光の姫巫女

古川優亜

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始まり

2 いい加減に

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エミリーは大人しく屋敷の中で読書をしていた。
いつもは隣にいるはずのハルキはいない。
エミリーの周りにはたくさんの本が浮いていた。
「おい、いけよ。」
「ばか?今、魔力が暴走してるじゃない。」
「「エミリー様、仲直りすればいいのに。」」



数日前。
たまたまハルキが他の令嬢と仲良くしてるのを見たエミリーはずっとぶすくれていた。
ハルキはどうして起こっているのかわからず気が付けば二人は口喧嘩を始めていた。
エミリー自身あの気持ちの正体は気づいていた。
だけど、どうしても認めたくないようで。
勿論、使用人のみんなは気づいていた。
だが、誰も何も言わず優しい目で見守っていたのだが。
エミリーはプチパニックになっていた。
初めて見る光景。
それをどう受け止めればいいのかわからないエミリーはハルキと喧嘩してしまう。
それから、ハルキはエミリーを訪れなくなった。
『いい加減にしてくれ!!』
ハルキに言われた言葉。
エミリーは半泣きの状態で本を読み続けた。
「さすがにエミリー様がかわいそう。」
あの方ハルキ様に連絡しなくちゃ。」


ハルキのほうに話を変えよう!!
「はぁ。」
ハルキもハルキで書庫にこもっていた。
エミリーとよく読んでいた絵本を眺めながら死人のように毎日を過ごしている。
「坊ちゃんが#屍__ものけの殻_#に!!」
「あのお嬢様姫さんに嫌われたらしい。」
ハルキのほうも喧嘩したのを後悔してるらしい。
(まず、なんであんなに怒っていたんだ?)
エミリーが怒った理由も知らない。
(あんなこといわなければよかった。)
ハルキは泣くことは無かったが目の下には酷い隈をつくっていた。
「喧嘩してから寝れん!!」
ハルキは頭をかきむしるとため息をついた。
机に突っ伏して目を軽く閉じる。
ずっとこんな状態で使用人たちも困っていた。
「しょうがない。のところに手紙を書くか。」
執事長が軽くため息をつく。


「まぁ、お嬢様が!!」
「ハルキ様もか!!」
それぞれの手紙がお互いの屋敷に届く。
届いた手紙を読んだお互いの旦那様方は笑っていた。
「早急に交流の場を作れるようにしよう。エミのために。」
「ハルキはわかりやすいなぁ。仕方ない、父親大人らしいことするか。」
エミリーは知らない。
自分の恋心を周りの大人が知っていることを。
ハルキは知らない。
エミリーの怒った理由を。
なぜ、夜寝れないのか自分の気持ちを。
二人は何も知らない無垢な子供だがたった一つ分かるのが、お互いがお互いを大事に思っていること。
仲直りをしないといけないということだった。
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