僕らの姉弟は

古川優亜

文字の大きさ
上 下
19 / 19

18

しおりを挟む
結局、病人であっても長時間話に突き合わされ、寮の場所は決まった。
それから数日経って、動いてもいいとようやく許可が下りた。
だから、今レオンと木刀の打ち合いしてるんだけど。
「すごい、体がなまってる!!」
いくら攻撃してもレオンに一撃も当たらない。
もう、むきになって攻撃し続けたら
「いて!!」
ようやく当たりました!!
「やった!!」
「この体力バカ。」
仰向けに倒れたままレオンはぼそっと言った。
「1,2、3!!」
私は大きく素振りをする。
「おい、ばか!!」
レオンは右に左にごろごろと地面の上を転がる。
そう、何を隠そう私は地面に刺さるほど大きく素振りをしているのだ!!
「なにが、『のだ!!』だよ!!普通にやめれ!!」
えー、どうしようかな。
「はい、没収。」
上から木刀を抑えられる。
「ロン!!」
「がきかよ、お前らは。」
ロンは軽くため息をつくとレオンに手を差し出す。
「リティ、一応、こいつ王族だから。あまり泥だらけにすると怒られるの俺ら。」
「あい、すいません。だから降ろして。」
私はロンによって猫のように襟首を持ち上げられていた。
地面から浮いてプランプランと浮いている。
これ、地味に首が閉まって苦しいだよなぁ。
「はいはい、着替えに行こうなぁ。」
「いやだ!!」
ロンが消えに行こうなとかいうときって大抵あれなんだよ!!
どこか嬉しそうな顔でメイド服渡すなし!!
私がメイド服に着替える時が王妃が視察に来るとき。
王妃は私の顔を知らないけど念のために変装するのが兄弟での約束になっていた。
ロンがどこからか王妃がいつ何時に来るのか情報を集めて私をこんな風に回収しにくる。
どうして、こんなひらひらなエプロンのついた丈の短いワンピースを着なきゃいけないの。
髪の毛だって適当に結んでるのを綺麗に結びなおさなきゃいけない。
なるべく地味に見えるように眼鏡までかけて。
編み込みっていうのをしてさ。
ほんと、うんざりしちゃう。
そっと更衣室から出てバケツに水をくむ。
そして、布切れをもってロンのいる場所に向かう。
私はここで働く小さなメイド。
見習いの間違いだと思うけど。
「にしても、あの女一体頻繁に来すぎでしょ。」
「レオンたちなりに邪魔はしてるらしいが、王妃のほうが強いからな。」
てか、やば!!
「レオン、服どうしたの?」
「その場で着替えさせた。」
よ、よかったぁ。
私の存在をばれないようにするためにもレオンにケガさせれない。
傷一つつこうものなら、犯人捜しをしそう。(王妃が)
とりあえず、第3騎士団の人数が増えるまで私は隠れていないといけない。
ロンがいることで私をどうにか隠れることができてるけど。
私のほうが普通に限界だよ。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

後宮の棘

香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。 ☆完結しました☆ スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。 第13回ファンタジー大賞特別賞受賞! ありがとうございました!!

処理中です...