猫ホスト

猫幸世

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猫ホスト

会員番号5~後編~

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ー翌日、隆史の自宅ー 

全裸姿で恵美を抱き寄せながら隆史が眠っていると恵美が目を覚ました。 

「まだ、眠ってる」

そう言って恵美は起こさないように隆史から離れベッドからおりると全裸から服に着替え部屋を出た。

その後、恵美はキッチンに向かい2人分の朝ごはんを作り始めた。 

「フルーツサンド完成」

「おはよう、恵美」

「おはよう、朝ごはん出来ましたよ」

そう言って恵美は皿に盛った2人分のフルーツサンドをキッチンからダイニングのテーブルに運び全裸姿の隆史に目を向けた。 

「服を着てください」

「恵美、ご飯を食べたら樹海に行くぞ」

「樹海?」

「あぁ」

「わかりましたから服を」

「シャワーを浴びてくる、服と下着を浴室に置いといてくれ」

そう言って隆史がダイニングから離れ浴室に向かうと恵美もダイニングを離れ部屋に向かいタンスから服と下着を取り出し浴室に持っていった。 

「服と下着、置いときますね」

「ありがとう」

シャワーを浴びながら隆史が返事をすると恵美は浴室を離れダイニングに向かった。

その後、恵美は椅子に座り先にフルーツサンドを食べ始めた。 

「簡単だしフルーツサンドは良いわね」

「……」

恵美が持ってきた服を着た隆史が浴室からダイニングに現れると恵美が口を開いた。 

「先に食べてるよ」

「あぁ」

椅子に座り隆史もフルーツサンドを食べ始めた。 

「どうですか?」

「初めて食べたけど、フルーツサンド美味しいな」

「良かった」

楽しく朝ごはんを食べその後、食事を終えると恵美は食器を2人分、洗い食器棚に片づけた。 

「恵美、終わったか」

「はい」

「行こうか」

そう言って隆史と恵美は自宅を出て車で樹海に向かった。 

ー樹海ー

猫のホストクラブで猫達が話をしていると司が現れた。

「タイガ、俺の部屋に来てくれ」

「はい」

サバトラ猫のタイガは司と共に店を出ていき司の部屋に向かった。

その後、サバトラ猫のタイガは猫から人間姿に変身し口を開いた。 

「結貴さんの願いを叶えたはずなのに願いが叶わなかったって文句を言われました」

「タイガ、結貴さんと智一さんは」

「知ってます、結貴さんと智一は恋人同士になった」

「タイガ」

司が言いかけたその時、隆史の声が聞こえた。 

「司、俺だ」

「来たようだ、タイガ、話しはあとで」

「はい」

「タイガ、お前はここにいろ」

「はい」

「……」

司は部屋を出ていき待っている隆史に話しかけた。 

「隆史、こっちだ」

「あぁ」

返事をすると隆史は恵美を連れて司の部屋に向かい中に入った。 

「タイガに全て話してあるから俺達は外で待ってようか」

「そうだな」

「隆史さん」

不安そうな顔で恵美が見つめると隆史が恵美の頬に触れながら口を開いた。 

「目を閉じていればすぐ済む」

「わかりました」

「外で待ってるから終わったら出ておいで」

「はい」

ニコリと恵美が笑うと隆史と司は部屋を出ていった。 

「恵美さん」

「はい」

タイガに名を呼ばれ恵美が返事をするとタイガは近づき唇を重ねた。 

その後、タイガは唇を離し恵美に向かって話しかけた。

「突然すみません」

「……」

「隆史さんの願いは叶いました」

「願い?」

「隆史さんがお待ちですよ」

「行っても良いんですか?」

「どうぞ」

「…あの?…」

「何でしょうか?」

「何でもないです」

そう言って恵美は部屋を出ていき隆史の元に向かい樹海を離れていった。 

「……」

タイガが人間姿からサバトラ猫のタイガに戻ると司が現れた。

「お疲れさま」

「司、俺を猫のホストクラブから引退させてくれ」

「引退してどうするんだ」

「結貴さんが居ない国で暮らす」

「わかった」

そう言って司はサバトラ猫のタイガを抱っこしキスをするとサバトラ猫のタイガをおろした。 

「……」

無言でタイガが見つめると司は人間の姿に変わっていくタイガに口を開いた。

「これからは人間のタイガとして新しい人生を送りなさい」

「司、お世話になりました」

「皆には俺から話すから心配するな」

「はい」

「たまには遊びに来いよ」

「必ず遊びに来ます」

そう言ってタイガと司は別れのハグをしタイガは樹海を離れていった。

「頑張れよ、タイガ」

旅立っていったタイガに司は心の中で応援した。 
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