僕らの姉弟は

古川優亜

文字の大きさ
上 下
3 / 19

しおりを挟む
お母様が死んでから私は何も感じなくなってきた。
お母様が死んでもなお使用人は屋敷にいる。
そこで知ったのがお母様をいじめたのが”王妃様”っていうこと。
そして王妃には私と同い年の王子と年上、年下の王子がいること。
私は王妃を許せない。
どうしてお母様をいじめたりするの?
意味がわからない。
私がいじめられるのは分かる。
でも、お母様は関係ない!!
私はそれから毎日、復習をするために生きてきた。
使用人たちからの嫌がらせも真顔で受け止めてきた。
もはや、私には感情がなくなってきたかもしれない。
笑うか、無表情しか出来なくなった。
私からお母様を奪ったことを後悔させてやる。
お母さまを殺したことを。
間違えた選択だと思わせてやる!!
私は夜中になるとこっそりと部屋を出た。
幸いにも屋敷は王家の庭に隠れるようにして建っていたから、城の庭にはすぐについた。
「これがおにわなの?」
あほらしくてばかばかしくなる。
とりあえず草の上に座っていると。
「だいじょうぶ?」
急に声をかけれて顔を上げると美しい赤い瞳をした白銀の髪の男の子がいた。
多分私より年下。
私が何も言えずに黙っていると
「あ、まっててね!いま、にいさまたちをよぶから!!!」
と言って男の子は走って行ってしまった。
私は少しだけ休憩すると屋敷に向かって歩き始める。
最初から飛ばして走る。
走るだけじゃ不安だから木の枝を渡っていく。
赤い目。
あの男の子は私の目を見ただろうか?
頼むから見てないで欲しい。
赤い目は王家の人間の証だから。
私の目はあの男の子と同じ赤い目。


ベットに戻る頃には体がぐったりと疲れていた。
「キラキラしてたな。」
ベットに横になるとすぐに寝た。
それから私は明るくても暗くてもこっそりと屋敷を抜け出すようになった。
そして
「あ、おねえちゃんだ!」
いつも暗い木の陰に隠れている私を見つける王妃の息子の第三王子。
「お姉ちゃん?」
第三王子の遊び相手をしている第二王子と第一王子は私を見ることはない。
だって私は気づかれる前にすぐに帰っているから。
てか、今まで誰にも気づかれたことない。
私は必ず王妃に復讐をする。
そう思いながら屋敷までの道を歩いていたら
「みーつけた!!」
「え!?」
後ろから勢いよく抱き着かれこけた。
「だ、誰!離して!!!」
私がじたばたともがいていると
「君が呪われた子?」
と前からも声が聞こえて。
というか
「どうして私の後をついてきたの!!!」
私は思わず大きな声で叫んでいた。
「だっていっつもおねえちゃん、かくれてるんだもん!!」
上からの声は多分第三王子。
「どうして呪われた子なんて言われてるんだ?俺となんの変わりがないと思うんだけど。」
と多分第二王子。
「弟たちが迷惑をかけてごめんね(笑)」
笑いながら謝ってるのは多分第一王子。
「・・・いい加減、離せ!!!」
私はそう言いながら勢いよく腕を使って地面から立ち上がる。。
「うわぁ!」
私は第三王子を下ろすと思いっきり木に登った。
「す、すげぇ。」
第二王子は驚いたように私を見上げる。
「どうしてわたしのあとをおうの!!」
私がそう叫ぶと3人は目を見張っている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

後宮の棘

香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。 ☆完結しました☆ スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。 第13回ファンタジー大賞特別賞受賞! ありがとうございました!!

処理中です...