6 / 8
6
しおりを挟む
???side
真っ暗。
どこをどんなに歩いても暗くて寒い。
それなのに。
どうして、こんなにも明るくなるんだろう。
温かいんだろう。
私は、どうすればいいの??
シャーロットside
「王子様!!先輩!!」
私は大きな庭を走り回る。
「見てみて!!」
綺麗な花の壁をくるくる回りながら言うと
「危ないからやめろ。」
と、王子様が。
「本当に子供だな。」
小馬鹿にしたような感じで先輩が笑い、私は先輩の後ろに回り込み膝の裏を思い切り蹴る。
「~~~~!!!!!!」
体を小さく震わせながら先輩がしゃがみ込み王子様は
「いい加減仲良くなれよ、お前ら。」
と呆れたように私の頭を撫でてくれる。
温かい。
「シャーロット!!あとで、文字の綴り練習だ!!」
「鬼!!」
元気になった先輩とそんな他愛もない喧嘩をする。
それが私の毎日。
???side
「NO.3068。」
「はい。」
私はいつものように頭を下げる。
「計画は順調のようだな。」
目を閉じる。
次に来る痛みに備えて。
がっ!!!
思い切り横腹を蹴られて痛みに耐える。
声出すともっと蹴られる。
だから、どんなに痛くても泣かない。
声はださない。
なるべく早く起き上がって片膝をつく。
体はふらつかせない。
「次の計画に進めろ。」
「御意。」
シャーロットside
布団の中で寝てると部屋の扉がノックされた。
私とニコラス先輩はそっとベットから出る。
2人で頷きあい私はドアノブを握る。
私と反対側の壁にいるニコラスは箒を持っていて。
「誰ですか?」
私が震える声で言えば
「俺だ。」
と落ち着いた声が聞こえた。
思わずニコラスと顔を見合わせれば勢いよく扉を開く。
「王子様!!!」
「どうしたんですか?」
「お前ら、黙れ。」
「「はい、すみません。」」
とりあえず私のベットの上に座った王子様は私を膝に乗せる。
「お前らに相談があるんだ。あと、もう少ししたら俺はここを出ていこうと思う。」
「「え!?」」
「うるせぇ!!」
思わず大きな声を出した私とニコラス先輩の口を慌てて塞ぐ王子様。
小さな声で怒られた。
「どうしてですか?」
ニコラス先輩は焦ったように言い、私も頷く。
「俺の扱い知ってるだろ。で、シャロンは連れていくつもりだがニコラス、お前はどうする?」
「愛称付けたんですか!?しかも、普通に連れていくんですか!?」
「俺にはこいつが必要だからな。」
顎が外れそうなくらい先輩は口を開いていた。
「絶対に俺も行きます!!連れて行ってください!!!」
ニコラス先輩は食いつくように言った。
「もちろん、シャロも付いてくるよな?」
「うん!!!」
誰かに必要とされる。
それは、本当に嬉しいことで。
私は王子様と別れた後眠れなかった。
ずっとずっと。
一緒が良かった。
真っ暗。
どこをどんなに歩いても暗くて寒い。
それなのに。
どうして、こんなにも明るくなるんだろう。
温かいんだろう。
私は、どうすればいいの??
シャーロットside
「王子様!!先輩!!」
私は大きな庭を走り回る。
「見てみて!!」
綺麗な花の壁をくるくる回りながら言うと
「危ないからやめろ。」
と、王子様が。
「本当に子供だな。」
小馬鹿にしたような感じで先輩が笑い、私は先輩の後ろに回り込み膝の裏を思い切り蹴る。
「~~~~!!!!!!」
体を小さく震わせながら先輩がしゃがみ込み王子様は
「いい加減仲良くなれよ、お前ら。」
と呆れたように私の頭を撫でてくれる。
温かい。
「シャーロット!!あとで、文字の綴り練習だ!!」
「鬼!!」
元気になった先輩とそんな他愛もない喧嘩をする。
それが私の毎日。
???side
「NO.3068。」
「はい。」
私はいつものように頭を下げる。
「計画は順調のようだな。」
目を閉じる。
次に来る痛みに備えて。
がっ!!!
