泣き虫陽菜は魔法使い☆

古川優亜

文字の大きさ
上 下
11 / 12
泣き虫でも魔法使いになりたい!!

11

しおりを挟む
「ここ、広い!!」
大きな天井。
広い部屋。
大きく走りながらくるくると回る。
スカートがふわりと広がり部屋の中だったはずなのに。
原っぱに代わる。
綺麗な小さな花がたくさん咲いていて。
「すげぇ。」
祐君はきょろきょろと景色を見ていて。
「桜ちゃんの魔力に充てられたな。」
「何それ?」
「陽菜ちゃんは、なりたてだからなぁ。」
「何故か生まれたばかりの子供を思い浮かぶ。」
祐君も渚お兄ちゃんも笑ってる。
「簡単に言うとここを使う人の心の景色を映すんだ。」
祐君は扉に触ると景色が変わる。
夜空に流れ星。
山の上で流れ星を見ながら私はそ~っと下を見た。
「た、高い。」
「気を付けてよ、桜ちゃん。」
渚お兄ちゃんは私を引っ張る。
「一応、本物だから。本当に落ちるよ?」
祐君も私の隣に来て言う。
「それは、本当に怖い。」
渚お兄ちゃんにしがみついて唾を飲み込む。
しがみつきながらもゆっくりと座る。
地面に手をついて頭の中でぽかぽかお昼の草がいっぱいの草原をイメージする。
すると、辺りが私のイメージ通りに代わる。
「ここは、色々な場所での魔法に備えて変わる。だから、練習場所でここが一番いいんだ。」
祐君は気持ちよさそうに言う。
「ちなみに魔法は想像が大切だからね。具体的な形をしないとだめだよ。」
「はい、祐先生!!」
「誰が先生だ。」
私はまず本を開くイメージをする。
イメージ自体は簡単だけど体の中で何かが動いてる。
それがむず痒い。
「やばい!!桜ちゃん、息して!!」
「俺、一応養護の先生呼んできます!!」



「ぷはぁ!!!」
「「ぷはぁ!!!じゃない!!/ぷはぁ!!!じゃねぇ!!」」
起き上がってから、お水をごくごくと飲んで声を出したら祐君と渚お兄ちゃんに怒られた。
「がちで心配したんだからな!?」
と祐君。
「桜ちゃんに何かあったらあのバカ親2人が怖いじゃん!!」
渚お兄ちゃんは小さく震えており、顔も青い。
「確かに、恐ろしい魔法を生み出しそう。」
祐君もぶるりと震えた。
「えーと、ごめんなさい?」
「もう、天然だから話が進まない!!」
もう嫌だこの子!!と言いながら渚お兄ちゃんは泣く真似をした。


「今から、陽菜ちゃんに魔力を流すよ。たぶん、どこかで止めってるだけだと思うから。」
祐君と手を繋いで体の中にある”魔力”を探す。
でも、よくわかんなくて。
めちゃくちゃなことを考えていたら祐君が
「やめろぉぉぉぉぉぉx!!!」
と、大きな声で笑い出した。
「くすぐったい!!」
何で??
手を離して地面に横になった祐君を見る。
お腹を抱えてたくさん笑ってるなぁ。
数分後!!
「イメージを適当にしないで。」
ぜぇはぁと荒い呼吸で祐君は一言言ってから寝ちゃった。
「渚お兄ちゃーん!!祐君が死んじゃった!!」
「なんで!?」
「死んでねぇ!!!!!」
私が慌てて渚お兄ちゃんを呼びに行ったら後ろから学校中響くんじゃないかと思うくらいの祐君の声が聞こえた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

処理中です...