み止めた。 

「何だと」

「……」

無言で男が黒い剣を自分の方に引くと健人は黒い剣から手を離し離れた。 

「誰だお前」

「俺はダイ、剣を返すね」

そう言って男は黒い剣を投げ健人の前に突き刺した。 

健人は男の強さを感じ念じた。 

「アキ、ミタの追跡はやめて家に戻れ、俺も家に戻る」

アキとの会話を終えると健人は黒い剣を抜き取りつぐみに向かって口を開いた。 

「つぐみ、命拾いしたな」

そう言って健人がその場から姿を消すとつぐみは立ち上がり背を向けている男に口を開いた。 

「もしかして君はスコティッシュフォールドのダイさん」

「ミタさんとミルクさんはミタさんの家に居ます、行きましょう」

そう言って白いフード付きロングコート姿のダイが歩き出すとつぐみも歩き出した。 
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