思い切り横腹を蹴られて痛みに耐える。
声出すともっと蹴られる。
だから、どんなに痛くても泣かない。
声はださない。
なるべく早く起き上がって片膝をつく。
体はふらつかせない。
「次の計画に進めろ。」
「御意。」
シャーロットside
布団の中で寝てると部屋の扉がノックされた。
私とニコラス先輩はそっとベットから出る。
2人で頷きあい私はドアノブを握る。
私と反対側の壁にいるニコラスは箒を持っていて。
「誰ですか?」
私が震える声で言えば
「俺だ。」
と落ち着いた声が聞こえた。
思わずニコラスと顔を見合わせれば勢いよく扉を開く。
「王子様!!!」
「どうしたんですか?」
「お前ら、黙れ。」
「「はい、すみません。」」
とりあえず私のベットの上に座った王子様は私を膝に乗せる。
「お前らに相談があるんだ。あと、もう少ししたら俺はここを出ていこうと思う。」
「「え!?」」
「うるせぇ!!」
思わず大きな声を出した私とニコラス先輩の口を慌てて塞ぐ王子様。
小さな声で怒られた。
「どうしてですか?」
ニコラス先輩は焦ったように言い、私も頷く。
「俺の扱い知ってるだろ。で、シャロンは連れていくつもりだがニコラス、お前はどうする?」
「愛称付けたんですか!?しかも、普通に連れていくんですか!?」
「俺にはこいつが必要だからな。」
顎が外れそうなくらい先輩は口を開いていた。
「絶対に俺も行きます!!連れて行ってください!!!」
ニコラス先輩は食いつくように言った。
「もちろん、シャロも付いてくるよな?」
「うん!!!」
誰かに必要とされる。
それは、本当に嬉しいことで。
私は王子様と別れた後眠れなかった。
ずっとずっと。
一緒が良かった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
舞葬のアラン
浅瀬あずき
ファンタジー
17歳の青年アランは死後冥界の神と契約し、千年後の世界に再生することとなる。それは、「やつ」とともに千年もの間封印されることになったルシアを救うためであった...。
目覚めた場所は森の中で、何と記憶を失っていた。アランは壮絶な過去によって冷酷で皮肉な性格が形成されるが、記憶を失ったことで本来の純粋さを取り戻すこととなる。しかし、心の奥底には記憶があった時の人格が眠っており…?!
自身の境遇や秘められた戦士としての力に戸惑いながらも、彼は様々な出会いを経験して成長し、記憶を探す旅に出ることを決意する。
謎に満ちた彼の素性は徐々に旅の中で明らかになっていく。彼は記憶を取り戻し、ルシアを救うことができるのだろうか。これは、1人の青年が運命に挑む物語ー。
伝統的な英雄譚や冒険活劇を現代の視点で”描く”、本格ダークファンタジー!
※只今書き直し中のため前後で繋がってないとこあります。
※残酷描写もあるので、苦手な方はご注意を。
思い出を売った女
志波 連
ライト文芸
結婚して三年、あれほど愛していると言っていた夫の浮気を知った裕子。
それでもいつかは戻って来ることを信じて耐えることを決意するも、浮気相手からの執拗な嫌がらせに心が折れてしまい、離婚届を置いて姿を消した。
浮気を後悔した孝志は裕子を探すが、痕跡さえ見つけられない。
浮気相手が妊娠し、子供のために再婚したが上手くいくはずもなかった。
全てに疲弊した孝志は故郷に戻る。
ある日、子供を連れて出掛けた海辺の公園でかつての妻に再会する。
あの頃のように明るい笑顔を浮かべる裕子に、孝志は二度目の一目惚れをした。
R15は保険です
他サイトでも公開しています
表紙は写真ACより引用しました
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
あの日、さようならと言って微笑んだ彼女を僕は一生忘れることはないだろう
まるまる⭐️
恋愛
僕に向かって微笑みながら「さようなら」と告げた彼女は、そのままゆっくりと自身の体重を後ろへと移動し、バルコニーから落ちていった‥
*****
僕と彼女は幼い頃からの婚約者だった。
僕は彼女がずっと、僕を支えるために努力してくれていたのを知っていたのに‥
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
もっさいおっさんと眼鏡女子
なななん
ライト文芸
もっさいおっさん(実は売れっ子芸人)と眼鏡女子(実は鳴かず飛ばすのアイドル)の恋愛話。
おっさんの理不尽アタックに眼鏡女子は……もっさいおっさんは、常にずるいのです。
*今作は「小説家になろう」にも掲載されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる